2016年11月2日更新

【獣医師監修】猫の膿皮症〜原因・症状と対策

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編集部

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愛猫の皮膚にニキビのようなものを見つけたことありませんか。猫にニキビができると聞くと意外だと思う人もいるかもしれませんが、人間でいうニキビのような猫の病気に膿皮症と言われるものがあります。膿皮症は猫の健康状態を表すある種のバロメーターになることもある病気です。膿皮症について詳しく知っておくことでさまざまな病気の発見につながることもあります。今回はそんな猫の皮膚病、膿皮症について詳しくご紹介しましょう。

 

猫の膿皮症の原因とは?

猫の膿皮症は人間でいうニキビのような皮膚病の一種で、皮膚で菌が増殖することで化膿してしまい膿を排出してしまった状態のことを言います。人間のニキビはアクネ菌と言われる常在菌が元となって発症することがほとんどですが、猫の膿皮症の場合はブドウ球菌と言われる常在菌が原因となって発症してしていきます。常在菌は体の健康状態が優れているときでは通常害がない菌ですが、著しく健康状態が優れないときや猫の免疫力が低下したときに皮膚を炎症させ膿皮症を発症させてしまいます。

外的要因によるもの

皮膚にできた傷などが原因で菌に感染し、化膿してしまいます。

菌の増殖によるもの

湿度が異常に高いことや毛づくろい不足による皮膚の換気不足などによって膿皮症を引き起こす菌が増殖してしまうことによって引き起こされます。特にペルシャやヒマラヤンなどの長毛種の猫で起こりやすくなります。

既存の病気によるもの

慢性の皮膚病やノミなどによる皮膚炎、免疫異常、ホルモンの病気、アレルギー、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症などの既存の病気が原因となって膿皮症を発症することがあります。また他の病気を治療するための過剰な投薬が原因となって発症することもあります。

そのほかの要因によるもの

栄養不足や栄養過多、不衛生やシャンプーの行いすぎ、シャンプーが合わないなどが原因で皮膚が刺激され膿皮症を起こしてしまうことがあります。

膿皮症の症状について

膿皮症の症状は菌の増殖により皮膚が赤くなり、だんだんとかゆみが出てくることから始まります。体の様々な部位にできる膿皮症ですが特に湿気がこもりやすいわきや首回り、体の内側、指の間、顔回りなどにできやすい傾向にあります。膿皮症は痒みが強いため愛猫が激しく舐めたり引っ掻いたりするこがもあり、急激に毛が抜けていってしまいます。感染の深さによって分類される膿皮症は、症状が重くなるにつれて痛みや悪臭、出血が激しくなり、体重減少や発熱といった症状が現れることもあります。

表面性膿皮症

皮膚の一番浅い層である表皮で菌が増え炎症が広がり発症する膿皮症です。膿皮症の初期段階ともいわれる表面性膿皮症ですが、痒みが伴い、愛猫が皮膚をかくことで傷が深まり即座に悪化してしまうこともあります。

表在性膿皮症

皮膚の表面より少し深い位置にある真皮と言われる細胞に菌が侵入してくることによって発症する膿皮症です。猫ではあまり見られることがありませんが、膿皮症が悪化してきている状態で皮膚の表面にニキビのような白く膿んだ突起物が見られるようになります。

深在性膿皮症

真皮層よりもさらに深い位置にある皮下組織に細菌が侵入してくることによって発症する膿皮症です。毛包が破壊され皮膚の組織がダメージを受けるようになり、激しいかゆみや痛みが伴います。出血を繰り返すようになるのでカサブタができ、菌による悪臭や化膿が現れます。

 

愛猫が膿皮症にかかってしまった時の対策

愛猫が膿皮症にかかってしまった場合、まず皮膚の炎症と膿を抑えるために抗生物質を使用して治療を行っていきます。膿皮症の進行具合や発生原因によって治療法を変えていきますが、ほとんどの場合は抗生物質の投与で治療を行います。

抗生物質投与

抗生物質の投与により菌を減らし炎症、膿を抑え治療を行っていきます。表在性膿皮症の場合には最低でも3週間投与を行い、深在性の場合には最低6週間ほど投与を行います。どういった抗生物質が使用されるのかは愛猫に合わせて医師が選ぶようになります。

基礎疾患の治療

何らかの疾患により膿皮症を発症している場合は、優先して基礎疾患の治療を行っていきます。膿皮症の進行がひどい場合には基礎疾患治療と併せて膿皮症の治療を行うこともあります。

シャンプーによる治療

表面性膿皮症の場合、猫用の薬用シャンプーを使用することで改善されることがあります。またグルーミングをきちんと行い、被毛をきれいにすることも菌の増殖を抑えられるようになるので効果的です。

食事療法

栄養バランスを整えることによって膿皮症にかかりにくくなります。食事療法だけでの改善は難しいですが、栄養不足や栄養過多を防ぐことで膿皮症の治療が行いやすくなります。

環境改善

猫の飼育環境が不衛生な場合、再発を繰り返すことがあります。湿度に注意し、飼育環境や猫を清潔に保つことで再発を防ぐことができ、また治療が行いやすくなります。

まとめ

猫のニキビと言われる膿皮症、命にかかわる病気ではありませんが猫を激しく苦しめ、弱らせていく病気に変わりはありません。膿皮症は環境によって発症する病気といっても過言ではない病気です。愛猫が膿皮症を発症してしまった場合、病院に連れていくだけでなく愛猫の飼育環境を清潔にするなど自宅でできる改善方法も試し、愛猫が住みやすい環境を作ってあげることも大事です。愛猫に膿皮症が見つかった場合、小さいニキビだからと放っておかず、愛猫に激しい苦しみが伴う前に早急に対応し、悪化させないように心がけましょう。

 
 

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