2016年6月23日更新

靴下を飲み込んだ!獣医師が教える。犬と猫が誤食しやすい危険なモノとは?

犬や猫が、生のイカやタコを食べるとおなかをこわすということはよく知られていますが、獣医師で動物病院リール(東京都渋谷区)の橋本理沙院長は、「食材以外にも注意が必要なものは数多くあります。ペットは、人が想像もしていないものを食べて病院に運び込まれています」と言います。詳しく聞いてみました。

犬は竹串、猫は糸が特に危険

橋本医師は、ペットが異物を飲み込んで入院治療が必要になるケースを挙げて説明します。

まず、犬の場合から。
「脱いだまま置いてある靴下、ぬいぐるみの尻尾、アボカドや桃など大ぶりの果実の種子、ビー玉やスマートボールなど小さめのボールなどに加え、食品のにおいがついたプラスチックケースやビニールなどの包装類が目立ちます。

特に気を付けたいのは、内臓を傷つける可能性が高い、焼き鳥の串やつまようじのようにとがったモノです。また、鶏の骨も噛(か)むと縦に裂けるので、食べさせてはいけません」(橋本医師)

次に、猫の例です。
「毛糸のようなひも状のモノで遊ぶことが好きな猫は、じゃれているうちにそれを飲み込むことがあります。もし、糸の端が口元やお尻から出ていても、決して引き出してはいけません。もう一方の端が内臓に引っかかっている場合があるからです。中でも縫い糸は、針がついたまま飲み込むケースもあります」(橋本医師)

それらの異物を飲み込んだ場合、どのように治療をするのでしょうか。治療費も気になります。
「開腹手術が必要な例が多いです。その場合の治療費は約10万円からで、状況や症状、薬品、ペットの身体のサイズなどで異なるため、上限は想定が難しいところです。

また、手術が不要な症例では、毛玉対策として使用する『毛玉を溶かす薬』を処方することがあります。ぬいぐるみの綿をかじった場合に繊維を溶かす効果が期待できます。薬品の処方だけなら、2,000円前後(初診料別)でしょう。

いずれにしても、異物を飲み込んだ疑いがあるときには、放置すると手遅れになることもありますから、すぐに病院へ相談をしてください」(橋本医師)

保冷剤、ヒト用の医薬品、害虫駆除剤

「暑い時期の事故として、保冷剤を誤食するケースが医師間でもよく話題となります」と言う橋本医師は、次の説明を加えます。

「多くの保冷剤に含まれるエチレングリコールという成分は、腎臓に悪影響を与え、急性腎不全を起こします。しかもエチレングリコールは甘味があるため、味を覚えると、その後も袋を食いちぎる、爪で破くなどして中身を食べる、舐め続けることがあります」

保冷剤を食べるとどういう症状になるのでしょうか。
「元気がなくなり、おう吐や、食欲がなくなる、尿が出なくなるなどの症状が現れ、少量の誤食でも命に関わるケースが多発しています。胃洗浄が必要になると、診察料は別で処置料として5,000〜10,000円、入院して点滴治療を行う場合は1日に20,000〜30,000円が目安となります」(橋本医師)

ペットが自ら食べるだけではなく、飼い主が与えていることもあるのだとか。
「意外と多い例ですが、ペットの様子がおかしいからと、ヒト用の医薬品を与える人がいます。これは絶対にしてはいけないことです。特に、鎮痛剤に含まれるアスピリンやイブプロフェンという成分は、ペットの赤血球を壊し、肝障害・胃腸障害などの強い中毒や深刻な障害をもたらすことがあります。

医薬品以外にも、ゴキブリなど害虫駆除用のホウ酸団子や、殺鼠(そ)剤などにも注意が必要です。駆除のための薬品を食材と間違って誤食するだけでなく、殺鼠剤を食べたねずみをかじって重とくな症状に陥った猫のケースもあります」(橋本医師)

最後に橋本医師は、こうアドバイスをします。
「病院へ駆け付ける以前に、ペットが危険な物を口にしないよう日常的に注意することが最も重要です」
ペットとともに暮らすなら、改めて生活環境そのものを見直す、整えることを心がけたいものです。

記事提供:靴下を飲み込んだ!獣医師が教える。犬と猫が誤食しやすい危険なモノとは

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