2016年3月11日更新

【獣医師監修】犬の横隔膜ヘルニア〜原因・症状と対策

犬の横隔膜ヘルニアは何らかの原因によって横隔膜に傷がつき、通常は腹部に位置する臓器が傷口から胸部に出てしまっている状態のことを指します。

犬の横隔膜は胸部と腹部を隔てているため、横隔膜に傷がついて穴ができると臓器が穴から飛び出してしまいます。横隔膜ヘルニアはトイ・プードルやヨークシャー・テリア、ダックスフンド、チワワなどの人気の高い小型の犬種に見られやすい病気です。これらの犬種を飼っている方は特に注意してください。犬の横隔膜ヘルニアの原因や症状、対策についてご紹介していきます。

犬の横隔膜ヘルニアの原因

犬の横隔膜ヘルニアの主な原因は外傷です。高いところからの落下や交通事故、壁や床への衝突など、胸部や腹部に強い衝撃が加わると横隔膜ヘルニアを発症する可能性が高まります。

特に子犬はまだ社会性が十分に身についていないため危機に対する意識が薄く、また活発的であることが多いので外傷を負いやすい傾向にあります。犬が外傷を負わないように注意してあげてください。

また横隔膜ヘルニアは先天的に起きることもあります。生まれつき横隔膜に奇形があると横隔膜ヘルニアになりやすいです。先天性の横隔膜ヘルニアになりやすい犬種はアメリカンコッカースパニエルやイングリッシュコッカースパニエル、ワイマラナーなどが挙げられます。それらの犬種を飼っている方は特に注意してください。

先天性の横隔膜ヘルニアは子犬のうちから症状が見られやすい傾向にはありますが、明らかな症状が見られないこともあります。症状が何も見られないからといって横隔膜ヘルニアではないとは限らないので注意してください。

犬の横隔膜ヘルニアの症状

犬の横隔膜ヘルニアの主な症状は嘔吐や食欲不振、腹痛、呼吸困難などです。特に腹部に触れたときに痛がる素振りを見せた時には横隔膜ヘルニアの可能性が高いので注意してください。とはいえそれらの症状は横隔膜ヘルニア特有の症状ではないので、症状から的確に横隔膜ヘルニアを見抜くことは難しくなっています。

犬が不調を抱えていることが症状から明らかになったときには動物病院に連れていき、検査を受けさせてあげてください。

特に胸部や腹部を強打した心当たりがあったり、横隔膜ヘルニアを先天的に発症しやすい犬種を飼っている方などは検査を受けさせてあげたほうが賢明です。確認する意味を込めて適切な検査を受けさせてあげましょう。

犬の横隔膜ヘルニアの対策

犬の横隔膜ヘルニアは物理的に横隔膜に傷がついて発症することの多い病気です。そのため犬が胸部や腹部に強い衝撃を受けないように配慮してあげることが最も適切な対策となります。とはいえ飼い犬のことを四六時中見ていることは現実的に不可能なので、犬の生活環境の中に危険なものがないようにしてあげ、リスクを取り除いてあげてください。

また散歩中は外傷を負うリスクが高まるので細心の注意を払ってあげることが大事になります。

犬の横隔膜ヘルニアの治療

犬の横隔膜ヘルニアの治療は外科手術によって行われます。特に呼吸困難などの重篤な症状が出ているときには早急に対処する必要があります。ただ横隔膜ヘルニアは発症した直後に手術をしてしまうと死亡するリスクが高いと言われているので、先に症状を緩和する措置を取って病状が安定するのを待ってから手術をする場合もあります。

また横隔膜ヘルニアを発症していても症状が現れていないときには手術をせずに経過を観察し、その後の措置を決めます。手術は身体に負担がかかるので慎重な検討が必要になります。

まとめ

犬の横隔膜ヘルニアの原因や症状、対策についてご紹介しました。犬の横隔膜ヘルニアの主な原因は外傷です。横隔膜に傷がついてしまうことで発症しやすいので、胸部や腹部に強い衝撃が加わらないように配慮してあげてください。

また先天的に横隔膜ヘルニアになっていることもあるので先天性の横隔膜ヘルニアになりやすい犬種の犬を飼っている方は特に注意してください。横隔膜ヘルニアの治療は手術をして横隔膜を修復することが基本になりますが、手術は身体に負担がかかるので急な手術を要する場合でなければ経過を観察して様子を見ることもあります。獣医さんの診察の結果に応じて慎重に検討するようにしてください。

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