2015年11月26日更新

【獣医師監修】犬の心筋症〜原因・症状と対策

心筋症とは心臓の病気の一種です。重篤化しやすく、最悪の場合は突然死を引き起こす場合もあるので特に気を付けなければならない病気のひとつと言えるでしょう。

しかし心筋症には原因不明のものがあり、発見することも難しいという側面があります。その上、放っておくとどんどん進行する病気であり早期発見の必要性が高いので、心筋症に関する知識は必要不可欠です。犬の心筋症の原因や症状、対策についてお伝えしていきます。

犬の心筋症の原因

犬の心筋症は大きく分けて、肥大型と拡張型の二つのタイプがあります。

肥大型の心筋症は心室の容量が肥大化し、拡張型の心筋症は心臓の収縮力が著しく低下します。これらは共に心筋症ですが、心臓に起こっている現象自体は大きく異なります。

肥大型心筋症の原因は解明されておらず、原因不明であることが多いですが、拡張型心筋症には原因のわかっているものがあります。

拡張型心筋症の原因

拡張型心筋症の原因にはタウリンの不足が挙げられます。それが解明されて以降はペットフードの多くにタウリンが配合されるようになり、心筋症で死亡してしまうペットは各段に減ったという事実があります。

とはいえ、タウリンを十分に摂取していても心筋症になることがあり、そのような場合は原因不明となります。心筋症の原因についてはわかっていないことのほうが多いです。

心筋症を発症しやすい犬種

心筋症は大型犬に多い病です。特にド―ベルマンやボクサー、セントバーナードなどは加齢に伴って心筋症を発症させる可能性が高いので、よりしっかりと注意してあげなければなりません。

また純血種の犬種にも多いので、遺伝的なものが原因である可能性もあります。心筋症を放置してしまうと突然死に至ってしまう可能性があるのでしっかりとした配慮を心がけてください。

犬の心筋症の症状

心筋症の初期ではまず元気がなくなります。また食欲不振、呼吸障害、腹水などの症状も現れます。犬が心筋症になっていると、驚くほどに一気に元気がなくなります。以前は楽しそうにしていたり元気に走り回っていたことに対しても興味を示さずにぐったりしているようなときには心筋梗塞を疑ってください。

心筋症は早期発見が何より大切です。少しでも気になる症状が見受けられたらすぐに獣医さんに診てもらってください。

犬の心筋症の対策

犬の心筋症は原因不明であることの多い病気です。そのため予防するのは難しいと言わざるを得ません。ただタウリンが不足することで心筋症が引き起こされることがあるので、飼い犬に与えるエサにタウリンが含まれているかどうかは確認するようにしてください。

犬の心筋症に関する有効な対策は、心筋症の症状にいち早く気付き、すぐに獣医さんの診察を受けさせてあげることです。特にぐったりしているときには心筋症の可能性が高いので注意してください。

心筋症の治療

心筋症の治療は内科療法で行われます。まずは症状に合わせて強心剤、血管拡張剤、抗不静脈剤、利尿剤などを投与します。それに加えて心臓の機能を回復させる成分も併せて投与し、心機能を改善させるようにもっていきます。

また対症療法として塩分を控えた食事を与えながら安静にし、回復を促します。ただ拡張型心筋症の場合は進行性の病気なので、症状が軽い状態であっても治療を継続しなければならない場合もあります。心筋症の疑いがあるときにはすぐに動物病院に連れていき、治療をしてもらってください。

まとめ

犬の心筋症は突然死のリスクのある病気です。心筋症を発症する原因は解明されていないことが多く、心筋症を直接的に防ぐことは難しいと言わざるを得ません。

しかし心筋症の症状をいち早くキャッチし、早期発見につなげることができれば飼い犬の命を救える可能性が高まります。心筋症において大事なことは、飼い犬から発せられている病気のサインを見落とさないことです。飼い犬の変化を見抜けるよう、日頃からしっかりと観察するように心がけてください。

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