2016年2月8日更新

獣医師が解説!犬の〝年齢別〟予防接種のいろは。

愛犬の健康管理は飼い主のとても大切な役割です。日々の健康的な生活習慣による健康管理はもちろんですが、伝染病を予防するための予防接種(ワクチン接種)も愛犬のために忘れてはならないことのひとつです。それでは、犬の予防接種にはどういった種類があるのでしょうか。また、いつどのように接種するのがよいでしょうか。今回は、犬の予防接種についてお話します。

そもそも、予防接種とは?

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健康な体では、外界から入ってきたウイルスや細菌などの病原体に対して免疫細胞が働くことで、それらの病原体を排除しようとします。予防接種(ワクチン接種)では、毒性をなくした、もしくは毒性を弱めた病原菌を注射し、免疫細胞にこれらの病原体の情報を記憶させます。そうすることで、 病原体が侵入してきたときに、体がその病原体に対していち早く反応するため、感染、発症のリスクを大幅に下げることができるのです。

予防接種の種類

現在、一般的に使用されることが多い予防接種は5〜8種の病気が予防できる混合ワクチンです。この混合ワクチンの接種は任意です。一方、任意接種の混合ワクチンとは別に、『狂犬病予防接種』があります。こちらは、90日齢以上の犬に接種させるように法律で決められた、飼い主の義務です。必ず接種しましょう。
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混合ワクチンで予防できる伝染病の組み合わせは、ワクチンメーカーやワクチンの種類によって少しずつ異なりますが、現在一般的に使用されているほとんどの5種混合ワクチンでは、

  • 犬ジステンパーウイルス感染症
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス感染症
  • 犬パラインフルエンザ症

が予防できます。さらに、これらに加えて、

  • レプトスピラ症
  • 犬コロナウイルス感染症

の予防が可能なものが6種、もしくは7種混合ワクチンです。また、2タイプのレプトスピラ症を予防する8種混合ワクチンもあります。住んでいる地域によって、必要なワクチンの種類が異なります。動物病院で相談のうえ、必要なワクチンを接種するようにしてください。

年齢別に解説!予防接種のうけ方

子犬の予防接種

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伝染病をより確実に予防するためには、散歩に行き始める前の子犬の時期からの予防接種が大切です。ただし、子犬が家に来てすぐに接種することは避けましょう。移動や環境の変化によるストレスで体調を崩しやすくなっているためです。子犬を家に迎えた時の月齢にもよりますが、家に子犬を迎えてから1週間くらいしてから予防接種を受けるようにしましょう。

ほとんどの子犬は、母犬の初乳から移行抗体による免疫をもらっています。この免疫は約2〜4ヶ月で消失してしまいますので、その頃にはワクチンプログラムをスタートしましょう。母乳からの免疫が多いとワクチンが十分に効果を発揮できないため、初年度は複数回接種しなくてはなりません。接種開始の時期が遅れた場合でも、しっかりと効果を発揮させるために、初年度は2回以上接種することが勧められています。

一般的なワクチンプログラムでは、8週齢で初回の接種をし、以後3〜4週間ごとに15〜18週まで接種することが勧められています。最終のワクチン接種がおわってから、2〜3週間経つと十分な免疫が成立しますので、公園などへの散歩はそれ以降に開始するようにしてください。

成犬の予防接種

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現在、日本では、成犬には1年に1回ずつ追加接種をすることが勧められています。混合ワクチンに含まれる、全ての伝染病に対するワクチン効果を確実に持続させるためです。ただし、これは健康な成犬の場合であり、体調が悪い場合や、重篤な病気にかかっているような場合には、獣医師と相談の上、接種する時期や接種するワクチンの種類を決定してください。

高齢犬の予防接種

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シニア期になっても、伝染病にかかる可能性はあります。それまでと同様に、健康な高齢犬であれば1年ごとに追加接種をすることが勧められています。ただ、成犬の場合と同様、体調が悪い場合や、重篤な病気にかかっているような場合には、接種について獣医師と相談するようにしてください。

予防接種を受けた時に注意すること

当日は安静に過ごしましょう

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予防接種を受けた当日は、シャンプーや激しい運動はさけましょう。予防接種を受けると、一時的に熱がでたり、震えたり、元気がなくなったりすることがあります。通常は、1〜2日で回復しますので、安静にして様子を見てあげてください。

アレルギーを起こしたら、速やかに動物病院に連絡をしましょう

まれに、ワクチンに対してアレルギー反応を起こすことがあります。じんましんや顔が腫れるといった程度のこともあれば、アナフィラキシーショックといって、ショック状態になることもあります。これは、ワクチンの性質上、100%避けることはできません。万一、ぐったりする、顔が腫れてきた、顔をかきむしる、などの異常が見られたら、直ちに動物病院へ連絡してください。
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こういったアレルギー反応にすぐ対応できるように、予防接種を受けたいときには、午前中に動物病院を受診することをお勧めします。午後の診察時間終了間際などに予防接種を受けてしまうと、接種後にアレルギー反応が起こっても、診察時間外のため獣医師と連絡がとれなくなる可能性があるためです。また、一度でもワクチンによるアレルギー反応が出てしまった愛犬の場合、翌年以降の予防接種の際には、必ずその旨を獣医師に申告してください。ワクチンの種類を変更したり、アレルギー反応を抑えるための薬を投与したりといった対応をします。

年に1回の予防接種を忘れずに

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ワクチンで予防できる伝染病には、愛犬の命にかかわるような病気や、人にも感染する恐れのある病気も含まれています。また、ペットホテルやドッグカフェなどの施設によっては、毎年のワクチン接種をしていなければ利用できないところも少なくありません。伝染病を蔓延させないための周囲への配慮としても、予防接種を確実に受けておくことは大切です。1年に1回、健康診断と予防接種を忘れずに受けることで、愛犬の健康維持に努めましょう。ワクチンの種類や接種のしかた、アレルギーのことなど、わからないことや心配なことがあるようならば、かかりつけの獣医師に相談をしてみてくださいね。

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