2016年3月31日更新

【獣医師監修】可愛い顔した危険物?犬にさくらんぼを与えてはいけない理由とは?

ほんのり甘いさくらんぼは、目にも楽しく、つい犬にもあげたくなります。でも、さくらんぼは犬にとって避けた方がよい食品のひとつ。実は意外な危険性が潜んでいるのです。ここでは、さくらんぼを与えてはいけない理由と、食べてしまった際の注意点などについて見ていきましょう。

そもそも犬に果物は必要ない


肉食である犬にとって、本来果物は必要のない食べ物。それでも、旬の季節におやつとして与えているという人は多いでしょう。果物の中には、意外に知られていない毒性をもったものがありますが、さくらんぼもそのひとつです。

さくらんぼやアボカド、桃、梅、りんご、ナシなどの成熟していない種には、有毒物質が含まれています。種をとったものを一粒二粒食べてもそれほど害はありませんが、器に入れていたものを種ごと大量に食べるのは良くありません。

また、さくらんぼには動物の腸管内で消化されにくい糖アルコール、ソルビトールが含まれています。人間でもさくらんぼを食べると、おなかを壊す人がいるのはこのためです。

更に、さくらんぼは果糖が高いため、食べすぎは糖分の摂りすぎにつながります。人間にとっては小さなさくらんぼでも、犬の身体には大きな影響があることも考えられます。

さくらんぼの危険性はどれくらい?


未成熟のさくらんぼの種には体内に入って消化されることで、青酸性物質を発生させる成分が含まれています。そのため、種がかみ砕かれて胃に達した場合に、死に至るほどの猛毒ともなり得るということです。

ただし、多くの場合には種ごと食べても、そのまま飲み込むことがほとんどでしょう。また、未成熟のさくらんぼは甘さも少ないため、犬が大量に食べてしまうということ自体考えにくいことかもしれません。

さくらんぼは果物の中でも、消化しにくい部類に入ります。犬の身体には果物や野菜を消化するための酵素は、備わっていません。さらに種ごと飲み込んでしまった場合には、種は消化されることなく排泄されます。小型犬の場合、排泄されずに消化器官のどこかで詰まることもあり得ます。いずれにしても、「知らないうちにさくらんぼを大量に食べた」などという時には念のため、獣医師の診断を受けることをおすすめします。

犬がさくらんぼを食べてしまったときの対処法は?

飼い主が種を外したものを、少量与えた場合には特に心配はないでしょう。ただし、果物に対してアレルギーを起こす犬がいますので、与えた後には異常がみられないか良く観察してください。種ごと飲み込んでいるときには、種がきちんと排泄されたかどうか注意してみるようにしましょう。

問題は食べた量が不明な場合です。たくさん食べている場合、下痢をする可能性が高いので十分な注意が必要です。下痢が治まらなければ、必ず獣医師に相談しましょう。

また、急に元気がなくなったり、おう吐した場合もすぐに病院に連れて行ってください。枝付きのさくらんぼは気管などに詰まったり引っかかったりと、物理的にも大変危険です。不用意に犬の手の届くところに放置しないように、気をつけてあげてください。

むやみにあげないのが一番

犬にとっては甘い味のさくらんぼは、ただのおいしい食べ物です。危険を感じることはないでしょう。人間がしっかりとした知識を持ち、管理しなければなりません。危険性はあっても、栄養的に必須でないさくらんぼは、犬に良い食べ物ではありません。初めからできるだけ与えないのが良策です。

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