2016年1月15日更新

【獣医師監修】犬のエナメル質形成不全〜原因・症状と対策

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愛犬の歯が明るい黄色になっている場合はエナメル質形成不全の疑いがあります。エナメル質形成不全とは何らかの原因によって歯の表面の層を形成しているエナメル質が十分に発達しない状態のことを指します。

歯は表面側からエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄で形成されています。そのうちのエナメル質は重量比で無機質が96%、その他の4%は水と有機質で構成されており、動物の体の中で最も硬い組織です。エナメル質形成不全になっていると歯が脆くなり、また歯の病気の原因にもなります。犬のエナメル質形成不全の原因や症状、対策についてご紹介します。

 

犬のエナメル質形成不全の原因

犬のエナメル質形成不全の主な原因としては以下のものが考えられます。

  • 歯にかかる強いストレス
  • 犬ジステンパーなどの感染症
  • 栄養摂取が不十分

犬のエナメル質形成不全は歯が生え変わる時期に起きやすくなっています。子犬の時期の生活環境が大きく影響してくるので十分に配慮してあげてください。

歯にかかるストレスとは直接的な衝撃を意味しています。抜歯時に強い負荷がかかったり、歯を強く打ちつけてしまうなどの強いストレスが歯にかからないように配慮してあげましょう。

また犬ジステンパーなどの感染症は高熱が出る可能性があり、そのような状態になるとエナメル質の形成不全が見られることがあります。加えて、犬の歯が生え変わる時期の栄養状態が極端に悪いとエナメル質形成不全になる可能性があるので注意してください。

犬のエナメル質形成不全の症状

犬のエナメル質形成不全の主な症状は歯の変色です。

エナメル質形成不全の症状が軽度であれば歯の一部が変色する程度で済みますが、重症化していると象牙質が完全に露出してしまい、歯のすべてが黄色に近い茶色になる場合があります。飼い犬の歯がそのような色になっているときはエナメル質形成不全を疑ってください。

ただ犬の歯に変色が見られる原因には様々なものが考えられます。変色している歯の色と原因の関係性について以下にまとめて記載しておくので参考にしてみてください。

黄色や褐色

細菌が産生する色素や歯垢、歯石の付着など

黒や灰色

虫歯、鉄やヨードの摂取、象牙質形成不全、アマルガムなど

緑や深緑

銅やニッケルの摂取、歯肉出血、高ビリルビン血症など

 

犬のエナメル質形成不全の対策

犬のエナメル質形成不全の原因に晒されるリスクは子犬の時期に集中しています。

愛犬の幼少期にエナメル質形成不全を引き起こさないような配慮を徹底してあげてください。犬は顎が丈夫な動物ですが、歯が弱くなっていると硬いものを拒むようになるので顎が弱化してしまう原因となります。犬が健康に生きていくために必要なことなので犬の歯を守るための行動をしていきましょう。

特に気を付けなければならないことは歯にかかるストレスです。子犬は社会性が乏しく、活動的であることが多いので、犬の生活環境の中にリスクがあると危険を伴います。噛みきれないような硬いものを犬の生活環境の中に置いたり、歯を壁や窓などに強打してしまうことのないように徹底してあげてください。

感染症や栄養摂取に関しては予防接種やドッグフードで解決できる可能性が高い問題です。ただ予防接種などで感染症のすべてを予防できるというわけではないので、予防接種をしているからといって過信せず、飼い犬の体調の変化を敏感に察知できるようにしましょう。

犬のエナメル質形成不全の治療

犬のエナメル質形成不全の治療はエナメル質が欠損している部分に補填剤を被せて補強する形で行われます。また症状がひどい場合やより高い効果を望む場合は金属で歯冠修復を行うこともあります。

まとめ

犬のエナメル質形成不全の原因や症状、対策についてご紹介しました。

犬のエナメル質形成不全は歯が生え変わる時期に起きやすくなっています。そのため乳歯が生え変わり始める子犬の時期には歯に負担をかけないように注意してあげてください。エナメル質が形成されなくなってしまうと知覚過敏になってしまい食事の際に痛みを伴う可能性があります

また歯が脆くなってしまうので硬いものを噛んだ際に歯が欠けてしまい、それによって歯垢や歯石が蓄積しやすくなると歯周病などを発症しやすくなります。万が一エナメル質形成不全になってしまったときには動物病院に連れていき、医師の診察を受けさせてあげてください。適切な治療を施してもらえれば症状が緩和する可能性があります。飼い犬の歯の健康を守ってあげましょう。

 
 

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