2017年6月20日更新

猫に人間が食べるパンを与えてもいいの?【動物看護師が解説!】

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

パンを食べていると、猫が一目散に駆け寄ってきて、一口ちょうだいと目を輝かせてきた経験はありませんか?じっと見つめられると、可愛くて思わずおすそ分けしたくなってしまいますが、パンは猫にとって危険な食物なのでしょうか?味付けのない、プレーンのパンならよいのでは?と思っていませんか?

 

猫にパンを与えていいのか?

パン自体に猫にとって有害な成分は含まれていないので、絶対にあげてはいけないというわけではありません。
しかし、人間の食べ物は無害であっても食べさせるべきではありません。欲しがるからあげる、というのもやめることが出来るのであればやめたほうが良いでしょう。

猫が自分でパンを買ってきて食べているわけではなく、猫がパンを食べるには飼い主の助け無しには叶うことではありません。飼い主がパンを食べるのをやめさせる、という強い意志を持てば、猫はパンを食べなくて済むのです。

多量に食べると死に至る可能性も

有害な成分がないにも関わらず、何故死に至る可能性があるのでしょうか。それはパンの作りに理由があります。

パンは吸水すると、膨らみます。食べているうちは食べたいと思うだけ食べられるでしょう。しかし、問題はそのあとです。食後に水を飲んだり、胃の中で胃液を吸収して膨らむと、胃の許容範囲を超えます。
パンパンに膨らんだ胃は、胃自体の血流を悪くし、更に近くにある臓器も圧迫します。血流が悪くなると、機能が低下し、消化が遅くなり、更にパンは胃の中で停滞し続けます。
この頃になると、猫は大抵吐き気を催しますが、内容物が多すぎて吐き出すことも出来なくなる可能性があります。

胃の中に入ったパンは吐き出すことも出来ず、消化することも出来ず、血流は胃付近で停滞するので、全身に血が行き渡らず、結果的に多臓器不全に陥り、死に至ります。

 

食べさせない、いたずらさせない工夫を

そもそもパンという食べ物の味を知らないはずなのに何故欲しがるのか疑問ではないですか?
匂いではないの?と思うかもしれませんが、猫にとっていい匂いであっても、それが美味しいとイコールで結ばれることはありません。いい匂いで寄ってきているのであれば、ちょうだい、ではなく、嗅がせて、と言いに来ているんですよね。
そこで、飼い主が勘違いしてしまうと、あら、ほしいのね。とパンを与えるようになり、猫の好みと合致するとそれから延々と欲しがるというループが完成します。
こうならない為にも、まずは味を覚えさせないことが一番です。つまり、与えないことが一番なのです。

また、パンはビニール袋に入っていますよね。猫って、ビニールのガサガサ好きではないですか?個体差はあるものの、ほとんどの猫はガサガサさせると遊びたくて目を輝かせると思います。
留守番中など、目を離しているうちに、パンの袋で遊び、中から食べられそうなものが出てきて、最終的に食べた。となると、飼い主が一生懸命あげないように努力していても勝手に味を覚えてしまいます。

猫が登るであろう場所には食べ物を置かないのが一番です。

猫用のパン?

よく、手作り食を猫に与えている人が、減塩や糖分を減らして猫用のパンを作りました!と言っているのを目にすることもあるかと思いますが、パンは絶対にダメなのよ!と批判の目を向ける必要はありません。パン自体は悪い食べ物ではないのです。適量を守れば、おやつ代わりにも出来ます。ただし、猫用に限ります。
人間の食べるパンはあげないようにしてくださいね。