2016年6月29日更新

【獣医師監修】犬の副甲状腺機能亢進症〜原因・症状と対策

犬の副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで引き起こされます。副甲状腺ホルモンとは副甲状腺から分泌されるホルモンのことを指し、パラトルモンとも呼ばれます。

副甲状腺ホルモンには血液中のカルシウム濃度を増加させ、腎臓におけるリンの吸収を抑制する機能があります。副甲状腺ホルモンは骨や腸、腎臓に作用する重要な役割を担っているので、その分泌に異常が起きていると生命活動に支障を来たす可能性があります。

犬の副甲状腺機能亢進症の原因や症状、対策についてご紹介します。

犬の副甲状腺機能亢進症の原因

犬の副甲状腺機能亢進症の主な原因は以下の通りです。

  • 副甲状腺の異常(原発性副甲状腺機能亢進症)
  • 腎臓の異常(腎性二次性副甲状腺機能亢進症)
  • 栄養バランスの乱れ(栄養性二次性副甲状腺機能亢進症)

副甲状腺の異常

副甲状腺に腫瘍などができていると副甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる可能性あります。

腎臓の異常

腎疾患によって低カルシウム血症を引き起こしていると副甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる可能性があります。

栄養バランスの乱れ

カルシウムやビタミンDの不足、カルシウムとリンの摂取量の偏りなどによって血液中のカルシウム濃度が低下していると低カルシウム血症を引き起こすことがあり、それが引き金となって副甲状腺機能亢進症を発症することがあります。

犬の副甲状腺機能亢進症の症状

犬の副甲状腺機能亢進症の主な症状は水を飲む回数の増加、尿量の増加、骨密度の低下などです。副甲状腺機能亢進症の原因別の症状については以下の通りです。

  • 副甲状腺の異常:多飲多尿、骨密度の低下、膀胱結石など。
  • 腎臓の異常:多飲多尿、骨密度の低下、慢性腎不全、高リン血症、高窒素血症など。
  • 栄養バランスの乱れ:骨密度の低下、血清中副甲状腺ホルモン濃度の上昇など。

犬の副甲状腺機能亢進症の対策

犬の副甲状腺機能亢進症は副甲状腺や腎臓の異常、栄養バランスの乱れによって引き起こされる可能性が高い病気です。

事前に予防することが難しい病気と言えますが、栄養バランスについては意識的に整えることができるので、栄養バランスに配慮したエサを与えるようにしてあげてください。特にビタミンDの不足やカルシウムとリンの不均衡については注意が必要です。栄養バランスが整ったエサとして代表的なものはドッグフードです。パッケージに記載されている成分表にしっかりと目を通し、飼い犬が摂取する栄養素について把握しておくようにしましょう。

副甲状腺や腎臓の異常については完全な予防方法を実践することが難しいので、多飲や多尿といった症状から犬の身体に起こっている異常を察知することが大事になります。早期発見から治療につなげてあげられるようにしてあげてください。

犬の副甲状腺機能亢進症の治療

犬の副甲状腺機能亢進症の主な治療方法は以下の通りです。

  • 基礎疾患の治療
  • 栄養バランスの見直し

それらの詳細については以下でお伝えします。

基礎疾患の治療

副甲状腺や腎臓に基礎疾患があることによって副甲状腺機能亢進症を引き起こしているときにはそれに対する治療を施します。場合によっては副甲状腺を切除することがあります。

栄養バランスの見直し

カルシウムとリンの不均衡やビタミンDの不足が原因で副甲状腺機能亢進症を引き起こしているときには栄養バランスを見直します。

基本的に市販されているドッグフードは栄養バランスが整えられているので、ドッグフード以外のものを与えずに栄養バランスを整える方法が一般的です。ただドッグフードの中には栄養バランスが整えられていないものがある可能性も考えられるので、しっかりとパッケージを見て確認してください。

副甲状腺機能亢進症に関係している栄養素に関しては、それらを多く摂取すればいいというわけではなく、バランスよく摂取することが大事になります。状況によっては獣医さんに相談しながら適切なエサを与えるようにしてください。

まとめ

犬の副甲状腺機能亢進症の原因や症状、対策についてご紹介しました。

犬の副甲状腺機能亢進症は副甲状腺や腎臓の異常、栄養バランスの乱れによって引き起こされることが多いです。いずれの場合においても早急な対処が求められるので、飼い犬に多飲多尿などの症状が見られたときには早めに獣医さんの診察を受けさせてあげましょう。慢性腎不全などの重い病気が引き金となっている場合は命に関わる可能性が考えられます。栄養バランスのとれたドッグフードを適切に与えているにも関わらず副甲状腺機能亢進症と思われる症状が見られたときにはそのような疑いが強まるので注意が必要です。

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