2016年3月25日更新

【獣医師監修】犬の結膜炎〜原因・症状と対策

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犬でよく見られる目の病気として有名なのが結膜炎です。結膜は眼球の白目からまぶたの裏側を覆っている膜で、この結膜が炎症を起こすと白目が充血して赤くなります。犬は目にゴミが入ったり毛が入ったりすることが多く、異物が眼球に入っても自分で目を洗うことができません。そのため些細なことで結膜炎を引き起こしてしまいます。

 

結膜炎を引き起こす原因

愛犬が結膜炎を起こしてしまう原因は、ほとんどが外的要因になります。また結膜炎が片方の目で起こっている場合と両方の目で起こってる場合で原因も変わってきます。結膜炎が片方の目だけに起こっている場合は異物などの物理的な刺激が考えられます。両目とも結膜炎の症状が出ている場合はアレルギーや感染症などによって引き起こされている可能性があります。

物理的な原因

ゴミや毛、シャンプー、花粉、粉塵、ほこり、薬品、スプレー、ハウスダストなどの異物が目に入ることで炎症反応が起こります。目に入った異物に対して愛犬が目を強くこすったり引っかいたりしても結膜炎になることがあります。

非物理的な原因

ウィルスや細菌に感染することで結膜炎を起こしてしまうことがあります。細菌やウィルスなどの微生物に感染してしまうと、涙などの生産量が減少し更に細菌や真菌が繁殖しやすい状態になります。それによって結膜に炎症が起きます。

基礎疾患が原因

物理的な原因や非物理的な要因以外でも、もともと疾患として病気を持っているせいで結膜炎が起こることがあります。具体的には天疱瘡やアトピー性皮膚炎、角膜炎、ドライアイ、流涙症、ブドウ膜炎、緑内障、副鼻腔炎があります。

結膜炎の症状

愛犬の結膜炎は飼い主がなかなか気づかないことが多く、犬が目をひどくこすったり症状が悪化したりして気づくことがほとんどです。それは犬の黒目の部分が大きく、正面を向いている状態ではほとんど白目を確認することができず、充血に気づかないからです。愛犬に以下のような症状が見られたときは、早い段階で上まぶたを強引に押し上げるか、下まぶたを押し下げるかして、結膜に炎症があるかどうかを確かめるようにしましょう。

初期の症状

初期の早い段階では、白目の部分やまぶたの裏側が赤くなる程度です。それが徐々に目のかゆみを伴うようになり、充血、まばたきの増加などが見られます。愛犬が目をこする様子も見られ、目に不快感を覚えます。

症状が進行していくと

状態が徐々に悪化してくると、まぶたが腫れたり、涙や目やにが多くなり目の周りが濡れたりするようになります。頻繁に顔をこすりつけるようになり、皮膚が傷ついてしまうこともあります。結膜炎だけでは失明することなどはほとんどありませんが、疾患性の結膜炎や愛犬が目を傷つけてしまった場合、発見が遅くなると失明してしまう可能性も出てきます。

 

愛犬を結膜炎にさせないために

愛犬に結膜炎の症状が見られたら、放っておかず早い段階で獣医師に診せるようにしましょう。ほとんどの場合、点眼や軟膏による治療で完治が期待できます。状態が悪い場合には洗浄を行うこともありますが、素人が洗浄を行うことで逆に状態が悪化してしまうこともあります。疾患や非物理的原因による結膜炎の場合は、点眼などで炎症を抑えながら根本的な原因を取り除く治療していきます。愛犬があまりにも目をこすってしまうような場合にはエリザベスカラーを使用し、状態を悪化させないように注意を払いましょう。

基本的には結膜炎の原因となる物理的要因を避けることが愛犬を結膜炎にさせない方法になります。目の周りの毛を短くしたり、愛犬の飼育環境を清潔に保ったりすることで愛犬の目に異物が混入することを避けられます。またシャンプーによる結膜炎の場合も、低刺激のシャンプーに変えることによって結膜炎になりにくくなります。結膜炎の症状が見られなくても、愛犬の目に異物が混入しているようなときはコットンなどで早急に異物を取り除いてあげることも予防につながります。

まとめ

結膜炎は命にかかわる病気でもなければ、かかりやすく治りやすい病気です。しかし、いくらかかりやすく治りやすい病気だからと言って放置しておくのはよくありません。愛犬が結膜炎を起こしたときはその原因をしっかりと突き止めることでほかの病気を防ぐこともできます。少しでも異常が見られた場合は、早い段階で獣医師に相談し愛犬の目を守ってあげるようにしましょう。