2016年6月2日更新

【獣医師監修】犬の耳疥癬〜原因・症状と対策

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耳疥癬という言葉に馴染みのある方は少ないのではないでしょうか。耳疥癬は耳の中でダニが繁殖してしまうことによって引き起こされるので耳ダニ症とも言います。

犬が耳疥癬を発症すると耳の中にダニの排せつ物や耳垢が溜まります。耳疥癬の症状を察知して適切な治療を施してあげてください。犬の耳疥癬の原因や症状、対策についてご紹介します。

 

犬の耳疥癬の原因

犬の耳疥癬はダニによって引き起こされます。具体的にはミミヒゼンダニが寄生することが主な原因となります。ミミヒゼンダニは宿主の耳垢や皮膚、体液、血液などを摂取することで生き延びます。

ただミミヒゼンダニは他のダニとは異なり耳を住処に選んで寄生するという特徴があるので、主な感染源はミミヒゼンダニが寄生している動物であることが多いです。そのため犬を多頭飼いしている方は特に注意が必要と言えるでしょう。

また耳の中が不衛生になっているとミミヒゼンダニにとって好ましい環境となっているので住処として選ばれやすくなります。耳垢をこまめに取り除き、耳の中の衛生環境を良好に保つように心掛けてください。

犬の耳疥癬の症状

犬の耳疥癬の主な症状は耳の中の黒ずみ、耳垢が増える、耳の中が臭くなる、耳を掻く仕草が頻繁に見られるなどです。特に耳の中に黒ずみができていたり、異常な量の耳垢が溜まっているときには耳疥癬を発症している可能性が高いので注意してください。

また症状が進行していくと耳の皮膚に傷がついて細菌が二次感染してしまう怖れがあります。その際には患部が化膿することがあるので気を付けましょう。犬の耳疥癬は症状から異常を見抜き、早期発見して獣医さんの診察を受けさせてあげることが大事になります。

 

犬の耳疥癬の対策

犬の耳疥癬の有効な対策は耳の中を清潔に保ち、耳疥癬に感染している動物との接触を避けることです。

接触を避けるといっても直接的なものだけではなく、耳掻きやブラシなどを共有するといった間接的な接触でミミヒゼンダニがうつり、感染する可能性があります。犬を多頭飼いしている方は特に注意してください。耳疥癬を発症しないようにするためには耳の中の衛生に配慮することが大事になります。

犬の耳疥癬の治療

犬の耳疥癬は耳に寄生したダニを殺虫して治療します。投与する薬剤はセラメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシンなどです。

治療の手順はまず耳疥癬の症状によって溜まった耳垢などの汚れを洗浄剤できれいにした後に殺ダニ薬を投与します。抗ダニ薬にはスプレータイプやスポットタイプのものや、内服薬など様々です。ただイベルメクチンはフィラリアに感染している犬には使用できないので注意してください。

もし耳疥癬によって細菌の二次感染が起こっているときには抗生物質を投与して細菌感染症の治療を併せて行わなければならない場合もあります。

耳疥癬の症状が悪化してしまう前に早期発見できるよう、日頃から犬の耳垢を掃除することを習慣化し、耳の中の異常をいち早く察知して適切な治療を施してあげられるようにしてください。

まとめ

犬の耳疥癬の原因や症状、対策についてご紹介しました。

耳疥癬の主な原因は耳の中にミミヒゼンダニが寄生することです。ミミヒゼンダニが寄生してしまわないような対策を取り、もしもミミヒゼンダニが寄生して耳疥癬が発症してしまったときには早急に獣医さんの診察を受けさせてあげてください。

耳疥癬を予防するためには日頃から耳の中を清潔な状態に保つことが大事になります。飼い犬の耳垢をきれいに掃除することを習慣化してください。耳疥癬の治療は抗ダニ薬を投与する形で行われ、たいていの場合は完治します。ただ細菌の二次感染を起こしている場合には長引く怖れがあるので早期発見を心掛けてください。