2016年5月11日更新

【獣医師監修】猫は生の魚を食べても大丈夫?手放しでOKとは言えず注意が必要!

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「猫の好きな食べ物は?」と聞いたら日本では十中八九「魚」という答えが返ってくるのではないでしょうか。それほど「猫は魚が好き」というイメージが強いのですが、果たして生の魚は猫にとってベストなご飯なのでしょうか?今回は猫に生の魚を与えても良いのかどうかについて調べてみました。

 

猫に生の魚をあげるなら注意が必要

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海辺に住み着く猫にとって生の魚は常食であり、日本では昔から猫に魚を食べさせてきました。そのため「生の魚は新鮮なので猫にあげても良い」と考えている人は少なくありません。しかしながら実は生の魚を与えすぎると、猫の健康を害することがあるのです。

猫の祖先はもともと砂漠地方で生きてネズミなどの小動物を食べていました。そのため猫の体は魚ではなく生肉を内臓ごと食べることで栄養を満たすようにできているのです。猫に魚をメインに与えていたのは日本など海に面して豊富に魚が獲れるエリアのみ。もちろん、生の魚にも良いところはありますし、食べてすぐに、猫の害になるわけではありません。猫に生の魚を与える際には量のコントロールなど注意が必要なのです。

猫に生の魚を与え過ぎるとどうなるの?

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生の青魚の食べ過ぎはイエローファットの原因に

アジやイワシなど背の青い魚にはDHA、EPAなどの不飽和脂肪酸がたくさん含まれています。DHA、EPAは適量であれば猫の健康にプラスになると言われていますが、大量に食べてしまうと体内で酸化し、ビタミンE不足になってイエローファットという病気を引き起こすこともあります。

イエローファットとは酸化した皮下脂肪が原因で炎症が起きる病気で、下腹部などにしこりができたり、発熱などの症状が表れます。

生の魚を食べ過ぎるとビタミンB1不足から運動障害が起きることも

生の魚、特に淡水魚にはチアミナーゼと呼ばれる酵素が含まれています。この酵素にはビタミンB1を壊す働きがあり、食べ過ぎるとビタミンB1欠乏症になることがあります。

猫はビタミンB1を大量に必要としていて、不足すると運動障害や知覚過敏などの症状が出ると言われています。

生の魚の寄生虫に注意

生の魚の内臓部分には寄生虫がいることがあります。特に川魚には海の魚に比べて寄生虫が多くいると言われています。寄生虫は猫にアレルギーや、内臓の疾患を誘起する可能性がありますので要注意です。

 

猫に生の魚あげる時に注意したいこと

生の魚にはタンパク質やDHAなどの栄養分があるのは事実ですし、魚が好きな猫にとってはご馳走ですので、注意してたまにあげる分には害にはならないでしょう。猫に生の魚を与える場合はいくつか留意点がありますので心に留めておいてください。

青魚は量のコントロールを

アジ、イワシなどは猫の好きな魚ですが、大量に食べさせると先述したようにイエローファットを引き起こす可能性があります。たまに食べさせる程度なら特に問題はありませんが、猫のごはんを生の青魚に置き換えるようなことは止めた方が良いでしょう。

万が一、海の近くにいて猟師さんから自由に魚をもらえるような環境にいる場合は、ビタミンEをサプリメントなどで補ってあげる必要があります。

寄生虫に注意する

生の魚を食べてすぐに猫の健康に影響が見られるのは寄生虫かもしれません。サバや川魚には寄生虫がいる可能性が高いので少なくとも内臓を与えるのは止めましょう。

内臓を取っても肉の部分に寄生虫がいる可能性がありますので心配な場合は一度、冷凍して寄生虫を死滅させると良いでしょう

生の魚を食べさせる場合は手作りメニューがオススメ

生の魚はそれだけで与えるとどうしても食べ過ぎてしまう可能性がありますので、手作りメニューに取り入れるのがオススメです。生の魚は栄養豊富で酵素が摂取できるメリットもありますし、猫の嗜好に応えることもできますので、トッピングや肉に混ぜる形で利用してはいかがでしょうか。

猫に生の魚を安全に与えるためには正確な知識が必要

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生の魚は食べ過ぎると猫の健康を害する可能性があることは意外に知られていません。もちろん、「猫に生の魚を食べさせてはいけない」と断じるほど神経質になる必要はありませんが、注意すべきポイントを頭に入れて、安全に食べさせてあげるようにすることが大切です。