2016年11月19日更新

【獣医師監修】猫の慢性腸炎〜原因・症状と対策

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編集部

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猫の慢性腸炎では、急性胃腸炎ほどの激しい症状は見られないものの、慢性的な下痢や嘔吐によって、猫の栄養状態の悪化を招きます。原因も様々であり、それぞれの原因にあった治療が必要となりますが、完治も難しく病気と長期的なつきあいが必要になる場合があります。猫の排便のチェックを行い、異常を感じた場合は、早めに獣医師に相談するようにしましょう。

 

猫の慢性腸炎の原因

猫の慢性腸炎は、様々な理由によって腸内で慢性的な炎症が起きている状態を指します。急性腸炎よりも症状は軽いといわれていますが、小腸と大腸で炎症が慢性的に繰り返される裏には時に大きな基礎疾患が隠れていることもあり、注意が必要です。

感染症や疾患によるもの

猫の慢性腸炎の原因には様々あります。まずは、なんらかの寄生虫に感染している場合です。サルモネラ菌やジアルジア原虫などが原因になっている場合があり、急性の胃腸炎から慢性化してしまうこともあります。また、リンパ球性腸炎やプラズマ細胞性腸炎といった免疫系が原因となっている場合もあります。

日常生活によるもの

猫はストレスや環境の変化にとても敏感です。食事を変えた場合や長期間の留守番など、なんらかのストレスによって慢性腸炎を起こしてしまうこともあります。また食餌に含まれるアレルゲン(アレルギー原因物質)が原因になっていることもあります。フードに含まれる動物性タンパク質や小麦などの原料、添加物や保存料、着色料などが原因になっている場合もあります。

猫の慢性腸炎の症状

慢性腸炎は、激しい嘔吐や下痢の症状が出る急性胃腸炎に比べて、症状は軽いと言われています。しかし、下痢や嘔吐が続くことによって、全身の栄養状態が徐々に悪くなっていきまいます。また、水をよく飲み尿が増える、多飲多尿の症状が現れます。猫のお腹が鳴っていたり、口臭がきつくなるなど、消化が悪くなっている症状も出てきます。

急性に比べて症状が軽いとはいえ、慢性的な嘔吐や下痢によって全身の栄養状態が悪くなることによって、猫の毛づやが悪くなったり、体重が減少する場合があります。また、下痢便の中に粘液や血液が混じってくる場合もあります。

全身症状に注意

その他、アレルギーやなんらかの疾患が影響している場合は、それに伴った症状が出てきます。慢性腸炎で急激に食欲低下などが起る可能性は少ないものですが、小腸や大腸の腫瘍などが原因になっていることもあり、元気や食欲がなくなるなど猫の体調が悪化した場合はすぐに動物病院を受診し、治療するようにしましょう。

 

猫の慢性腸炎の対策

猫が慢性腸炎になっている場合、まずは、腸炎を引き起こしている原因を見つける必要があります。万が一、他の病気が原因になっている場合は、この治療が優先されます。

なんらかの腫瘍など重大な疾患がある場合や誤飲誤食などが原因になっている場合は、切除手術が必要になる場合もあります。また、寄生虫が原因になっている場合は、駆虫薬を投与し、下痢などの症状が改善されるまで継続的な治療が必要になります。

獣医師による治療

慢性腸炎は、様々な原因が重なっていることがあり、完治までが難しく対症療法を行うことも少なくありません。まずは、絶食を行い、その後、獣医師の指導のもと消化吸収の良い食事を与えていきます。場合によっては、炎症をおさえたり、免疫抑制の為の投薬治療が長期的に行われることもあります。

日常生活での注意

アレルギーやストレスが原因になっている場合は、アレルゲンを取り除いた食餌やストレスのない生活を送ることが猫の健康の為に必要です。低アレルゲン食などの処方食によって改善される場合もあります。

まとめ

猫の慢性腸炎は、急性胃腸炎が慢性化して発症してしまう場合から、他の疾患、アレルギーやストレスが原因となる場合など、様々なケースが考えられます。しかし、感染症などから発症する胃腸炎はワクチン接種や健康診断で予防することができます。

普段から猫の健康管理に気をつけること、またトイレチェックを行い、便が慢性的にゆるい場合や下痢便になっているなど異常がある場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

 
 

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