2017年6月18日更新

猫にとって危険な食べ物 ~ナッツ類~【動物看護師が解説!】

人間にとって、美容や健康に良いとされる最近人気のナッツ類。実は猫にとっては危険な食べ物だということをご存知ですか?猫はどこにでも登り上がる動物、自分のおやつ代わりのナッツ類をテーブルの上やキッチンに置きっぱなしにしていませんか?ゴミ箱の中をあさって猫がカスを食べていたりしていませんか?猫にとってはほんの少量でも健康を害する可能性があるのです。

猫にナッツ類は食べさせてはいけない

犬も同様ですが、猫にナッツ類を与えることは大変危険です。しかし、ナッツ類といってもたくさん種類がありますよね。ここでいう、危険なナッツ類はマカダミアナッツやピーナッツのことを指します。何故ダメなのか、食べたらどんな原理で健康を害するのかは、まだハッキリとわかっていないそうですが、実際に中毒症状が現れて緊急処置を受けた猫がいますので、危険ということはご理解いただけると思います。

食べさせるとどうなるのか?

まずナッツ類はどんな種類でも消化にしくいため、消化不良を起こす可能性が非常に高いです。下痢や嘔吐等の消化器症状が現れることもあります。これは中毒等とは関係ありませんが、うまく消化されずに腸を流れていくと、腸に詰まる「腸閉塞」や腸を傷付けて穴を開けてしまう「腸穿孔」などが起こりえます。穴が開くまではいかなくとも、傷がついてそこから炎症が起こる事もあります。

ナッツ類の中毒 ①アーモンド

アーモンドと一口にいっても、通常スーパー等に売っている炒ってあるアーモンドは問題ありませんが、ビターアーモンドと呼ばれる苦みの強いアーモンドには青酸が含まれており、猫にとっては微量でも命に関わる場合があります。

中毒症状

・虚脱
・呼吸困難
・痙攣
・重度の場合は死に至る

猫の致死量については明らかにされてはいませんが、それぞれ個体差がありほんの少量でも亡くなってしまう猫がいることがわかっています。

ビターアーモンドそのものを食べることはなかなか無いと思いますが、ビターアーモンドを含んだ油等の加工品は多く販売されていますのでご注意ください。

ナッツ類の中毒 ②マカダミアナッツ

どのように作用して中毒を起こすのかはまだ明らかにされていませんが、マカダミアナッツも中毒を起こすナッツの1つであることがわかっています。

中毒症状

・ふらつき
・起立不能
・発熱
・痙攣
・下痢
・嘔吐

摂取後12時間以内に発症することが多く、消化吸収される前にいち早く体内から取り除く必要があります。体重1㎏あたりナッツ1粒で発症するといわれていますが、それ以上それ以下でも中毒の可能性は十分にあり、個体差があるため、わずかでも与えないように注意しましょう。

ナッツ類の中毒 ③ピーナッツ

中毒とは別物かもしれませんが、食用ピーナッツには塩分が添加されており、過食すると体内の塩分を排出するために腎臓に負担がかかります。また、マグネシウムを多く含むため、尿結石の原因になる可能性があることがわかっています。

ナッツそのものでなくても、加工品に注意

猫は犬と違い、キッチンやテーブルに登ることがあります。また、飼い主が見ていないところで登っている可能性があります。高いところから家の中や飼い主の行動を見渡していると、どこに何が置いてあると記憶しやすく、いたずらも巧妙になっていきます。ナッツそのものを口にしなくても、加工品の中に中毒症状を引き起こすナッツ類が入っているかもしれません。飼い主が食事したあとのテーブル、お皿、ゴミ箱には十分注意しましょう。

飼い主が、食べさせない工夫を

人間が好んで食べるものでも、猫にとっては大変危険なものになり得ることがあります。飼い主が直接与えていなくても、いつ、どんな風に味を覚えてしまうかわかりません。猫は犬と違い、留守番中でも家の中を自由に行き来できるようにさせている家も多いでしょう。その分、盗み食いで命の危険に晒される確率が高いのです。

ナッツ類の中毒を防ぐためには人間が口にしているものの管理を徹底する必要があります。可愛い猫を危険にさらさないためにも、今一度、自分の家の環境を見直してみてくださいね。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

関連記事

愛犬、愛猫が手術する時に飼い主さんができる準備とアフターケア。

ペットの手術や入院。飼い主さんにとっては辛い出来事ですが悲しんでばかりもいられません。ペットが無事に治療を終え元気になるためには飼い主さんの充分な準備やアフターケアが必要です。確かに治療する……

猫の幸せ

ドイツの厳しいペットフード基準をクリアした「アニモンダ」のキャットフード

「アニモンダ」はドイツでハムやソーセージを製造するストックマイヤー社の子会社が生産するペットフードブランドです。「ペットは家族の一員である」という理念のもと人間が食べられる高品質な食材を原料……

猫に必要な栄養

ホリスティックなアプローチで多くの愛猫家からの信頼を得ている「アズミラ」のキャットフード

まだ、ホリスティック、ホメオパシーなどという言葉がほとんど知られていない1980年代に人間の栄養学、ホリスティックケアへの探求をペットケア商品に生かしたのがアメリカのペットフード「アズミラ」……

猫に必要な栄養

猫もサラダを食べたい?!肉食の猫でも草を食べるその秘密は?

