2016年3月15日更新

【獣医師監修】犬の心内膜炎〜原因・症状と対策

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犬の心臓の内膜に炎症が起こると、心臓の力自体が弱まり、呼吸困難や心不全などを起こしてしまうことがあります。犬の心内膜炎は、病原体の感染が原因になっている場合や心臓自体の疾患が原因になっている場合もあり、原因に応じた適切な治療が必要になります。

普段から愛犬の様子を観察し、いつもと違う症状があった場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

 

犬の心内膜炎の原因

犬の体に血液を送るポンプの役割をしている心臓の内側は、心内膜という組織で覆われています。しかし、心内膜は細菌感染などによって炎症を起こしてしまうことがあります。

心臓を構成する心内膜や心筋、血液の流れを作る弁などに感染が起こると、あっという間に症状が進んでしまいます。心内膜炎では感染した細菌などが塊を作って心臓の内側に瘤を作ることがあります。その瘤が壊れて、細菌が全身に運ばれてしまうことで、全身に感染が広がってしまう危険性もあります。炎症が長く進行すると、心臓が傷害されて心臓がうまく機能しない、心不全になってしまうこともあります。

原因となる病気

心内膜炎になってしまう原因には、様々なものがあります。

まずは、他の基礎疾患があり、その菌が血流にのって心臓にまで届いてしまう場合です。歯周病や膀胱炎、胃腸炎など、他の病気になっている場合は注意が必要です。

もともと、心臓自体に腫瘍など、なんらかの原因がある場合もあります。その他、検査や手術などによって細菌感染が起こってしまう場合や、ステロイドなどの免疫抑制の薬を長期使用している犬は、感染しやすくなるということもあります。

犬の心内膜炎の症状

犬の心内膜炎の場合、他の病気から波及して心内膜に細菌が感染してしまっている場合も多く、症状から心内膜炎を見抜くことが難しい場合もあります。しかし、気づかないうちに心内膜炎が進行していくと、普段の生活の中で突然呼吸困難などが起きることもあり、注意が必要です。

体の不調を表す症状

細菌感染によって、体全体に様々な症状が出ることがあります。元気がなくなり、遊びや運動を嫌がる、食欲が落ちて発熱することもあります。全身の倦怠感によって、性格が変わってくるというようなことまであります。

もともと、運動が大好きだった愛犬がなんらかの感染症や病気にかかり、心臓にまで炎症が波及することで普段の食事や運動にまで影響が出る状態になってしまいます。

命に関わる心臓の症状

心内膜炎の症状が進むと、心雑音や不整脈、呼吸困難が見られるようになります。そして心不全と呼ばれる、心臓の機能障害が起きると、早急な治療が必要になります。

原因となる菌には、ブドウ球菌や大腸菌などがあります。これらの菌が感染してから数週間から数ヶ月で犬の体全体に影響を及ぼすようになります。

 

犬の心内膜炎の対策

犬の心内膜炎は、まずは原因となっている病原菌を見つけることから始まります。様々な検査を行い、抗生剤の投与を行います。治療は長期にわたりますが、抗生剤は原因となっている病原菌と犬の体調を見ながら投与することが大切で、継続的に投薬を行うことが必要になります。

心不全などを起こしている場合は、その治療を行いますが、いずれにしても信頼できる獣医師と相談し、その指示に従って治療を行うことが大切になります。

日常生活での注意

心内膜炎を起こすと、犬の体力や免疫力も低下する為、その回復に努めることが必要になります。まずは、普段から細菌感染には十分注意しておくこと、定期的な健康診断などを通して、犬の体全体、心臓に異常がないかチェックしておくことが必要です。

心内膜炎の原因となる病気は、様々です。歯周病に関しては、普段からの歯磨きを行い、口のチェックをしておくなど、日常生活の注意で予防することができます。膀胱炎が原因になることもあります。排泄の異常がないか普段から気にかけておくことも大切です。

まとめ

犬の心内膜炎は、まずはどんな原因で心内膜に細菌が感染してしまったのかを見つけることが必要になります。長期にわたる投薬や、過去にかかった感染症が原因になっていることもある為、検査と適切な治療が必要になります。

普段から愛犬の様子を見ていて、なんとなく元気がなかったり、呼吸の状態が気になる時は、早めに獣医師に相談し、原因を特定することが大切になるのです。

 
 

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