2016年2月6日更新

獣医師が教える! 子猫を飼いはじめたときにまずするべき行動

友人が、ひょんなことから生まれたての猫を育てることになったとかで、「まだ目の開かない子猫、思いっきりかわいい!」と魅了されながらも、「でも、どう扱っていいのか分からない」とおろおろしています。

獣医師で動物病院Rire(リール。東京都渋谷区)の橋本理沙院長は、「生まれたての猫は適切に育てないと死んでしまう確率が高いです。まずは、低体温にならないように体を温めてください」と言います。詳しい対応法を聞いてみました。

■生後7日ぐらいは目が見えない

「目が開いていない場合は、生後1週間以内で、体重は100グラムぐらいでしょう。体温が下がると危険です」と話す橋本医師に、対応の手順をアドバイスしてもらいました。

(1)目が見えているかどうかを確認。

目が開いていなければ見えていません。開いている場合は、猫の目の前で何かを動かすなどして気配を与え、視覚を確認してください。見えていない場合は、生後1週間ぐらいまでになり、健康状態などをよく観察することが重要です。

(2)段ボールの箱で部屋を作る。

目が開かないうちは歩き回ることはありません。一辺が50センチぐらいの段ボールの箱を用意し、新聞紙の上にタオルやブランケットを敷いて猫を入れます。天井は開閉式で、暗めで静かな、暖かい空間にします。箱の内部は約25~27度ぐらいに保つようにしましょう。自分から出てくるまでは無理に出さないようにしましょう。

(3)湯たんぽなどで部屋を温める。

体が冷えている場合や、朝晩の冷える時間帯には、湯たんぽやペットボトルに40度ぐらいのお湯を入れてタオルでくるみ、段ボール箱の角に置きます。寒ければそこに近付いて寝ます。

(4)猫用の粉ミルクを飲ませる。

ドラッグストアやペットショップで売っています。ヒト用や犬用の牛乳は脂肪分が多い、栄養分が合わないなどで適しません。下痢をして命を落とすこともあります。必ず、猫用の粉ミルクを選び、子猫用のほ乳びんやシリンジ(針がついていない注射器)、スポイトなど適したグッズで1回につき2~3グラムを、2~3時間おきの頻度で与えます。

このとき、無理に飲ませないようにしてください。誤えんといって、食道以外の気管に入って窒息することがあります。

(5)排泄(はいせつ)をさせる。

生後10日目ぐらいまでは自力で排泄できないので、人の手でさせる必要があります。手のひらにあお向けに乗せ、ぬるま湯をひたしたコットンや綿棒でおしりをやさしくつつきます。すぐに、少量のオシッコとフンが出てきます。その後、おしりをぬるま湯をひたしたコットンで拭いて清潔にしてください。これをしないと命に危険が及ぶこともあります。

(6)動物病院に連れて行く。

目やにが出ている、舌に口内炎がある、下痢気味、おう吐がある、体が温まらない、元気がないなどの場合は命に関わります。すぐに獣医師の診察を受けてください。

さらに橋本医師は、次のアドバイスを加えます。

「生後3週間ぐらいすると、動物病院で、血液や皮ふ、便の検査、ノミの駆除、また、ワクチンの接種をしてください。血液検査では、エイズや白血病のウィルス、貧血や感染症の有無が分かります。

また、皮ふの検査で、寄生虫やカビの有無、便検査で寄生虫の有無、触診・聴診などで先天性の病気がないかなどを探ります。

血液検査は約10分で結果が出ます。費用は病院によりますが、目安として5,000円~10,000円、検便は1回1,000円~2,000円です。

感染症などを予防するワクチンは、3種、5種、7種があり、同居する猫がいると感染するウイルスもあるので受けるようにしましょう。費用は4,000円~6,000円です」(橋本医師)

こうして聞くと、生後すぐはかわいいだけではなく、生存に関わるかなりデリケートな時期だということが分かりました。元気に育ってもらうために、適切な知識を持って、きちんと手当てをしたいものです。

(品川緑/ユンブル)

取材協力・監修 橋本理沙氏。獣医師。動物病院Rire(リール。東京都渋谷区)医院長。所属学会は日本伝統獣医学会(獣医東洋医学会)、日本動物リハビリテーション学会、日本獣医動物行動研究会。また、「ペット・メディカルアロマテラピスト」「ホリスティックケアカウンセラー」「JAHA認定パピーケアスタッフ養成講座修了」などの資格を有し、ホリスティックセラピーを取り入れた治療も行っている。

http://www.rire-r.com/

記事提供: 獣医師が教える! 子猫を飼いはじめたときにまずするべき行動-学生の窓口

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