2016年3月16日更新

【獣医師監修】猫の高窒素血症〜原因・症状と対策

愛猫の病気に高窒素血症と言われる聞きなれない病気があります。人間でも起こりうる病気で腎臓病と総称されてしまうことが多く、高窒素血症という病気についてほとんどの人が詳しくありません。体の中でも重要な役割を果たす腎臓にかかわる病気、高窒素血症は命にかかわる病気でもあります。今回はその高窒素血症がどういう病気でどういった危険があるのか、詳しくご紹介しましょう。

猫の高窒素血症の原因とは?

猫の高窒素血症とは、体から排出されるべき老廃物が体内に蓄積してしまい血中の窒素濃度が高まってしまう病気です。通常、哺乳類の体では腎臓で血液などをろ過し、尿素や窒素などの老廃物を体外に排出しています。しかし、腎臓の異常や心臓の異常、排尿の異常などの原因によって体内から老廃物が排出されなくなってしまうと高窒素血症を発症してしまうようになります。

腎臓の異常によるもの

糸球体腎炎や腎盂腎炎、多発性嚢胞腎、腫瘍、高カルシウム血症や低カリウム血症、慢性腎不全、腎不全などの炎症や腎臓疾患によって血液から老廃物をろ過する機能が低下することにより高窒素血症を発症してしまいます。

腎臓への血流異常によるもの

心不全や心筋症など心臓の病気や熱中症、脱水症状が原因で腎臓へ送られる血液量が低下してしまうことで発症してしまいます。交通事故による大量出血なども腎臓への血液量が減るため、高窒素血症の原因となることがあります。

排尿の異常によるもの

下部尿路症候群などの排尿機能の疾患や異常が原因で、本来体外に排出すべき尿が体内に長く居続けることで血中の老廃物濃度が高くなり、高窒素血症を発症してしまいます。

高窒素血症の症状について

高窒素血症になると体内から老廃物が排出されないことで血液のバランスが崩れ、悪化してしまうと尿毒症などの病気を発症するようになります。

軽度の症状

高窒素血症の主な症状としては、まず水をたくさん飲み、尿量の減少が見られます。運動を嫌がるようになり、食欲不振や嘔吐、下痢や便秘の繰り返し、さらに老廃物が体内から排出されないことで口臭などがきつくなります。また汗とともに臭いが放出されることもあり、全体的にアンモニア臭がしてきます。

中度の症状

状態が悪化してくると体重減少や脱水症状などを起こすようになります。四肢にむくみが生じ始め、十分な血液が回らないことで毛艶が悪く、さらに貧血や不整脈などの症状も現れます。

重度の症状

さらに悪化すると、痙攣を起こしたり意識が飛んだりするようになり、昏睡状態に陥ってしまうこともあります。体の中に常に毒がたまっている状態が続くことで尿毒症になってしまうこともあり最悪の場合には死に至ります。

愛猫を高窒素血症から守る対策

命にかかわることもある危険な高窒素血症ですが、どういった生活を送っているから発症してしまうというものではありません。なので基本的には高窒素血症の症状が出てからの対症療法が用いられるようになります。尿毒症を引き起こしている場合、腎臓のろ過機能を助けるため輸血や点滴、透析を行います。また腎不全などを引き起こしている場合は食事療法などを併用して取り入れ、基礎疾患の治療も行っていきます。

症状が軽い段階で高窒素血症が判明されれば、症状の悪化を緩めることも高い治療効果を得ることもできますが、症状が進行してしまっている場合、完治が難しい病気です。腎臓機能の疾患ではそのほとんどが治療が難しく、また高窒素血症の症状もある程度進行してからでないと治療が行えないこともあります。体に毒素がたまることでほかの病気を引き起こしてしまうこともあるので、早期発見、早期治療が何よりも大事になります。

まとめ

高窒素血症は愛猫を苦しめるとても危険な病気です。それほど発症率は高くないとはいえ、腎臓疾患が多い猫では起こりうる病気で、命にもかかわってしまいます。一言で腎臓病とまとめられることもある高窒素血症ですが、詳しく見てみるとその原因はさまざまでしっかりとした検査、治療がその後の愛猫の生活を大きく左右してしまうこともあります。今回ご紹介したようなことを参考に、愛猫が高窒素血症を発症した際には早急に対処してあげてください。

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