2016年3月12日更新

【獣医師監修】ポパイみたいに強くなれる?犬がほうれん草を食べても大丈夫?

緑黄色野菜の筆頭といえば、ほうれん草。栄養豊富なので犬にも与えたくなります。ほうれん草を犬にあげること自体には、それほど問題はありません。むしろ積極的に食べさせたい食材。でも、ほうれん草を犬にあげる際には注意が必要なのです

ほうれん草は与えすぎなければ大丈夫


ほうれん草は、昔から栄養豊富な野菜として漫画にまで登場するほどです。犬にとっても害になる食材とはいえません。でも、ほうれん草にはシュウ酸という結石を起こす原因となる成分が含まれています。そのため、環境省が発表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」の中では、「与えすぎないほうが良いもの」としてほうれん草が入っています。

それでもほうれん草はビタミンや鉄分といった必須栄養素がたっぷり。特に体調を整えたい冬場に旬を迎えるほうれん草の栄養価を無視するのは、とてももったいないことです。シュウ酸はゆでた後、たっぷりの水で浸せばほとんど心配ありません。与え方や量に気をつければ、犬にもほうれん草を食べさせても大丈夫です。

こんなにすごいほうれん草の効果

ほうれん草にはどんな優れた栄養があるのでしょうか。ほうれん草に含まれる栄養素には、次のようなものがあげられます。

  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • ビタミンB1・B2
  • βカルチン
  • 鉄分
  • マグネシウム

1年中を通して売られているほうれん草ですが、その栄養価がもっとも高くなる旬は冬です。ビタミンC、ビタミンEは身体の抵抗力を強化して、風邪や感染症の予防に効果的です。

また、ビタミンEは体内の活性酸素を除去して血液を浄化、毛細血管まで血流を促します。さらに、目や皮膚、毛艶が良くなり、若々しさを保つ働きがあります。鉄分やマグネシウムは骨を強くし、また性格を穏やかにする働きがあると言われます。ただし、ビタミンCはあく抜きを目的に加熱した際にほとんどが壊れてしまいます。

通常、犬は人間と異なり体内でビタミンCを合成できるため積極的に食事から摂る必要はありません。しかし多くのビタミンCを必要とする病気や高齢の犬に意識的にビタミンCを摂らせたい場合には、ほうれん草に頼るのではなく、他のフルーツや野菜を与えた方ががいいでしょう。

犬にほうれん草を与えるときの注意点


とても栄養があるほうれん草ですが、先に述べたとおり、シュウ酸という特有の成分が含まれています。シュウ酸は尿道に石が詰まる尿路結石症の原因となります

結石は体内で結晶化し、尿道を塞ぐため、尿が出にくくなり痛みを伴います。また、老廃物の排出が困難となり、腎臓に負担がかかるため尿毒症や膀胱炎などを併発する恐れがあります。

シュウ酸は水に溶けやすいので、必ずほうれん草をゆで上げた後、水に良くさらして与えるようにしましょう。また、煮干しやチーズといったカルシウムを多く含むものと一緒に与えることで、シュウ酸の排出を促します

結石を防ぐためには、水分を多く摂ることも大切です。特にドライフードを食べさせている場合には、水分を奪われやすいので、水をたっぷりと与えてください。

ほうれん草で食生活にアクセントを

犬にほうれん草をあげる際、基本的に味付けは無用ですが、毎回ゆでただけではちょっと物足りないかもしれません。人間のメニューと同じく、ほうれん草は他の食材とも相性が良いので、愛犬にも手作りご飯をふるまってあげましょう。

ほうれん草と鮭を少量のバターでいためた「鮭とほうれん草のバター焼き」は、飼い主さん用のお料理から、調味料を入れる前に取り分ければ大丈夫。

また、ほうれん草は牛肉ともとても良く合います。ご飯の上にのせて「ほうれん草と牛肉のどんぶり」に。トマトと卵を加えた「ほうれん草のオムレツ」や豆腐を崩して使う「ほうれん草の白和え」なども喜びそうです。レシピの詳細は、「愛犬・愛猫のための手作りレシピ」で見られます。

緑のほうれん草で犬も元気に

ほうれん草のあく抜きは、人間用の調理でも必要です。身体の小さな犬にとっては、さらに十分に気をつけたいところ。正しい処理をして与えれば、栄養豊富なほうれん草が愛犬の健康を強化してくれます。基本を良く知り、元気な生活を守ってあげてくださいね。

関連するレシピ

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

犬の食事の好き嫌い。犬の偏食の直し方について

普段あげているドッグフードを食べない、お皿をひっくり返してしまう、食べたり食べなかったりする…。愛犬の食事の好き嫌いに悩んでいませんか? おやつの与えすぎに注意 普段のおやつの与えすぎに……

犬の食事の基礎

【獣医師監修】犬にキウイをあげても大丈夫!でも量は控えめに

最近は国産も多くなり、一年中手に入るキウイ。人間にとってはビタミン豊富で、とても健康的な食品に思えます。でも、犬と人間はもともとからだの作りが違うもの。キウイは犬に食べさせても問題ない食品で……

犬に必要な栄養

【獣医師監修】犬はじゃがいもを食べても大丈夫?犬にじゃがいもをあげる場合の注意点と簡単レシピ

カレーや肉じゃが、サラダなど人間のメニューでは大活躍してくれるじゃがいも。栄養豊富で便利な食材ですが犬にあげても良いのでしょうか?今回は犬にじゃがいもを食べさせても良いかどうかについて調べて……

ドッグフード

【獣医師監修】犬がプリンをなめちゃった!少しだけなら与えても良い?

