2016年3月17日更新

【獣医師監修】犬の再生不良性貧血〜原因・症状と対策

再生不良性貧血という言葉に聞き馴染みはあるでしょうか。再生不良性貧血とは何らかの原因によって骨髄の機能が低下することによって貧血状態になってしまう病気を指します。骨髄細胞が脂肪組織に置き換わってしまい、正常な血液が作られなくなると体内の血液が不足し、貧血の症状が見られるようになります。

骨髄の病気は生命活動を司る血液の異常を引き起こすので早急に治療してあげなければなりません。犬の再生不良性貧血の原因や症状、対策についてご紹介していきます。

犬の再生不良性貧血の原因

犬の再生不良性貧血は原因を特定することが難しいです。感染症や化学物質、免疫系の異常などによって骨髄に異常をきたすと再生不良性貧血になる可能性が高まります。

再生不良性貧血を引き起こす怖れのある主な感染症はエールリヒア症、パルボウイルス感染症などです。また再生不良性貧血を引き起こすおそれのある主な化学物質はエストロゲン、クロラムフェニコールやセファロスポリンなどの抗菌薬、シクロホスファミドやアザチオプリンなどの化学療法薬や抗炎症薬などです。

犬の再生不良性貧血の症状

再生不良性貧血は微熱の状態が続く、疲れやすくなる、元気がなくなるなどの症状に加え、白血球、赤血球、血小板の減少が見られます。白血球が減少すると免疫力の低下、赤血球が減少すると全身の酸素の不足、血小板が減少すると点状出血が見られます。特に点状出血は肉眼で症状を見て取ることが可能なので腹部や口の中に点状出血が見られた場合は獣医師の診察を受けてください。

犬の再生不良性貧血の対策

再生不良性貧血は原因を特定することが難しいため予防をすることも難しくなります。人の再生不良性貧血に比べて犬の再生不良性貧血は未解明な部分が広く、再生不良性貧血の症状が出始めていても原因を特定できることはほとんどありません。

それに加えて再生不良性貧血は有効な治療法に乏しいので獣医さんに治療をしてもらえば簡単に完治するというものでもありません。とはいえ獣医さんの診察を受けさせて再生不良性貧血という病気になっていることを発見し、症状に応じて適切な治療を受けさせてあげなければ死に至る可能性があります。

予後は決して良くはありませんが、延命や症状の緩和を目的とした治療を受けさせてあげることは大切です。

犬の再生不良性貧血の治療

犬の再生不良性貧血の治療は症状に応じた対症療法となります。病気自体を完治させることは非常に難しいためです。症状が軽めであればその症状を緩和するための投薬などを行い、重度の症状が出ている場合は輸血などを施します。病気自体を完治させることが難しいため継続的な治療が必要となります。

まとめ

犬の再生不良性貧血は原因不明であることがほとんどであるため有効な治療を行うことができず、対症療法を繰り返し施しながら延命を行うという形になりやすいです。病気を完治させて元気な状態に戻ってほしいと飼い主の方は思うものですが、そのように思うからこそ継続的な治療を行い、少しでも症状を緩和してあげることに努めてあげてください。

犬の再生不良性貧血に関してはまだ解明されていないことが多いですが、症状を緩和することは可能です。獣医さんに相談しながら少しでも有効な対症療法を受けさせてあげましょう。

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