2016年1月15日更新

【獣医師監修】犬の急性腎不全〜原因・症状と対策

腎臓は泌尿器系の器官のひとつです。腎臓は体内の老廃物や余分な水分などを排出するはたらきを担っており、生命活動を行う上で特に重要な臓器といえます。

犬の急性腎不全は突発的に腎臓が機能しなくなった状態のことを指します。あるとき急に腎臓が機能しなくなってしまうという恐ろしい病気なので急性腎不全に対する知識を身に着け、飼い犬が急性腎不全を引き起こす可能性を少しでも軽減し、また急性腎不全を引き起こしてしまったときにはいち早く気付いて対処するために本記事をご活用頂けたらと思います。

犬の急性腎不全の原因や症状、対策についてご紹介します。

犬の急性腎不全の原因

急性腎不全の原因には様々なものが考えられます。急性腎不全の主な原因について下記にて詳細にお伝えします。

腎性急性腎不全

腎臓そのものが傷害されて発症する急性腎不全を腎性急性腎不全といいます。

主な原因は急性糸球体腎炎、レプトスピラ症、ネフローゼ症、毒物、薬物、尿路閉塞などです。腎性急性腎不全の原因となる主な毒物や薬物は以下のものとなります。

  • 抗生物質
  • 非ステロイド抗炎症薬
  • 抗がん剤
  • 造影剤
  • ブドウ
  • ユリ科の植物
  • 重金属
  • ヘビや昆虫などの生物毒

腎前性急性腎不全

腎臓への血流悪化によって引き起こされる急性腎不全を腎前性急性腎不全といいます。

その主な原因は下痢に伴う脱水、心不全などの心疾患、血管の収縮薬や拡張薬の投与、熱中症、身体の麻痺などが挙げられます。

腎後性急性腎不全

尿を排出する道である尿路が結石や腫瘍によって閉塞していたり外傷によって尿路が傷害されているなどの理由で排尿障害が起きていたり、尿管や尿道、膀胱の炎症が起きていることが原因で引き起こされる腎不全を腎後性急性腎不全といいます。

犬の急性腎不全の症状

犬の急性腎不全の主な症状は下痢や嘔吐、食欲不振などです。また尿の量が著しく減少したり、場合によっては全くでなくなることもあります。

急性腎不全の症状は数時間から数日の間に急激に悪化してしまいます。早急に対処しなければ死に至ることのある恐ろしい病気なので注意してください。また急性腎不全の症状を見落とし、放置してしまうと尿毒症や高カリウム血症、高窒素血症、代謝性アシドーシスなどを引き起こす恐れもあります。犬の急性腎不全の症状を見落としてしまわないようにしてあげてください。

急性腎不全の進行と共に起こる症状の変化については以下に記載します。

急性腎不全の症状の変化

急性腎不全の初期段階のうちはほとんど症状が表れないことが多いです。

しかし急性腎不全を引き起こしている時点で腎臓の機能の四分の三以上が失われている状態になっているので、初期段階といっても深刻な状態といえるでしょう。

急性腎不全を引き起こしてから少々の時間が経過すると次第に水を頻繁に飲むようになり、それに伴って排尿する頻度も増えます。急性腎不全がさらに進行すると嘔吐や食欲不振の症状が表れ、深刻化すると痙攣や昏睡を起こす場合があります。

症状が悪化する前に急性腎不全の可能性を考慮し、獣医さんの診察を受けさせてあげるようにしてください。

犬の急性腎不全の対策

犬の急性腎不全の効果的な対策は急性腎不全の原因となる毒物を摂取しないように細心の注意を払い、また薬物を投与する際にも気を付けるようにすることです。

ただ上記以外の急性腎不全の原因については予防することは難しいので、もし急性腎不全を発症してしまったときには症状から腎不全の可能性を感じ取り、動物病院に連れて行ってあげることが大切になります。

犬の急性腎不全の治療

犬の急性腎不全の治療は急を要するので、まずは急性腎不全の症状を緩和するための対症療法が優先されます。

具体的には輸液や血液透析、腹膜灌流(ふくまくかんりゅう)、ホルモン剤の投与、栄養補給などです。また急性腎不全を引き起こしている基礎疾患がある場合にはそれに対する治療も施します。

まとめ

犬の急性腎不全の原因や症状、対策についてご紹介しました。

犬の急性腎不全は様々な原因によって引き起こされる病気です。毒物などのように予防できるものはしっかりと予防し、もし発症してしまったときには症状をすぐに察知して動物病院に連れて行ってあげなければ命に関わります。

急性腎不全の主な症状は下痢や嘔吐、食欲不振などです。また不自然な頻度で水を飲んでいたり排尿しているときも急性腎不全の可能性があるので、それらのような症状が表れているときは急性腎不全の可能性を考慮してください。急性腎不全は急激に症状が悪化してしまう病気です。

もし犬が急性腎不全を発症してしまったときには症状からいち早く見抜くことが大事になるので、日頃から犬の健康状態や仕草を注意深く観察する習慣を身に着けておいてください。体調不良のサインは犬から発せられているSOSです。飼い犬の命を守るためにできることをしてあげましょう。

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