猫のリーシュマニア症〜原因・症状と対策【動物看護師が解説!】

猫のリーシュマニア症は、その名のとおり、リーシュマニアという原虫によるものです。世界では多くの犬猫、そして人まで感染しており、注意が必要な感染症のひとつです。しかし、この原虫の媒介者となるサシチョウバエ類はとても小さいものです。気づかないうちに刺されてしまい、潜伏期間も長いため、免疫力が弱まっている猫などは特に注意が必要です。

 

猫のリーシュマニア症の原因

リーシュマニア症は、日本においては感染する危険性がとても少ない感染症ですが、熱帯や亜熱帯エリアでは感染例が特に多いものです。リーシュマニアという原虫がサシチョウバエを媒介として多くの動物に寄生します。猫だけでなく、犬や人間にまで寄生する為、注意が必要です。

リーシュマニアを媒介するサシチョウバエは実は世界に500種もいると言われています。しかし、その中で約30種類が媒介となっています。このサシチョウバエに刺されてしまった場合や、すでにリーシュマニアに感染している動物の血液を輸血してしまうことで感染します。

世界各国での感染に注意

ヨーロッパや地中海など、海外旅行先としても有名な地域でも、サシチョウバエに刺される危険性があり、感染例は報告されています。また母子感染や注射針による感染などの報告もある為、世界中で注意が必要な感染症です。世界では1000万人以上の人が感染しているといわれており、犬や猫その他の多くに哺乳動物にとっても危険な感染症のひとつなのです。

 

猫のリーシュマニア症の症状

リーシュマニア症の猫の症状としては、皮膚に症状が現れることが特徴です。感染した皮膚周辺にフケが多くなり、脱毛などが起きることがあります。また、腫れ物やこぶのような腫瘍ができ、大きくなっていきます。微熱やだるさなどが出てくることもあります。

潜伏期間と注意

猫のリーシュマニア皮膚型の症状は、もともと、1ヶ月から数ヶ月の潜伏期間があります。また症状が出てきてからも、皮膚の状態によって数ヶ月から数年の間で自然治癒していきますが、傷が残ってしまうこともあります。

傷の状態によって、他の感染症に感染したり炎症を起こしてしまうことや、関節付近にできると痛みを伴うこともある為運動することを嫌がるようになることもあります。免疫力が弱まっている猫などは注意する必要があります。

動物による症状の違い

尚、犬や人間に感染する場合は内蔵型といい、内臓に強く症状が現れます。症状の違いの面から皮膚の状態を見逃してしまうこともある為、普段から猫の皮膚や被毛の状態をチェックしておくことは健康管理の為に大切なことです。

 

猫のリーシュマニア症の対策

猫がリーシュマニア症に感染した場合は獣医師による診断と治療が必要になります。基本的に投薬治療と皮膚の腫瘍の状態によっては、外科手術が必要になる場合もあります。症状が数ヶ月に及ぶため、長期にわたって様子を観察する必要が出てくるのです。

リーシュマニア症はワクチンや予防薬もない感染症の為、まずは、媒介者となるサシチョウバエに刺されないように注意することが大切です。特に夜間はサシチョウバエが最も活動的になる時間の為、注意しましょう。しかしながら、サシチョウバエはとても小さく、その存在に気づかず刺されてしまうことも多いと言われています。

日常生活での注意

蚊帳を使うなどして、日頃からの対策が必要になります。猫の為に、殺虫剤をあまり使うことができなくても、蚊帳自体に殺虫成分が含まれているものもあり、こういったものを利用することもよいでしょう。もちろん、普段から外に出る習慣がある猫は、さまざまな感染症にかかる危険性があります。猫を飼い始めたのなら、まずは外に出さないように、室内飼いをするようにしましょう。

 

まとめ

猫のリーシュマニア症は、世界各国で感染が報告されており、人や物の移動によって今後さらに感染地域が広くなる可能性もある感染症です。日本においても、猫が感染しないように、まずは媒介となるサシチョウバエに注意しましょう。

もちろん、感染が疑われる場合は、専門の治療が必要となる為、猫の様子に異変を感じたらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

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