2015年12月17日更新

【獣医師監修】犬のリーシュマニア症〜原因・症状と対策

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 

犬のリーシュマニア症は命に関わる寄生虫症のひとつです。犬だけではなく猫や人にも寄生し、皮膚や内臓にダメージをもたらす怖れがあります。

日本国内での症例はほとんどありませんが、リーシュマニアが分布している地域に愛犬と渡航する際は感染のリスクがあるため、注意が必要です。ここでは、犬のリーシュマニア症の原因や症状、対策についてご紹介していきます。

 

犬のリーシュマニア症の原因

犬のリーシュマニア症はサシチョウバエという吸血昆虫を媒介して感染します。サシチョウバエは世界に約500種いることが確認されており、そのうちの約30種類が寄生虫を媒介します。

日本国内にはニホンサシチョウバエが生息していますが、これが媒介者となった例はまだ確認されていません。リーシュマニアが寄生しやすいのは熱帯や亜熱帯の地域です。特にインドやネパール、ブラジルなどはリーシュマニア症の感染例が多いのでそれらの地域に渡航の際は特に気を付けてください。

稀なケース

リーシュマニア症の大半はサシチョウバエを媒介して発症するものですが、稀にリーシュマニアが寄生している動物の血液が輸血されることによって感染してしまうケースがあります。

犬のリーシュマニア症の症状

犬のリーシュマニア症には数か月から数年単位の潜伏期間があり、潜伏期間を経てリーシュマニア症を発症すると食欲不振による体重の減少、下痢や嘔吐、リンパ節の腫れ、鼻出血などの症状が出始めます。リーシュマニア症には内臓型のものと皮膚型のものがありますが犬のリーシュマニア症の多くは内臓型であり、前述したような症状がでます。リーシュマニア症を放置してしまうと大事に至る可能性が高いので注意してください。

皮膚型のリーシュマニア症の場合

皮膚型のリーシュマニア症は軽度であれば自然治癒することがありますが、結節や潰瘍が生じて重症化することもあります。

 

犬のリーシュマニア症の対策

犬のリーシュマニア症は潜伏期間が数年単位になることがあるので発症しても原因を特定しにくい寄生虫症です。特にペットを同伴しての海外渡航歴のある方は注意が必要で、飼い犬にリーシュマニア症の症状が出ているときにはすぐに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。

リーシュマニア症はサシチョウバエを媒介して感染します。サシチョウバエに刺されないように配慮することが最も重要な対策方法となるので、サシチョウバエには十分に注意してください。

犬のリーシュマニア症の治療

リーシュマニア症の治療は駆虫薬の投薬によって行います。しかしリーシュマニア症を引き起こしている原因(寄生虫)を体内から完全に駆逐することは難しく、定期的な投薬治療と診察を継続的に受けさせてあげなければなりません。

また皮膚型のリーシュマニア症を発症していて結節ができてしまっている場合には外科手術で取り除く必要があります。犬のリーシュマニア症は症状が進行すると重症化し、転移することがあります。身体の不調を感じたらすぐに獣医さんの診察を受けさせてあげましょう。

まとめ

犬のリーシュマニア症は日本国内では発症例が少ない寄生虫症ですが、海外では感染のリスクが高まるのでペット同伴で海外に渡航する際には特に注意しなければなりません。また地球温暖化などの理由によって虫の分布に変化が生じてきている昨今の状況を思えば、今後いつ日本国内でリーシュマニア症が流行するかわかりません。

リーシュマニア症はサシチョウバエを媒介して感染する寄生虫症です。リーシュマニア症を予防するためにはサシチョウバエが近寄らないように配慮することが大切です。リーシュマニア症は重症化するリスクの高い寄生虫症です。愛犬のサシチョウバエとの接触を避け、リーシュマニアに感染するリスクが生じないようにしてあげましょう。

 
 

関連カテゴリ