猫は肉食動物です。本来、野菜や草は食べないはずですが、実際には植木鉢に植わった細長い草が猫草として売られています。猫の飼い主さんなら実際に買って猫にあげたことがあるのではないでしょうか。 ……

キャットフード

健康に良いだけでなく美味しい!長寿を目標に作られた「Simply」のキャットフード

猫は食べ物に関して非常にわがままな動物です。健康に良く素材にこだわっていても猫が食べてくれなければ意味がありません。プレミアムフードを食べてくれなくて食いつきの良いジャンクフードに戻ってしま……

【獣医師監修】猫はやっぱり草が好き?猫が猫草を好む理由と与える時の注意とは?

猫に食事とは別に猫草を与えることが習慣になっているという飼い主さんも多いのではないでしょうか?観葉植物を食べられてしまって、猫草を用意するようになったという方もいるかもしれません。 そ……

猫に必要な栄養

【猫の機嫌】イライラ不機嫌な猫をご機嫌にさせる簡単なアイディアとは

なんだか機嫌が悪いみたい…。愛猫カイトに朝4時に起こされたワタクシ。いつもは優しい頭突きで5時45分に起こしてくれるカイトが、最近は4時前後に思いっきりツメを立てて起こしにきます。 お……

猫に必要な栄養

【獣医師監修】猫にキノコ?食べても大丈夫なの?

寒い季節になりましたね。こんな時期食卓に並ぶのは、ズバリ鍋が多いのではないでしょうか。 鍋の具材にタラやホタテをいれてグツグツ煮込んでいたら、家の猫が寄ってきて鍋をほしがってる!魚のつ……

猫に必要な栄養

猫にとって危険な食べ物 ~ナッツ類~【動物看護師が解説!】

人間にとって、美容や健康に良いとされる最近人気のナッツ類。実は猫にとっては危険な食べ物だということをご存知ですか?猫はどこにでも登り上がる動物、自分のおやつ代わりのナッツ類をテーブルの上やキ……

猫に必要な栄養

便秘の猫にバナナ?本当に効果があるのか?【動物看護師が解説!】

食卓にバナナを置いておくと、異常に敵視する猫っていませんか?猫は長細いものが苦手なので威嚇したり逃げたりするのですが、逆にバナナの甘い匂いや味が大好きな猫もいるようなのです。さて、猫にバナナ……

猫に必要な栄養

【獣医師監修】猫はぶどうを食べても大丈夫?猫にぶどうをあげると中毒になる可能性が!

秋の代表的果物のひとつ、ぶどう。抗酸化作用があるアントシアニンがたくさん含まれているので、猫の健康にも活かしたい・・・そう思う飼い主さんも多いかもしれません。果たして、猫にぶどうを食べさせて……

キャットフード

【獣医師監修】猫にキャベツは食べさせて大丈夫?

猫は時々意外なものに興味を示す時がありますよね。シャキシャキとキャベツを食べていると、くれと言わんばかりに手を伸ばして来ることも…しかしながら、果たして猫にキャベツは与えて良いものなのでしょ……

猫に必要な栄養

愛犬・愛猫のための手作りごはん!『ペット生活レシピ』がオープン♪

最近『犬猫の高齢化』というキーワードを耳にする機会が増えたと感じませんか?一般社団法人ペットフード協会の独自調査によると、犬猫の平均寿命は、30年前と比較して約2倍にまで伸びているそうです!……

魚好きな猫が喜ぶ!イタリア発のプレミアムキャットフード「FORZA10」

ペットフードに厳しい規制を課しているヨーロッパブランドのキャットフードは、人間が食べられる食材にこだわっているブランドが多いため、愛猫家の中には指名買いしている人も多いと言います。しかしなが……

猫に必要な栄養

「S.G.J.プロダクツ」のキャットフードとは?

「S.G.J.プロダクツ」は猫の自然食になるべく近いキャットフードを作るため、オーストラリアの食材だけを厳選し一貫した管理のもとに日本の猫達にフードを届けているメーカー。原産国不明の食材や合……

猫の食事の基礎

【獣医師監修】猫にチョコレートは大丈夫? NO! 猫にはチョコレートは食べさせないで

猫は意外にも甘いものが好き。生クリームやアイスクリームなどをペロッと食べてしまうこともあります。甘いもの自体、あまり猫の健康にとって良くはありませんが特に危ないのがチョコレート。今回は猫とチ……

キャットフード

【獣医師監修】猫用にぼしが実は危険??気にするべきは塩分だけではない

みなさんの猫はグルメな猫ですか?舌が肥えていると、いつもいつも同じご飯を出すと、またこれ?と言わんばかりの顔をされて全く口をつけてくれなかったりすることもしばしばあると思います。そんな時役に……

猫に必要な栄養

猫が健康に生きていくために必要な栄養とは?飼い主なら知っておきたい猫栄養学について。

多くの飼い主さんは猫の毎日の食事にキャットフードを使っていると思いますので、猫の栄養学について知識がなくても特に問題はないでしょう。 しかしながら、猫が高齢になったり、病気になったりす……

猫に必要な栄養

【獣医師監修】猫はネギを食べても大丈夫?ネギは猫に与えてはいけない野菜です

猫は自分好みの食べ物かどうかを匂いで判断します。そのため野菜などを進んで口にすることは少ないといって良いでしょう。しかしながら好物の肉や魚に混じっていたら危険な野菜でも口にしてしまう可能性が……

猫に必要な栄養

猫草は絶対に食べさせるべき?知っているようで知らない猫の気持ち【後編】

私が無印良品でキングオブベスト商品だと推奨しているのが、 「猫草栽培セット 2個入り 税込み210円」 です。デザインのシンプルさ、使いやすさ、そしてコスパの良さと3拍子揃ったこ……

猫に必要な栄養