2016年3月10日更新

【獣医師監修】猫の心房中隔欠損症〜原因・症状と対策

猫の心房中隔欠損症は心臓に生じている異常です。具体的には左心房と右心房を隔てている壁に穴が開いた状態になっていることを指します。ただ猫の心房中隔欠損症を発症していても基本的には身体に異常が出ないことのほうが多いですが、裏を返せば症状を発見しにくいということを意味しています。猫の心房中隔欠損症の原因や症状、対策についてご紹介します。

猫の心房中隔欠損症の原因

猫の心房中隔欠損症の主な原因は先天性の奇形です。とはいえ生後間もない子猫の心臓は左心房と右心房の間の壁が塞がっていないことが通常の状態になります。ただ普通はその後成長していく過程の中で壁の穴が塞がりますが、先天的な奇形によってそれが塞がらないことがあります。それが心房中隔欠損症の原因です。

猫の心房中隔欠損症の症状

猫の心房中隔欠損症の症状はほとんど表れないことが多いです。症状が表れたとしても軽い咳が出る程度なので症状から心房中隔欠損症を見抜くことは非常に難しいと言わざるを得ません。ただ基本的には心房中隔欠損症を発症していたとしても特に問題ないことが多いので、症状を放置していることで重大なリスクが生じるという心配は少ないと言えるでしょう。しかし心房中隔欠損症の危険因子はあります。それはフィラリアです。フィラリアは蚊を媒介する寄生虫であり、それが寄生するとフィラリア症を引き起こします。通常、フィラリアは全身からから帰ってきた血液が、肺に向かうためにいったん貯められる右心に寄生します。しかしながら、心房中隔欠損症では、右心に寄生したフィラリアが心房中隔に空いている穴を介して、肺から戻ってきた血液を全身に送り出す働きを有する左心に移動し、フィラリアが全身循環へと送り出されてしまいます。送り出されたフィラリアは体の細い血管に詰まってしまい、様々な症状を引き起こします。これを奇異性塞栓症と呼びます。以上のような理由から、心房中隔欠損症の猫ではフィラリア対して注意する必要はあると言えるでしょう。

猫の心房中隔欠損症の対策

猫の心房中隔欠損症ではフィラリア対策をすることが重要です。フィラリアは予防用の薬やワクチンがあるので予防することができます。猫がフィラリアに感染してしまうと咳や嘔吐などの症状を引き起こし、肺血栓塞栓症を発症して突然死してしまうという最悪のケースまで考えられます。フィラリアは蚊を媒介して感染する可能性がある寄生虫なので、注意する対象は蚊です。蚊が活発的に動くようになる季節の前にはフィラリア感染のリスクを軽減するために予防接種などの方法でフィラリアを予防することを検討してみてください。

猫の心房中隔欠損症の治療

猫の心房中隔欠損症の有効な治療は特にありません。ただ心房中隔欠損症は深刻な症状に発展するリスクが高いという性質のものではないので、基本的には何の治療をしなくても問題がないと言えます。ただ危険因子がないわけではなく、心房中隔欠損症の危険因子はフィラリアになるので適切な方法で予防するように心掛けてください。フィラリアの予防方法は猫の体重によって異なります。フィラリアを予防したいときにはまず動物病院に行って獣医さんに相談してみてください。フィラリアの予防方法はいくつかあり、その中で最も適切な方法を獣医さんが選択してくれます。フィラリアの予防はワクチンの摂種だけではないので、予防方法について獣医さんに相談するようにしましょう。

まとめ

猫の心房中隔欠損症の原因や症状、対策についてご紹介しました。猫の心房中隔欠損症は先天的な奇形によって引き起こされるものです。通常であれば生後間もないころに開いていた穴が身体の成長に伴って塞がりますが、稀にそれが塞がらない猫がいます。心房中隔欠損症は穴が塞がらない状態のことを意味します。とはいえ心房中隔欠損症であったとしても基本的には身体に異常が出ることはありません。ただフィラリアに感染したときには要注意です。フィラリアに対する予防方法を適切に行うようにしてください。フィラリアの予防方法はいくつかあるので獣医さんに相談して予防方法を決めるようにしましょう。

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