2016年11月23日更新

【獣医師監修】猫の慢性胃炎〜原因・症状と対策

ペット生活

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編集部

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元々神経質な猫は胃炎を発症しやすいといわれていますが、その胃炎が1週間たっても改善されず継続したとき、もしくは繰り返して何度も胃炎を起こしてしまうときには慢性胃炎と言われるようになります。継続的に愛猫を苦しめる慢性胃炎ですが、飼い主が早く気づいてあげることで愛猫を救ってあげることができます。今回はそんな慢性胃炎について詳しく見てみましょう。

 

猫の慢性胃炎の原因とは?

慢性胃炎は急性胃炎に比べて体が長い間同じ痛みにさらされて慣れてしまうこともあり、症状が軽く感じられる病気です。そのため急性胃炎から慢性胃炎に発展してしまうと、飼い主にとっては症状が沈静化したようにも見えてしまい、慢性胃炎に陥っていることに気づかないこともあります。胃炎の原因となるものはいくつもあり、その中でもアレルギーや食品添加物、化学物質が原因となるような場合はその原因物質を特定するのは難しく、要因を取り除きにくいため慢性化してしまうこともよくあります。

基礎疾患が原因となるもの

急性胃炎、胃潰瘍、胃の腫瘍などの胃に生じた疾患が引き金となり慢性的に胃炎を発症してしまうことがあります。また尿毒症やアジソン病、肝臓疾患などの臓器の疾患が原因となることもしばしばあります。

寄生虫、ウィルスが原因となるもの

回虫やフィサロプテラなどの寄生虫やパルボウィルスなどの感染により胃炎を発症してしまうことがあります。

薬物が原因となるもの

非ステロイ系ド抗炎症薬やグルココルチコイドなどの一部の薬が原因で胃炎を発症する可能性があることが判明しています。

胃の運動の衰弱が原因となるもの

胃運動低下と呼ばれる胃の衰弱や幽門異常と言われる胃の出口である幽門部が狭くなることが原因で、胃の中に長時間食物がとどまり胃酸が出過ぎてしまうことで炎症を引き起こしてしまうことがあります。

アレルギーが原因となるもの

食物アレルギーが原因で免疫異常が起こり、気づかずにアレルゲンを含む食事を与え続けてしまうことで慢性胃炎を発症することがあります。

慢性胃炎の症状について

慢性胃炎は体が異常を起こした状態になれてきていることもあり、急性胃炎のようにあまり強い症状が出ないのが特徴です。それゆえ悪化しやすく、飼い主が気付くまで愛猫が苦しみ続けることがほとんどです。症状としては、食欲が減り、嘔吐や体重減少、触ると痛がるような腹痛などがあります。また胃の違和感を取り除こうと大量に水を飲んだり、胃が痙攣を起こしてゲップをよくしたりといったようなこともあります。

急性胃炎が発展して慢性胃炎を引き起こしてしまう特質上、慢性胃炎では飼い主の目にはどちらかと言えば急性胃炎がよくなって回復しているように見えてしまうことがあります。急性胃炎を発症した段階で病院に行き、胃炎が回復しきらない状態で少し症状がよくなったからと放置しておくと、症状があまり見られない状態でも愛猫の体の中では慢性胃炎化することもあるので、しっかりと完治が確認されるまでは病院を受診するようにしましょう。

 

愛猫を慢性胃炎から守る対策

愛猫が慢性胃炎になってしまった場合、その原因と症状に合わせて適切な治療を行っていきます。内視鏡やエコーなどを用いて胃の検査を行い、外科的手術や投薬による治療を行います。ほかの病気や寄生虫が原因となる場合はまずは基礎疾患の治療を行い、そのうえで慢性胃炎に対する治療が行われます。

対症療法

慢性的に生じている胃炎に対する治療を行います。胃酸の分泌を抑える薬を使用したり、抗炎症剤などの投与を行うこともあります。また嘔吐がひどく脱水症状を引き起こしているような場合には点滴や輸液を行うこともあります。

食事療法

食事療法を行うことである程度の胃への負担を軽減させることができます。食事を高繊維、低脂肪食に切り替え、消化が行いやすいものを選ぶようにします。またアレルゲンを含まない食事に切り替えることも効果的です。

環境療法

愛猫がストレスを感じているような場合には生活環境の見直しを行うようにしましょう。運動不足や騒音、芳香剤、睡眠不足などが愛猫にストレスをもたらし、胃酸の分泌量が増えている可能性もあります。安静に過ごせる環境を整えましょう。

まとめ

愛猫を知らず知らずの間に苦しめてしまうこともある慢性胃炎。飼い主がきちんと気づくことができれば愛猫を救ってあげることもできますが、気づかないでいると愛猫をずっと苦しめてしまう病気です。いつものことだからと放置するのではなく、適切な処置を行い早い段階で早期発見・早期治療が行えるようにその兆候を見逃さないことが何よりも大事になります。

 
 

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