2015年12月16日更新

【獣医師監修】犬の気胸〜原因・症状と対策

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犬の気胸は重症化すると命に関わる深刻な状態を引き起こしてしまう可能性があります。そうならないために大事なことは早期の段階で獣医さんに診察してもらい、治療を受けさせてあげることです。ここでは、犬の気胸の原因や症状、対策についてご紹介していきます。

 

犬の気胸の原因

気胸とは通常は気管や肺などの呼吸器の中にのみ存在する空気が、呼吸器の外に漏れ出てしまうことにより起こります。漏れ出た空気が今度は肺などを外から圧迫することで、呼吸困難を引き起こします。

犬の気胸の原因は大きく分けてふたつに分類されます。疾患によるものと外傷によるものです。犬の気胸を引き起こす疾患は肺炎、肺気腫などが代表的なものとなります。これらの疾患によって、吸い込んだ空気を肺に届ける気管が損傷を受けると気胸を引き起こします。

また外傷によって気管が損傷して気胸になる場合もあります。特に交通事故などで胸部が強く圧迫されると外傷による気胸を引き起こす可能性が高まるので十分に気を付けてあげてください。

犬の気胸の症状

犬の気胸は損傷を受けた気管から空気が漏れ、胸腔の中に空気が溜まってしまうことによって肺が十分に膨らむことが出来なくなった状態のことを指します。そのため呼吸困難の症状がでます。また吐血やよだれを垂らすなどの症状が出ることもあります。

胸部を触られることを嫌がったり、散歩に対して後ろ向きな反応を見せたりといった場合には気胸を引き起こしている可能性があるので早急な対応を心がけてあげてください。

 

犬の気胸の対策

犬の気胸の主な原因は疾患と外傷です。疾患が原因で気胸を引き起こしている場合には原因となっている病気を治すことが先決です。

肺などの疾患によって気胸になることを自然発生性気胸と言います。言葉の通り自然に発生する気胸なので予防をすることが難しく、どうしても治療による対策に頼らざるを得ません。

ただ外傷による気胸に関しては事前に対策を取ることが可能です。胸部に強い負荷がかからぬよう、配慮してあげてください。ただ強い咳によって気胸になる場合もあるので、それについても事前に完全に予防することは難しいと言わざるを得ません。大事なことは飼い犬をしっかりと観察し、気胸の症状を見抜いて適切な治療を受けさせてあげるこです。

犬の気胸の治療

肺炎や気管支炎などが原因で気胸を引き起こしている場合には基礎疾患の治療をして気胸の症状を落ち着けます。

ただ気胸の症状が重症化していて呼吸困難の状態が深刻化しているようなときには基礎疾患の治療と併せて胸腔の中に溜まってしまった空気を取り除き、肺が圧迫された状態を脱するための治療を行います。

外傷によって肺などに穴が開いているときはまずその穴を塞ぐ外科手術を行います。場合によっては酸素吸入を継続的に行いながら自然に呼吸できるようになるのを待ったり、胸腔の中にチューブを留置して、空気が溜まったままにならないようにします。

気胸は肺を押しつぶしてしまうおそれがあるので早急に対処しなければならない病気です。犬の気胸をいち早く見抜き、早急に処置をしてあげられるように努めてください。

まとめ

犬の気胸はふとしたきっかけで発症する可能性のある病気です。また肺炎や肺気腫などのように重症化すると命に関わる病気が原因となっている場合もあります。

気胸によって胸腔の中に空気が溜まってしまうと肺が圧迫されて呼吸が困難になり非常に辛い思いをしている状態になります。いち早く飼い犬に表れている症状から気胸の可能性を見抜けるようにしてください。犬の気胸は適切な治療や処置をしてもらえば十分に治せる可能性があります。症状が深刻になってしまう前に治療をすることが大事になるので、呼吸困難の症状が見られたときにはすぐに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。

呼吸は生命活動の要です。家庭で様子を見るのではなく獣医さんを頼るようにしましょう。

 
 

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