2016年3月17日更新

荒い運転や車内のにおいに要注意! 獣医師に聞く、犬の「乗り物酔い」の原因と対策

犬を車に乗せて出かけたところ、はじめは喜んでいた犬が、カーブが続く道に入ると落ち着きがなくなり、しきりにあくびをし始めました。どうやら乗り物酔いをしたようです。「犬にもヒトと同様に三半規管があり、同じ仕組みで乗り物酔いを起こすと考えられています」と話すのは、獣医師でV.C.J.代官山動物病院(東京都渋谷区)の朴永泰(パクヨンテ)院長。そこで、犬の乗り物酔いの原因と対策について、くわしく聞いてみました。

揺れによる平衡感覚のずれ、視覚の変化から、自律神経のバランスを崩す

朴獣医師は、乗り物酔いが起こる仕組みを、次のように説明します。

「ヒトも犬も、耳の奥の内耳にある三半規管が体の平衡感覚を保つ役割を担っています。車などの乗り物に乗ると、揺れによって三半規管がうまく働かなくなり、平衡感覚にずれが生じます。

さらに、自分は動いていないのに窓から見える景色が移り変わるという視覚的な刺激も、脳を混乱させます。すると自律神経が乱れ、めまい、吐き気、不快感、おう吐などの『乗り物酔い』の症状が起こります。犬の場合はほかに、よだれを垂らす、あくびを繰り返す、吠える、震えるなどの症状が出ることがあります」

車にあまり酔わない犬と、酔いやすい犬がいるようですが、これは体質の差なのでしょうか。

「ヒトと同じで、犬にも、三半規管の機能がしっかりしていて車に酔いにくいタイプと、そうでないタイプがいます。ただ乗り物酔いには、体質のほかに、複数の原因がからんでいる可能性が高いので、まずは次に挙げる原因を取り除くことが大切です」(朴獣医師)

座席に座らせるより、キャリーに入れた方が酔いにくい

ここで、朴獣医師が指摘する犬の乗り物酔いの原因とその対策を紹介しましょう。

車に慣れていない

車に乗ったことが少ない犬にとって、ドライブは未知の体験です。慣れないがための緊張や、どこに行くのか分わからないという不安感があると、乗り物酔いの症状はより出やすくなります。なるべく子犬のうちから日常的に車に乗せて、車内の環境や車特有の揺れに慣れさせておきましょう。

運転が荒い

急ブレーキや急発進、小刻みにアクセルを踏む、急カーブを勢いよく曲がるなどの運転は、犬の脳を必要以上に揺らし、三半規管を刺激します。なるべく安定したスピードを保ち、やさしい運転を心がけてください。

車内のにおいが強い

嗅覚に優れた犬にとっては、車内のにおいが大きな負担になる場合があります。車内にタバコや芳香剤などがあれば、においの元を取り除く、掃除をするなどしてにおいを最小限に抑えましょう。

車に乗る前に食べ過ぎている

犬にお腹いっぱいに食べさせてから車に乗せると、乗り物酔いをしやすい上、おう吐の原因にもなります。食事は出発する3時間くらい前に済ませておき、直前には与えないようにしましょう。

キャリーに入れず、座席で自由にさせている

犬をヒトと同じ座席に座らせている姿をよく見かけますが、座席にいると、犬の体は揺れの影響を受けやすく、不安定です。キャリーの中に座らせた方が、揺れが少なく、三半規管への刺激を受けにくいでしょう。

また、犬を座席に座らせると、開いた窓から急に飛び出す、アクセルやブレーキのすき間に入り込む場合があり、非常に危険です。乗り物酔い対策としてはもちろん、安全面を考慮する意味でも、車の中では必ず犬をドライブ用のキャリーに入れるか、犬用のシートベルトを付けるようにしてください。

さらに朴獣医師は、こうアドバイスを加えます。

「(1)~(5)のポイントに気をつけても乗り物酔いの症状が見られる場合は、獣医師に相談してください。酔い止めの薬を処方する、乗車時間を考えて鎮静剤を処方するなどの方法があります」

犬と車での外出時に、(2)と(3)の対策を試してみたところ、酔わずに目的地に着くことができました。車に酔いやすいタイプだと思っていましたが、原因は、運転の仕方や車内のにおいにあったのかもしれません。無理をさせないよう気をつけながら、犬との外出を楽しみたいものです。

記事提供:荒い運転や車内のにおいに要注意! 獣医師に聞く、犬の「乗り物酔い」の原因と対策

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