2016年3月10日更新

【獣医師監修】犬の鉤虫症〜原因・症状と対策

犬の鉤虫症という言葉に馴染みはあるでしょうか。鉤虫という寄生虫の一種が犬の体内に寄生することで発症する病気です。また鉤虫は人にも感染するので飼い主の方も同様に注意が必要な寄生虫といえます。

鉤虫は口から体内に侵入するだけではなく、皮膚からも体内に侵入できるので、鉤虫が生息している土の上を裸足で歩くことで感染する場合もあります。特に犬は裸足で屋外を散歩するので土の上を歩く機会が多く、鉤虫に感染するリスクが高まります。ここでは、鉤虫症の原因や症状、対策についてご紹介します。

犬の鉤虫症の原因

犬の鉤虫症の原因は鉤虫という線虫の一種です。鉤虫が体内に侵入すると鉤虫症を引き起こす怖れがあります。鉤虫の感染経路として考えられるのは経口感染、垂直感染、経皮感染です。

鉤虫は感染した動物の糞便中に排出されます。また、土壌の中に潜んでいることもあります。鉤虫が生息している土壌に犬が口をつけると経口感染するリスクがあります。また鉤虫の幼虫が皮膚から体内に侵入すると経皮感染、鉤虫が感染している母犬の胎内や母乳から感染すると垂直感染を起こします。

犬の鉤虫症の症状

犬の鉤虫症の症状は子犬と成犬でそれぞれ異なります。子犬であれば下痢や粘血便、体重の減少が見られ、成犬であれば貧血、体重の減少などの症状が表れ、毛艶の悪化が見られます。特に子犬の場合は重症化するリスクが高く、貧血の状態がひどくなると命を落としてしまう可能性があります。

鉤虫症は垂直感染するので、生後間もない子犬でも寄生虫症を疑う症状が見られた際は要注意です。子犬から発せられる鉤虫症のサインは糞便の異常や体を丸めて腹部を痛がる、などです。子犬の状態を注意深く観察し、もし体調不良のサインが出ていたらすぐに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。

犬の鉤虫症の対策

鉤虫の幼虫は口からだけではなく皮膚からも体内に侵入できるので、犬の糞便などを口にすることがなくても散歩中などは常にリスクがある状態になります。コンクリート舗装された道を歩かせていれば土壌中に潜んでいる鉤虫に触れる可能性が低いので、できる限り他の動物の糞便に触れないような配慮しましょう

また母犬から子犬への垂直感染を避けるためには母犬の胎内に寄生虫が潜んでいるかどうかの検査を獣医さんに行ってもらい、もし寄生虫がいる場合は駆虫薬を投与して寄生虫を体内から駆逐してもらいましょう。鉤虫症は子犬のほうが重症化するリスクが高いので飼い犬が鉤虫症にならないようにしっかりと配慮してあげてください。

犬の鉤虫症の治療

犬の鉤虫症は駆虫薬を投与して治療を行います。鉤虫の駆逐が不十分であると再感染する可能性があるので注意してください。また鉤虫症によって貧血や下痢などの症状が出ている場合には輸血などの対症療法を施す場合があります。

まとめ

犬の鉤虫症の原因や症状、対策をご紹介しました。鉤虫症は経口感染だけではなく経皮感染や垂直感染する可能性がある寄生虫症です。鉤虫は感染力の高い寄生虫なので感染しないように十分に気をつけ、もし感染してしまった場合には適切な治療を行って体内の鉤虫を駆逐してあげましょう。

体内に鉤虫が侵入して鉤虫症が発症したときには駆虫薬を投与して治療することができます。治療自体は難しいものではないので、症状から鉤虫症になっている可能性を感じた時には早急に獣医さんの診察を受けさせてあげれば十分に完治することが見込めます。

また飼い犬が妊娠したときには母犬に鉤虫が感染していないか検査して子犬に鉤虫が感染しないようにしてあげることも大切です。子犬は重症化するリスクが高いので十分に配慮してあげましょう。

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