2016年11月11日更新

【獣医師監修】猫の天疱瘡〜原因・症状と対策

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猫の天疱瘡(てんぽうそう)は免疫系の異常により本来であれば攻撃されるはずのない体を構成する細胞を免疫系が攻撃してしまうことで引き起こされる皮膚病のことです。原因については未だに解明されていない点が多く、謎の多い病気のひとつといえるでしょう。免疫系が攻撃する対象はデスモソームと呼ばれる細胞と細胞を接着している部分と考えられています。天疱瘡にはいくつかの種類があり、各々異なる症状を示します。天疱瘡が謎の多い病気であるからこそ、知識としてしっかりと持っておくことが大事になります。猫の天疱瘡の原因や症状、対策についてご紹介します。

 

猫の天疱瘡の原因

猫の天疱瘡の原因としては遺伝的要因が挙げられます。ただ免疫系が関係している病気はその原因がわかっていないことが多く、天疱瘡も例に漏れず詳細な原因については解明されておりません。そのため症状から天疱瘡の可能性を考えられるようにしておくことが非常に大事になります。天疱瘡において免疫系が攻撃する対象はデスモソームと呼ばれる細胞と細胞の接着部分であり、それはデスムソーム内のデスモグレインと呼ばれるたんぱく質を免疫系が異物として認識することによって引き起こされると現状では考えられています。

猫の天疱瘡の症状

猫の天疱瘡の症状は主に皮膚に表れますが、免疫系に攻撃される対象の違いによって症状が変わると考えられています。その詳細について以下でお伝えします。

尋常性(じんじょうせい)天疱瘡

尋常性天疱瘡の症状が表れる主な部位は以下の通りです。

  • 食道
  • 肛門
  • 口の中
  • 鼠蹊部(そけいぶ)
  • 腋の下

それらの部位に腫瘤やびらんができていたら尋常性天疱瘡の疑いがあります。

落葉性(らくようせい)天疱瘡

落葉性天疱瘡の主な症状は皮膚に表れる膿疱です。それが表れる主な部位は目や鼻の周り、耳、肉球、爪などです。膿疱が破裂するとかさぶたになります。

紅斑性(こうはんせい)天疱瘡

紅斑性天疱瘡は落葉性天疱瘡とほぼ同じですが、膿疱が破裂して脱毛やびらん、痂疲、鱗屑を引き起こすので落葉性天疱瘡の亜種のようなものといえます。症状が表れる主な部位は頭部です。

 

猫の天疱瘡の対策

猫の天疱瘡は原因について未だにわかっていないことが多いため、予防することは難しいと言わざるを得ません。もしも飼い猫の皮膚に異常が見られたときには天疱瘡を発症している可能性があるので、動物病院に連れていき、獣医さんの診察を受けさせてあげてください。また天疱瘡は紫外線の悪影響を受けると考えられているので、太陽の下に居させることは避けたほうがいいといえます。猫の天疱瘡の治療については以下でお伝えします。

猫の天疱瘡の治療

猫の天疱瘡の治療方法として確実性の高いものがなく、状況に応じた対症療法や薬剤の投与によって経過を観察しながら症状が緩和するようにもっていくことになると思われます。具体的には免疫抑制剤やビタミン剤、漢方薬、グルココルチコイドなどを投与します。薬剤の中から数種類選んで投与する場合もあります。

まとめ

猫の天疱瘡の原因や症状、対策についてご紹介しました。天疱瘡は免疫系がデスモソームと呼ばれる細胞と細胞を接着するはたらきをしている細胞を何らかの原因で攻撃することによって発症します。詳しい原因についてはわかっていない点が多く、そのため有効な予防法や対策法に乏しいことが大きな特徴となります。天疱瘡の症状は皮膚に表れるので、もしも飼い猫の皮膚に膿疱が見受けられたときは天疱瘡を疑ってください。有効な治療法がないとはいっても症状を緩和できる可能性はあります。猫の身体に異常が見られたときは専門家に相談してみましょう。

 
 

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