2016年1月15日更新

【獣医師監修】犬の低血糖症〜原因・症状と対策

犬の低血糖症とは血糖値が低下し、細胞に栄養を補給する機能が低下している状態を指します。

血液中の糖分はグルコースの形で存在し、正常な状態であれば血糖値は一定に保たれます。しかし何らかの原因によって血液中の糖分が不足した状態になる、低血糖症を発症します。低血糖症になると場合によっては失明や意識障害などを起こすことがあるので早急に対処しなければなりません。

犬の低血糖の原因や症状、対策についてご紹介します。

犬の低血糖症の原因

犬の低血糖症の主な原因は子犬や成犬、老犬で異なり、それらの詳細については以下に記載します。また糖尿病を患っている犬に関してはインスリンを注射して血糖値をコントロールしている場合が多いので、インスリンの量が適切でないと低血糖症を発症する可能性があります。

子犬の場合

生後間もない子犬が低血糖症を発症する主な原因は空腹や体の冷え、内臓障害に伴う栄養を吸収する機能の不全などが挙げられます。

特に生後3か月未満の子犬は肝臓の機能が弱く、糖を貯蔵する力に乏しいので食事によって十分な糖分を摂取していなければ低血糖症を発症してしまいやすくなります。場合によっては6時間程度食事を取っていなかったというだけで低血糖症になってしまうこともあります。気温が寒すぎたり、食事の時間を空けすぎたりしないように心がけてください。

成犬の場合

成犬が低血糖症を発症する主な原因は空腹、過度な運動、興奮などです。特にゴールデンレトリバーやボクサーなどの大型の犬種に見られやすいので、大型犬を飼っているという方は特に注意してあげましょう。

老犬の場合

老犬が低血糖症を発症する主な原因は加齢に伴う肝臓機能の低下やインスリンを合成・分泌する膵臓(ひぞう)に腫瘍ができているなどが挙げられます。

肝臓は糖を貯蔵して血液中のグルコースを補うはたらきをしているので、その機能が弱まると低血糖症を発症する可能性が高まります。また膵臓(すいぞう)に腫瘍ができているとインスリンが過剰に生成され、血液中の糖が細胞に取り込まれすぎてしまい、低血糖症を引き起こします。

犬の低血糖症の症状

犬の低血糖症の初期症状は以下が考えられます。

  • 元気がなくなる
  • 運動をしなくなる
  • ぐったりしている

また重篤な症状としては以下が考えられます。

  • 下半身の麻痺
  • 痙攣
  • 失明

血液中の糖は脳や肝臓、膵臓などといった重要器官と密接に関係しています。そのため血糖値が低下するとそれらの臓器に障害が表れることがあります。上記の重篤な症状の種類からもそれがわかると思われます。飼い犬が低血糖症を発症しないように配慮してあげてください。

犬の低血糖症の対策

犬の低血糖症は食事で摂取する糖の不足や内臓の障害などで引き起こされる可能性があります。食事で十分な糖を摂取させるのはもちろん、愛犬の健康に配慮し肝臓や膵臓の機能が低下しないような配慮をしてあげてください。

特に子犬は内臓の機能が未熟なため食事に頼る部分が大きくなります。こまめに少量ずつの食事を与えて低血糖症のリスクを軽減してあげましょう。また体が冷えるとエネルギー消費が増えて血糖値が低下する可能性があるので、寒い時期には暖房器具を使用して犬の生活環境の気温を上げてあげることも重要です。

犬の低血糖症の治療

犬の低血糖症の主な治療方法は基礎疾患の治療と糖の補給です。

肝臓や膵臓などの疾患が原因で低血糖症を発症しているときにはそれに対する治療を施します。また基礎疾患が原因ではなく血糖値が低下しているときには子犬の場合はブドウ糖液を投与し、成犬や老犬の場合は食事療法で糖分を補給します。

まとめ

犬の低血糖症の原因や症状、対策についてご紹介しました。

犬の低血糖症は食事による糖の摂取不足や内臓の機能障害によって引き起こされる可能性があります。低血糖症を発症すると痙攣や意識障害、失明などの重篤な症状がでることがあるので、発症させないための対策を実践し、少しでも発症リスクを軽減してあげてください。

生後3か月未満の子犬は肝臓の機能が未熟であり、食事によって血糖値をしっかり維持しなければならないので特に注意しなければなりません。糖分を十分に摂取させ、また過剰に消費してしまわないように配慮してあげましょう。もし低血糖症を発症してしまったときには症状から見抜き、獣医さんに適切な治療を施してもらってください。

意識を失っているようなときにはガムシロップを口の中に塗って少しでも糖分を摂取させることが有効な対処法となります。ただ意識障害がでているときに飲まなければならないほど大量の量のガムシロップを口の中に入れてしまうことは危険なので、あくまでも塗る程度にとどめてください。

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