2016年3月13日更新

【獣医師監修】猫の耳疥癬〜原因・症状と対策

ペット生活

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編集部

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猫の耳にダニが寄生することによって発症してしまう耳疥癬、通称耳ダニともいわれる病気をご存知でしょうか。猫には多い病気ともいわれる耳疥癬は猫の耳の病気では最も痒い病気だとされています。正しい予防を行っていれば発症することも少ない耳疥癬、愛猫を苦しめないためにも飼い主の正しい知識が非常に大事になります。今回はそんな耳疥癬について詳しく見ていきましょう。

 

猫に多い耳疥癬の原因

耳疥癬は、耳ダニ、耳ヒゼンダニ、耳疥癬虫などと呼ばれる0.3~0.4mmほどの白く小さなダニの一種が猫の耳の外耳に寄生することで発症する病気です。ほかのダニと違って皮膚を食い破って中に侵入することはないものの、耳の中の耳垢や皮膚のカサブタ、リンパ液、血液などを栄養として外耳に住み着きます。この外耳でダニが繁殖していくことで痒みを引き起こすようになり、ダニが吸血した際の傷口にダニの排せつ物などが入り込んで非常に強いかゆみを伴うようになります。

環境からの感染

猫の耳に耳垢がたまったり、不衛生な環境での飼育を行っていたりすると耳ダニが住みやすい環境が出来上がってしまいます。生命力の強い耳ダニはそういった環境から猫の耳に侵入し感染を拡大させていきます。

接触感染

猫の耳疥癬の感染経路で一番多いのが接触感染です。子猫などの場合は母猫から感染されることがほとんどで、多頭飼育などでは感染がすぐに拡大してしまいます。完全室内飼いでない猫の場合、屋外から耳ダニをもらってくることがほとんどです。また飼い主が外でほかの感染動物接触した際に卵や幼虫を持ち帰ってしまうこともあり、感染してしまうこともあります。

耳疥癬の症状とは?

耳疥癬の症状としてはとにかく激しい痒みが伴います。黒い耳垢がたまり、激しく頭を振って痒みを取り除くような行動が見られるようになります。あまりの痒みに猫自身が耳を引っ掻いてしまい出血や耳の損傷につながることもしばしばあります。また壁や床に耳をこすりつけたりすることもあり、耳が傷つき激しい炎症を伴ったり、膿が激しく出たりすることもあります。膿を伴うようになると悪臭が漂うようになり、時には内出血を起こしたり、耳血腫を起こしてしまうこともよくあります。

症状がどんどん悪化してくると、耳だけでなく全身に痒みを伴うこともあり、食欲減退や沈うつのような症状が出てきてしまいます。さらに耳から広がって目の周りでも炎症を起こしてしまうこともあり、非常に危険です。慢性的に外耳炎を引き起こしているような状態が続き、徐々に中耳、内耳にも広がっていき、場合によっては聴力を失うこともあります。

 

愛猫を耳疥癬から守るために

愛猫に耳疥癬が見られたら早急に獣医師に診せるようにしましょう。耳の中を洗浄し、抗ダニ剤やダニ駆除剤などの投与を行い治療を行っていきます。またレボリューションなどのスポット式薬剤を体に塗布することで駆虫を図り、環境下にいるダニの処理も行うことができます。あまりにも状態がひどい場合ではステロイドの投与や抗炎症剤の投与、場合によっては外科的手術が行われることもあります。

早期治療が行えれば愛猫の耳を傷つけることなく治療が完治する病気です。しかし、耳掃除を怠ったり、感染前と同じような生活環境下では再発してしまうこともあります。耳疥癬は非常に繁殖力の強く、完治までにも時間を要する病気です。愛猫を耳疥癬から守るためにも完全室内飼いに切り替えたり、飼育環境を清潔に保ったりすることは非常に重要なことです。また感染していなくても耳ダニの予防やダニなどの駆除剤を定期的に投与することで病気を事前に防ぐことができます。

まとめ

通常のダニとはまた違う、耳にだけ寄生する耳疥癬は感染力が非常に強く、とても厄介な病気です。完全室内飼いでほかの猫との接触もないような場合であれば感染することもほとんどありませんが、少しでも愛猫に疥癬を疑うようなしぐさが現れた時は早急に対応が必要です。定期的に予防薬の接種を行い、たかがダニと放置せず、正しい知識を持って愛猫の健康を守ってあげるように心がることが何よりも大事になります。

 
 

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