2016年5月4日更新

【獣医師監修】犬と貝類は相性悪し!食べさせたくないその理由とは?

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魚介類のお刺身を食べていて、物欲しそうな犬の視線に一瞬迷う飼い主さんもいるでしょう。でも貝を犬にあげてしまったばかりに、愛犬に苦しい思いをさせる危険性があります。ここでは犬に貝類を与えない方が良い理由と、その症状についてご紹介していきます。

 

犬は貝を消化できない


犬は元々、生魚など海の生き物の消化があまり得意ではありません。特に貝類については消化する酵素をまったく持っていません。そのため、犬にとっては消化不良や下痢を起こしやすい食物です。具合を悪くしない場合でも、ほとんどそのままの状態で排泄してしまいます。

また、人間でも貝毒にあたる話は良く聞きますが、貝類は育つ環境によって、水質の影響を受けやすい生き物です。加熱処理をしていない貝類は、毒素を持つ危険性があります。加熱をした貝であっても、消化の面から犬には安全な食品とはいえません。ASPCA(米国動物虐待防止協会 中毒事故管理センター)によると、貝類はアルコールやカフェインと同ランクの危険度に指定されています。

犬にとっての貝毒とその症状


人間にも中毒を起こす貝毒以外にも、犬にとって高い毒性を持つ物質が貝類には含まれています。アワビ、トリガイ、 サザエ、トコブシなど一部の貝類には、光線過敏症を発症する危険性のある物質が含まれています。特に3~5月頃毒素が強くなり、危険性が増します。この病気になると毛の薄い耳などに腫れやかゆみが出て、これを犬が掻くことで傷やかさぶたとなり、毛が抜け落ちます。重症化すると、耳が壊死する可能性も。俗に「犬猫はアワビで耳が落ちる」といわれるのは、この症状からです。

また生の貝の内臓には、ビタミンB1を破壊する酵素が含まれています。常食させたり、体重に比較して多く食べさせると、ふらつきなどの神経症状が現れる場合もあります。重症化すると、痙攣をおこし、昏睡状態となることも考えられます。それほどの量の生貝を犬に与えるとは考えにくいものですが、貝を調理した後の残飯をうっかり食べられないように気をつけなければなりません。

 

犬が貝を食べてしまった時にするべきことは?

ホタテの刺身などをひと切れくらい食べても、即、命に関わるわけではありません。食べてしまった後しばらく犬の様子を注意深く観察し、普段と変わりないようであれば大丈夫です。危険性の高い貝類や、内臓を食べてしまった場合には、念のため獣医師の診察を受けさせましょう

消化不良で吐き戻しがあり、出してしまった後、元気であればそのまま様子を見ましょう。下痢や嘔吐が続くようであれば、食中毒の可能性があります。脱水症状を起こす危険がありますので、病院で点滴などの処置が必要となります。

また、貝殻ごと食べてしまった、飲み込んでしまったという事故も良く聞きます。気管に詰まったりなど、明らかに苦しんでいないようであれば、その日はそのまま様子を見ます。翌日になっても排泄されないときや、時間の経過とともに元気がなくなるようであれば、必ず獣医師の診察を受けてください

基本的に貝類は食べさせない

犬にとって貝類は安全な食品とはいえません。ただ栄養素としては、滋養強壮に効果のあるタウリンが豊富に含まれています。犬のおやつとして販売されている貝の加工品については、毒素などの心配はありません。

ただし、加工してあるからと言って消化の悪さに変わりはないので、犬の様子を見ながら少量ずつ与えるようにしてください。

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