2016年3月18日更新

【獣医師監修】犬の流涙症~原因・症状と対策

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犬の流涙症は、涙が目からあふれてしまう病気です。シー・ズー、トイ・プードルなどに多く、あふれた涙のせいで目の下が茶色く変色したり、皮膚炎を起こしたりすることもあります。原因は目に対する刺激や涙の排出口の詰まりなど様々ですが、放置は避けたい病気です。

犬の流涙症の原因、症状、対策についてご説明します。

 

原因

犬の流涙症は、何らかの原因で涙が目からあふれ続ける病気です。まず原因に触れる前に、涙の構造と、涙が排出される経路についてご説明します。

涙は3層構造になっています

涙は乾燥からの保護や栄養補給など大切な機能を持つ、目にとって欠かせないものです。3層構造になっており、外側から油層、水層、ムチン層と呼ばれています。

水層の涙は目の上まぶた辺りにある涙腺と、目頭辺りにある第三眼瞼腺(瞬膜腺)で分泌され、油層の涙はまぶたの縁にあるマイボーム腺で、ムチン層の涙は結膜から分泌されています。涙は油層とムチン層によって目の表面に留まり、まばたきによって目全体に広がることができます。そして作られた涙は、役目を終えると目頭あたりに2つある涙点という排出口に集まり、鼻涙管を経て鼻に流されます。

犬の流涙症は、涙が排出される経路に問題が起きたり、3層の涙のバランスが崩れたりすることで発症します。続いて、主な原因を順に見ていきましょう。

1-涙の排出口や通り道が詰まる

涙点、鼻涙管といった涙の排出口や通り道が、目や鼻の炎症の影響を受けたり老廃物がたまったりすることで詰まることがあります。また、先天的に涙点が開いていない場合や、鼻涙管が細い場合もあります。排出口や通り道が詰まると、涙は行き場を失って目からあふれてしまいます。

2-涙が作られ過ぎている

目が何らかの刺激を受けて涙を作り過ぎているケースもあります。例えば、ゴミや目の周りの長い被毛によって角膜がちくちくと刺激されると、涙が過剰に分泌されて目からあふれてしまいます。

3-マイボーム腺の異常

マイボーム腺の異常も流涙症の原因の1つです。水層の涙とマイボーム腺が作る油層の涙が混じることで、涙は蒸発せずに目の表面に留まることができます。そのため、マイボーム腺の機能が低下したり、腺が詰まったりすると、涙は目に留まれずに外に流れたり蒸発したりします。そしてドライアイとなり、目に対する刺激が強くなって、涙が多く分泌されます。

4-他の目の疾患の影響

結膜炎や角膜炎など、目に痛みやかゆみが生じる疾患になると涙の量が増えます。また、眼瞼内反症でも、逆さまつ毛が目を刺激し続けるので涙が多く分泌されます。

症状

犬が流涙症を発症すると、涙が目からあふれ続けます。いつも涙で濡れている被毛は涙やけを起こし、茶色く変色してきます。また、皮膚がずっと濡れたり湿ったりした状態だと、細菌感染を引き起こしやすく、皮膚炎を起こすこともあります。

 

対策

犬の流涙症は原因に応じた治療を行います。例えば、涙点や鼻涙管が詰まっている場合は、洗浄やマッサージで詰まりを解消します。長過ぎる被毛が目に入って涙の量が増えているのなら、目の周囲の被毛を適切にカットします。

マイボーム腺の異常の場合、目の周りを温めたり、マッサージしたりすれば改善することがあります。ただし、目はデリケートな部分なので、治療は必ず飼い主の我流ではなく、獣医師に相談したうえで行うほうがいいでしょう。

結膜炎や角膜炎、眼瞼内反症など他の目の疾患が原因となって起きている場合、その病気の治療を行います。なお、涙点が生まれつき開いていない場合は、外科手術で開ける必要があります。

犬の流涙症の予防

流涙症のきっかけとなる結膜炎や角膜炎など、他の目の疾患を予防しましょう。目に入りそうな被毛をこまめにカットするのも予防につながります。しかし、先天的な原因による発症では予防ができないため、もしいつも犬の目の周りが濡れていたら、動物病院で早急に対処してもらうようにしましょう。

涙やけを起こす前に対処を

流涙症による涙やけで被毛が茶色く変色してしまうと、元に戻せないこともあります。白系統の色の犬だと被毛の変色が目立ちやすいので、涙やけが起こる前に、流涙症を早期発見・早期治療しましょう。もし他の病気がきっかけで流涙症を起こしているのなら、その病気の発見にもつながります。「涙が多いくらいで…」とためらわず、症状がひどくなる前に動物病院に連れて行ってください。

 
 

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