2016年1月4日更新

【獣医師監修】犬のトリコモナス症〜原因・症状と対策

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一昔前ではよく知られていた病気ですが、現在ではあまり馴染みのなくなった病気の一つにトリコモナス症という犬の病気があります。

トリコモナスは人では性感染症の原因として知られていますが、犬では健康な個体の腸にも存在している寄生虫で、通常は感染していても症状を伴わなず、問題のない原虫です。しかし何らかの要因でこのトリコモナスが犬にさまざまな症状を引き起こしてしまうことがあります。

 

不衛生な環境に注意!トリコモナス症の原因

トリコモナスは脊椎動物全般に寄生する原虫の一種で、犬の大腸や結腸、盲腸に寄生している原虫です。通常はトリコモナスを犬が保有していても症状が現れることはほとんどなく、無症状キャリアとして扱われます。

しかし、無症状だからと言ってトリコモナスを保有していないわけではないので、気づかないうちに感染が広がってしまい免疫力の低い犬が症状を発症してしまうこともあります。

基本的には経口感染

トリコモナス症の感染源は経口感染です。トリコモナスに汚染された糞を何らかの形でほかの犬が口にしてしまうことにより感染が広がっていきます。特に無症状キャリアの犬に飼い主が気づかず、排泄した糞を放置しておくことでほかの犬が口にする機会が増えてしまい、ほかの犬に感染してしまうケースが増えています。

劣悪な環境下で発症してしまう

ここ数年、トリコモナス症にかかる犬が増えている背景の一つに劣悪な環境で繁殖されている犬たちの存在があります。不衛生な環境でブリーダーが犬を繁殖しているところが多く、免疫力の低い子犬たちの多くがトリコモナス症にかかった状態で販売されているということも感染が広がっている要因の一つです。

トリコモナス症の症状について

トリコモナス症の症状は、健康な成犬であれば無症状なことも多く、万が一感染源となる糞を口にしてしまっても発症することはそれほど多くありません。しかし子犬や生まれたての幼犬では、ワクチンを接種していてもトリコモナス症を発症してしまうことがあります。そしてその症状は消化器系に非常に大きなダメージを残してしまうこともあり、発育障害などを招いてしまうこともあります。

主な症状としては水のような下痢や血便、粘性を伴う便があります。食事量の低下や元気がなくなることもしばしばあります。また下痢などの症状が続くと肛門の腫れや赤みを伴うようになり、直腸脱や脱水症状を引き起こし消化器系に深刻なダメージをもたらします。トリコモナス症を発症している場合、ほかの寄生虫や細菌と混合感染をしていることも多く、著しく免疫力も落ちているのでこれら以外の症状もよくみられます。

 

愛犬を守るためにできる対策

トリコモナス症の症状がみられる場合は、対症療法が優先して行われることがほとんどです。駆虫薬の投与と下痢止めなどや腸内細菌のバランス剤で様子を見ることが多く、ほとんどの場合2週間前後の治療でよくなります。

しかし、トリコモナス症以外にコクシジウムやジアルジアなどのほかの寄生虫を伴う病気を併発している場合、対症療法では効果が出にくいこともあるので少し強い薬などを使用することもあります。

汚染された劣悪な環境では大人の犬であっても免疫力の低下によりトリコモナス症を発症してしまうことはしばしばあります。特に多頭飼育で症状を発症していない無症状キャリアがいた場合、免疫力の低い愛犬を著しく危険な目にさらしてしまうことになります。

排泄物は素早く片付けるようにし、日ごろから愛犬の免疫力を高める食事や運動を十分行うことで感染を防ぐことは可能です。また症状が出ていなくても定期的に便検査を行うようにし、愛犬が確実に無症状キャリアでないことを確認しておくことも重要なポイントになります。

まとめ

トリコモナス症はどんな犬でも発症してしまう可能性があり、飼い主の知らないところで感染が広がってしまう恐れのある病気です。昔に比べてトリコモナス症にかかる犬が減ったとはいえ、逆に注意不足により近年では徐々に増えてきている病気でもあります。

何か少しでも愛犬に異変を感じた場合は軽視せずに、すぐに獣医に診てもらい、早期発見・早期治療を行っていくことが何よりも大事です。

 
 

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