2016年11月1日更新

【獣医師監修】猫の急性糸球体腎炎〜原因・症状と対策

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猫の急性糸球体腎炎は腎臓の糸球体に炎症が起こっている状態のことを指します。糸球体とは腎臓にある血液中の老廃物をろ過するはたらきのある毛細血管が集まった部分のことです。糸が球体のように丸まったように見えることから糸球体と呼ばれます。糸球体は血液中から老廃物を取り除くという重要な役割を担っているので、そこに炎症が起こると老廃物を除去するはたらきが弱まり、血中に老廃物が残ったままになってしまいます。それを放置していると高窒素血症や尿毒症に進行してしまう可能性があるので早急に対処してあげてください。猫の急性糸球体腎炎の原因や症状、対策についてご紹介します。

 

猫の急性糸球体腎炎の原因

猫の急性糸球体腎炎の主な原因は細菌やウイルスへの感染です。ただ急性糸球体腎炎については未だにわかっていないことが多く、原因がはっきりしていない部分があるので一概には言えません。急性糸球体腎炎のその他の原因として考えられているものとしては、免疫系の異常によって糸球体が異物として認識されてしまい、その結果として免疫系が糸球体を攻撃することで炎症が起こる可能性が挙げられます。その危険因子については以下の通りです。

  • 猫免疫不全ウイルス感染症(別称:猫エイズ)
  • 猫白血病ウイルス感染症
  • 膵炎(すいえん)
  • 腫瘍
  • 猫伝染性腹膜炎、
  • 全身性エリテマトーデス

猫の急性糸球体腎炎の症状

猫の急性糸球体腎炎の主な症状としては排尿回数の減少や嘔吐、食欲不振、アンモニアのような口臭、毛艶の悪化、多飲などが挙げられますが、糸球体腎炎がそれほど進行していない段階では無症状であることが多いといわれています。それらの症状が見られるようになった段階では病状が進行してしまっている可能性があるので少しでも早く動物病院に連れていき、検査を受けさせてあげましょう。また急性糸球体腎炎の症状がさらに悪化すると腹水がたまったり、腎不全にまで進行してしまうこともあります。

 

猫の急性糸球体腎炎の対策

猫の急性糸球体腎炎の対策として特に有効なものはワクチンの接種です。免疫系の異常の原因となり得る可能性のある猫免疫不全ウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症、猫伝染性腹膜炎などは年に1回のワクチン接種で予防できる可能性があります。

猫の急性糸球体腎炎の治療

猫の急性糸球体腎炎の治療は対症療法や栄養補給で行われることが多いですが、基礎疾患が原因で急性糸球体腎炎が引き起こされているときにはそれに対する治療も施されます。猫の急性糸球体腎炎の主な対症療法には輸液や腹膜灌流、ホルモン剤の投与、薬剤の投与、血液透析などが挙げられます。また栄養補給についてはタンパク質以外の栄養素を補給するといった食事療法を施します。ただ猫の急性糸球体腎炎を引きこしている直接的な原因がわからないという可能性もあり、そのような場合には急性糸球体腎炎が慢性糸球体腎炎に至ってしまうことがあります。猫の急性糸球体腎炎に関しては有効な治療をしてあげることが難しいという側面があるので、ワクチンの接種などの対策を行って病気を発症しないようにすることが大事になります。

まとめ

猫の急性糸球体腎炎の原因や症状、対策についてご紹介しました。猫の急性糸球体腎炎の主な原因は感染症であると考えられています。ただ解明されていない点が多いということも事実です。また猫の急性糸球体腎炎は症状が出ないことがあり、治療方法についても効果が約束されるわけではない部分もあります。まずは感染症を予防するワクチンの接種を検討し、少しでも急性糸球体腎炎を発症してしまうリスクを軽減できるようにしてあげてください。猫の急性糸球体腎炎の予後は決して良いとはいえません。発症してしまうと最終的に命に関わる可能性まであり得る病気です。可能な限り予防を行い、もしも発症してしまったときには適切な治療を施してあげましょう。

 
 

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