2016年11月22日更新

【獣医師監修】猫の舐性皮膚炎〜原因・症状と対策

ペット生活

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編集部

犬や猫との暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 

猫の舐性皮膚炎という病気をご存知でしょうか。猫の舐性皮膚炎はある意味猫だからこそ発症してしまう病気ともいえるもので、読んで字のごとく、舐めることによって起こる皮膚炎です。猫は日ごろから自分で毛づくろいを行うきれい好きの動物として有名ですが、舐めすぎが逆に皮膚炎などを招いてしまうことがあります。舐性皮膚炎にどんな危険があるのか、どういったことが隠されているのかを今回は詳しく見ていきましょう。

 

舐性皮膚炎の原因について

猫の舐性皮膚炎は何度も同じ個所を繰り返し舐め続けることで皮膚が炎症を起こしてしまう病気です。猫は本来きれい好きな生き物として知られているように自分の体を舐めることによって毛づくろいをし、清潔に保つ動物です。もちろん、猫であっても皮膚が炎症を起こすほど舐め続けていれば痛みを感じ、通常であれば舐めることを辞めますが、それ以前に炎症を起こすほど舐めなければならない原因があるということになります。

かゆみが原因となるもの

アレルギーやアトピー性皮膚炎、虫刺され、ケガなどにより皮膚に激しいかゆみを感じることが原因で舐める行為がやめられなくなってしまい舐性皮膚炎を発症してしまいます。

基礎疾患によるもの

何らかの病気が原因となって皮膚に感じた違和感を取り除くために同じ場所を舐め続け舐性皮膚炎を発症してしまいます。さまざまな病気が元になっていることがあり、まだ研究が行われている段階です。

脳の疾患によるもの

脳内に何らかの病気や衝撃があった場合に、行動の抑制が効かなくなり同じ場所を何度も舐めてしまい舐性皮膚炎を発症することがあります。因果関係などは現在も研究中ですが、神経節や尾状核の異常が関係していると考えられています。

ストレスによるもの

激しくストレスを感じることによって同じ行動を繰り返してしまい舐性皮膚炎を発症してしまいます。運動不足や多頭飼育のストレス、生活環境の変化などさまざまなストレスが元となります。

舐性皮膚炎の症状とは?

猫の舐性皮膚炎は同じ個所をずっと舐め続けることによって発症するもので、特に口が届きやすい前足や後ろ足、太ももの裏などで起こりやすい病気です。猫の舌は獲物の肉をそぎ落とせるようにザラザラと固くなっており、何度も同じ個所を舐め続けることでさまざまな症状が現れてくるようになります。その症状はとにかくよく舐めるということが大きなポイントです。執拗に何度も何度も同じ場所を舐め続けるようになり、舐め続けることからその部位の脱毛が見られるようになります。皮膚を覆っていた毛がなくなると、今度は皮膚が直接、その舌の刺激を受けるようになり、皮膚が赤く炎症してきます。

炎症を起こした皮膚は皮が柔らかくもろくなり、さらに舐め続けることで皮がめくれて出血を伴うようになります。それでもさらに舐め続けることで、今度は身がえぐれるようになり、骨が露出してしまうこともあります。むき出しになった皮膚に菌が感染してしまうと化膿してしまったり、さまざまな病気や感染症を引き起こしてしまったりする二次感染のリスクが高まります。

 

舐性皮膚炎から愛猫を守るための対策

愛猫が舐性皮膚炎を発症してしまった場合、症状の進行具合に合わせて治療を行っていくようになります。治療はあくまでも対症療法でしかなく、舐性皮膚炎の原因となっている舐める行動を辞めさせない限り、症状が改善することはありません。

基礎疾患の治療

アレルギーやアトピー、虫刺されやケガ、そのほか舐性皮膚炎を引き起こしている病気を患っている場合、優先して基礎疾患の治療が行われます。何度も舐めてしまう原因を減らすことで劇的に改善が期待されます。

抗生剤による治療

炎症具合が激しい場合や皮膚組織のダメージが強い場合には細菌が感染しないように抗生剤などの塗布により治療を行っていきます。

ストレス軽減

愛猫が感じているストレスを軽減させることで舐める癖を改善していきます。ペットとのスキンシップや運動不足改善、長時間の留守番改善など愛猫にとってストレスとなるものを取り除きます。

エリザベスカラーの装着

舐性皮膚炎の症状がひどい場合にはエリザベスカラーを使用してそれ以上舐性皮膚炎が悪化しないように保護します。エリザベスカラーの装着は舐める原因を取り除いているわけではないので、患部の改善にはつながりますが根本的な改善にはなりません。またエリザベスカラー自体が愛猫のストレスになってしまうこともあるので長期に渡る使用は医師に相談するようにしましょう。

まとめ

辞めたくてもなかなか辞められない、猫にとっては苦痛でしかない病気が舐性皮膚炎です。舐性皮膚炎の原因となる皮膚の持続的な痒みや違和感もつらいですが、感覚がわからなくなるほどずっと舐め続けて自身を傷つけてしまうのもつらいことです。舐性皮膚炎の原因の多くがストレスと言われている今、もう一度愛猫との接し方を見直し、環境を改善してあげることが今後の愛猫の幸せにつながっていくと言えるでしょう。

 
 

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