2016年2月8日更新

犬や猫も花粉症になるの…?そんな疑問に獣医師がお答えします!!

くしゃみが止まらない。鼻水が止まらない。目がかゆい。毎年春になると、花粉症の症状に悩まされる人も多いでしょう。今年も、辛い花粉症の季節が近づいてきました。ところで、犬や猫に花粉症があるのか、気になったことはありませんか。今回は、犬や猫の花粉症についてお話します。

そもそも、花粉症とは?

blossom-2227_1920
花粉症とは、花粉が鼻などの気道や結膜などの粘膜に接触することで、アレルギー反応による炎症が起こり、様々な症状が出る疾患のことをさします。人の花粉症の原因としては、スギやヒノキ、イネ科植物が有名で、毎年春や秋など決まった季節になるとくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状に悩まされる人が多くいます。

犬や猫も花粉症になるの?

素材_pixta_266710_S
実は、犬や猫も「花粉症」になることが知られはじめています。もともとアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患を持っていた犬や猫が、決まった季節になると症状が悪化するというケースや、アレルギー性疾患とは診断されていなかった犬や猫が特定の季節にアレルギー症状を発症するケースがあります。こういった季節性のアレルギー症状は、人間でいう花粉症と似た状態だと言えるでしょう。

原因

アレルギー反応とは、本来病原性を持たないはずの物質に対して、体が過剰な免疫反応を起こしてしまうことを指します。つまり、花粉に対するアレルギー反応である花粉症の場合には、花粉に対して起こる異常な免疫反応が原因です。一方、ほこりをはじめとした環境中の物質(アレルゲン)に対してアレルギー反応を起こしてしまう体質をアトピー体質と呼びます。アトピー性皮膚炎の犬や猫のアレルゲンとなっている物質の中に花粉が含まれていると、特定の季節にアレルギー性皮膚炎の症状が悪化します。
素材_shutterstock_263440487
実際にアレルゲンとなる花粉の種類として特定されているものの例としては、スギやヒノキ、イネ科植物などが挙げられます。原因となっている植物の種類によって、発症する時期が決まっています。

症状

犬の場合、花粉によるアレルギーの症状としては皮膚炎が多く見られます。アトピー性皮膚炎の症状と同様で、痒みを伴って皮膚が赤く腫れたり、脱毛したりします。猫も同様ですが、アトピー性皮膚炎の症状に加えて、くしゃみや鼻水といった鼻炎の症状や、咳といった喘息の症状が見られることがあります。

治療方法と対策

アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚炎と同様に、症状が強い場合には薬による治療が必要になることもあります。アレルギー体質そのものを根治することは、まだまだ難しいのが現状です。ただ、そういったアレルギーを起こしにくい体質へと変えていく治療を実施している動物病院もありますので、ひどいアレルギー症状で悩んでいる場合には、一度かかりつけの獣医師に相談してみてもよいでしょう。

素材_shutterstock_175183547
基本的には、花粉によるアレルギーの症状が出てしまったら、薬を使ったり、生活環境を改善したりしながら、病気とつきあっていかなくてはなりません。毎年発症してしまう愛犬や愛猫のためには、アレルギーを発症する季節が近づいたら、できるだけアレルギーを起こさせないような対策をとっておくことも大切です。

素材_shutterstock_322821506
自宅でできる対策としては、とにかく可能な限り花粉を室内などの生活スペースに持ち込まないようにすることです。これは、人間の花粉症対策と同じです。散歩などで外出したあとは、ブラシやタオルなどを使って、花粉をしっかりと落としてから室内に入りましょう。室内では、空気清浄機を使用し、こまめに掃除機をかけるなどして環境中の花粉の量を減らすようにしましょう。また、戸外に出ることのない猫であっても油断はできません。外出をした人間が花粉を室内に持ち込むことで、花粉症を発症してしまうことがありますので、しっかりと花粉を落としてから室内に入るようにしてください。さらに、洗濯物や布団、特に愛犬や愛猫が使用しているタオル類やクッションなどにも注意が必要です。外に干したあとは、しっかりと花粉を払うなどしてから取り込むようにしてください。

春に悪化する皮膚炎は花粉が原因かもしれません。花粉症対策をしっかりと!