人間のプリンをそのまま食べさせる飼い主はまずいないと思いますが、カップに残っていたのを犬がなめてしまったということは良くあるのではないでしょうか? 犬はミルクと卵のにおいがする、甘いプ……

犬にデザート・スイーツを与える

犬にはドッグフードを与えなきゃだめ?“犬のごはん”について

犬を飼うと必ず必要になるのが“犬のごはん”ですね。 最近では店頭で買えるものだけでなく、通信販売で様々なドッグフードを購入できるようになり、選択肢も大きく広がっています。 そこで……

犬に必要な栄養

【獣医師監修】犬はみかんを食べても大丈夫?犬にみかんをあげる場合の注意点とみかんを使ったレシピ

冬はみかんの季節。冬になるとテーブルの上に籠にいれたみかんを置いておくという家庭は多いと思います。犬はみかんを好んで食べるイメージはあまりありませんが、実際にはみかんが好物だという犬もいるよ……

犬のおやつ

とっても重要!犬のごはんにタンパク質は必要不可欠

動物の身体は60〜70%が水分、20%がタンパク質などのアミノ酸からできています。 体内バランス、皮膚、毛並み、免疫組織、エネルギーをつくるうえで肉食(雑食)動物にとっても重要な成分なんで……

犬に必要な栄養

独自の栄養学で6つの健康に貢献する「ユーカヌバ」のドッグフード

ペット大国アメリカのドッグフードブランド「ユーカヌバ」。アメリカにある「ユーカヌバ」のペットヘルスニュートリションセンターには16歳、17歳になっても元気に走り回る大型犬が何頭もいるのだそう……

犬に必要な栄養

【獣医師監修】秋の味覚・サンマを犬に食べさせても大丈夫?犬にさんまを与える際の注意点は?

犬に肉はよく聞くイメージですが、魚はどうでしょうか。たとえば秋の味覚の代表・サンマを旬の時期に犬と一緒に楽しめたら嬉しいですよね。それでは果たして、犬にサンマを食べさせても大丈夫なのでしょう……

犬に必要な栄養

【獣医師監修】犬は豚肉を食べても平気?肥満・アレルギーには注意が必要

人の食材として使用頻度の高い豚肉。犬にも食べさせられれば、便利ですよね。でも、ドッグフードの材料に、あまり豚肉の使用が見られないのはなぜでしょうか?ひょっとして犬に豚肉は悪いのでは?ここでは……

犬に必要な栄養

【獣医師監修】犬はイカを食べても大丈夫?~食べても中毒にはならないが食べない方が良さそう

噛みごたえがあり、タンパク質も豊富なイカ。生で食べても調理しても美味しいですが、犬に食べさせても良いかどうかについては諸説あるようです。猫の場合はイカを食べると腰が抜ける言われていますが、犬……

ドッグフード

【獣医師監修】もやしは犬にとっても健康野菜?どうやってあげれば良いの?

年中ほぼ価格が安定している庶民の味方、『もやし』。頼りなげな見た目とは裏腹に、もやしの栄養価はかなりのもの。犬にも食べさせてあげたいと考えても、不思議はありませんね。 では、もやしは犬……

犬に必要な栄養

犬の飼い主さんが市販のドッグフードを利用する4つの理由

昭和の中旬まで犬は外に繋がれ、食事は人間の余りものというケースが少なくありませんでした。ここ十数年、犬も室内で飼われることが多くなり、食事はドッグフードが中心になってきています。ところで飼い……

犬に必要な栄養

【獣医師監修】犬は大根を食べても大丈夫?犬に大根をあげる場合の注意点と簡単レシピ

冬の代表的な野菜、大根。生でサラダにしたり、煮ておでんに入れたり、擦って大根おろしにしたりとさまざまな調理方法がありますが1本購入すると使い切るのが大変です。せっかくなので犬にも食べさせたい……

犬に必要な栄養

【獣医師監修】犬はとうもろこしを食べても大丈夫?犬にとうもろこしをあげる場合の注意点と簡単レシピ

甘みがあって焼いても茹でても美味しいとうもろこし。両端を持ってかぶりつくと一層味わい深い気がします。かぶりつくと言えば、犬もとうもろこしが好きです。しかしながら、犬はそもそもとうもろこしを食……

犬のおやつ