2016年7月7日更新

【獣医師監修】犬の認知症〜原因・症状と対策

犬の認知症とは脳の老化などによって犬が以前は問題なく出来ていたことが出来なくなることを指します。近年では高齢まで生きられる犬が増加しているので、それに伴って認知症を発症する犬が増加しています。高齢な犬を飼っている方は特に注意してください。認知症は場合によっては生活に支障を来たす可能性があります。認知症に関する知識を持ち、有効な対処をしてあげましょう。犬の認知症の原因や症状、対策についてご紹介します。

犬の認知症の原因

犬の認知症については未だにわかっていないことが多いですが、主な原因としては下記のものが考えられます。

  • 加齢に伴う脳細胞の減少や脳の萎縮
  • ストレスによる酸化物質の蓄積

脳細胞は再生しないため脳が完成してからは脳の神経細胞の総量は減少の一途を辿り、何らかの原因によって多量の神経細胞が死滅してしまうと認知症を引き起こしやすくなります。またストレスを抱えていると神経細胞の危険因子となる酸化物質が蓄積しやすくなり、認知症を引き起こす可能性が高まると言われています。認知症は年齢に比例して発症しやすくなる病気であり、適切な予防法が確立されてはいませんが、ストレスや脳への衝撃については気を付けるようにしてください。

犬の認知症の症状

犬の認知症の主な症状は以下の通りです。

  • 呼びかけに反応しなくなる
  • 生活リズムが乱れる
  • 夜中に異常な声で鳴く
  • 頻繁に粗相をする
  • 旋回行動が見られる
  • 食欲がなくなる
  • 好きなおもちゃで遊ばなくなる

また認知症の症状をDISHA(ディーシャ)と呼ぶことがあり、それについても以下にまとめてお伝えします。

  • 「D」 Distrientation(見当識障害)
  • 「I」 Interaction(接し方の変化)
  • 「S」 Sleep-wake cycle(睡眠覚醒周期)
  • 「H」 House training(トイレの粗相)
  • 「A」 Activity(活動の変化)

以上のような症状が表れていたら認知症の可能性を考慮してください。

犬の認知症の対策

犬の認知症は原因についてわかっていないことが多く、確実に予防できる方法が確立されてはいません。そのため認知症を発症したあとの対処が大事になります。犬が認知症を発症すると日常生活に不自由が生じる可能性があります。その際には介護をするという気持ちで面倒を見てあげてください。認知症についての知識がなければ、トイレで粗相をしたり無駄吠えをしている犬を叱りつけてしまうかもしれません。しかしそのような行動が認知症によるものであれば仕方のないことと思えるはずです。老犬になると様々な形で体の不自由が表れる可能性が高まります。飼い主としての責任だけではなく飼い犬のためを思う気持ちで介護してあげてください。そのためにはまず生活環境を改善させることが必要です。旋回行動や狭い場所に挟まることが多い場合にはエンドレスケージを使用してあげることが有効です。また認知症になっていると危険を回避する力が著しく弱まるので、生活環境の中にある危険なものを排除することも大切です。

犬の認知症の治療

犬の認知症の主な治療法は食事療法や薬物療法になります。食事療法については酸化物の蓄積を避けるための抗酸化物質やDHA、EPAなどを含むエサを与えます。また薬物療法についてはドーパミンの生成を助ける薬物を投与します。

まとめ

犬の認知症の原因や症状、対策についてご紹介しました。犬の認知症は加齢に伴って発症することが多いので、老犬を飼っている方はいつ発症してもおかしくないと思っておいてください。犬の認知症は人間同様に日常生活に支障が出る可能性が高いです。もし飼い犬が認知症を発症してしまったときには、犬にとって少しでも生活しやすい環境を整えてあげてください。また認知症を発症しないためにストレスの蓄積を抑えたり、抗酸化物質を摂取させて神経に酸化ストレスが蓄積しないようにすることは有効な対策であると考えられます。認知症の発症を遅らせる効果が期待できるので検討してみてください。

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