素材_shutterstock_99574001
特に春先、花粉に悩まされるのは人だけではありません。犬や猫も花粉に悩まされるケースが増えてきています。ただ、特に犬では鼻水やくしゃみといった、人で見られるような典型的な花粉症の症状が少ないため、気づいていない人もいるでしょう。あなたの愛犬や愛猫が、毎年特定の時期に体をかゆがったりするようならば、それは花粉が原因のアレルギーかもしれません。一度、動物病院を受診してみることをおすすめします。花粉に対するアレルギーであれば、自宅でしっかりとした花粉症対策をすることで、症状を楽にしてあげることができるかもしれませんよ。

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

ドッグトレーナー直伝!外でしかトイレをしない愛犬…雨の日のトイレ対策

「トイレを外でしかしないので、雨の日も散歩が必要!」そんな声を耳にしたことがあると思います。まもなく梅雨がやってきます。今回は、雨の日のトイレ対策についてお話いたします。 外でしか排泄……

愛犬と一緒に行きたいこだわりのドッグカフェ ~ 大阪編

犬を同伴できるお店やカフェが増え、最近では飼い主さんと愛犬が一緒に楽しめる機会が増えてきました。それだけに「ただ犬と一緒に入れるだけの店では物足りないという」飼い主さんもいらっしゃるのではな……

子どもがいる家で犬を飼った方がよい4つの理由とは?

現在、ペットを飼っている人にペットを飼った理由を尋ねた複数の調査によると、「動物が好きだから」「気持ちが和らぐから」などと並んで「子どもの情操教育のため」という理由がトップ3に入っています。……

【動物看護士直伝】子犬のシャンプーはいつから?シャンプーを嫌いにさせないコツは?

犬にとってシャンプーは、一生つきまとうケアの一つです。子犬の時期にシャンプーを嫌いにさせてしまうと、成犬になっても嫌がり、手に負えなくなってしまうことがあります。 シャンプー=楽しいこ……

【トラブルと対処方法】外出、外泊でおきた体験談。

だんだん暖かくなってきて、ペットと一緒のおでかけをする方も増えてくる季節です。今回は外出、外泊でおこったトラブルの体験談を集めてみました。獣医師さんのコメント付きなので、外出・外泊を計画中の……

ストレス?換毛期?病気?犬猫の抜け毛について獣医師が詳しく教えます!

春に増える、犬や猫の抜け毛。犬種・猫種によっては、ごっそり大量の毛が抜けることもあり、家の中が毛だらけで毎日の掃除が本当に大変、という方もいるでしょう。春は換毛期といって、犬や猫の毛が生え変……

【ペットシッターが解説】ジャックラッセルテリアとの暮らしで注意すること

ジャックラッセルテリアの性格と性質 性格 ジャックラッセルテリアは、様々なものに興味を持ち、疲れ知らずの好奇心を持っています。 小型犬でありながら、そのパワーはとても強く、しつ……

東京・駒沢で都心最大規模のワンちゃんイベントが開催決定(*´`*)!!

画像出典:@Press:アットプレス 9月12日(土)13日(日)の2日間で都心では最大規模のワンコと飼い主さんのためのイベント【駒沢公園わんわんカーニバル2015】が開催されます♪ ……

犬のニュース

暖かくなる春先は特に注意!愛犬の拾い食いをやめさせるコツ

今月より、コラムを担当させていただくことになりましたDog index ドッグトレーナーのMIKIです。家庭犬と暮らすみなさまの、身近でよくあることや不安に思うことをわかりやすくお伝えしたい……

【動物看護士が解説】引っ越しがストレス・・・どうしても引っ越ししなくてはいけないときは?

飼い主さんにとっては嬉しい、心機一転できる引っ越し。しかし、年をとった犬猫が一緒だとストレスにならないか、不安に思うことはありませんか?なるべくストレスを少なくするためのポイントをご紹介しま……

たまにはプロの手でお手入れさせたい。「ドッグサロン」の選び方

昔にはなかったペットサービスのひとつがドックサロンでしょう。ドッグサロンとは早い話、犬の美容室でシャンプー、トリミング、ブラッシング、爪切り、耳そうじなどを飼い主に代わって行ってくれるところ……

あなたは犬に信頼されてる? 信頼している飼い主さんのみにする犬の行動 6選

あなたの愛犬はあなたのことを心から信頼しているでしょうか?また、家族で犬を飼っている場合は「誰が一番、信頼されているか」知りたくはないでしょうか。そんな飼い主さんのために今回は犬が信頼してい……

犬の雑学

愛犬・愛猫のための手作りごはん!『ペット生活レシピ』がオープン♪

最近『犬猫の高齢化』というキーワードを耳にする機会が増えたと感じませんか?一般社団法人ペットフード協会の独自調査によると、犬猫の平均寿命は、30年前と比較して約2倍にまで伸びているそうです!……

【獣医師監修】犬の刺咬症〜原因・症状と対策

犬の病気で刺咬症というものをご存知でしょうか。刺咬症は簡単に言うと虫刺されのことで、犬も人間同様、さまざまな虫に刺されることがあります。しかし、たかが虫刺されと思って放置しておくとさまざまな……

【動物看護士が解説】老犬の『食事介護』正しい方法を解説します

犬が高齢になり、顎の力が弱まったりすると今まで食べていたドライフードを食べられなくなることがあります。そのまま丸呑みをしても大丈夫ですが、歳とともに消化機能も落ちていくため、本来ならば年齢に……