2016年3月24日更新

【獣医師監修】猫の代謝性アシドーシス〜原因・症状と対策

猫が発症する病気には本当にさまざまなものがあり、その多くがあまり聞きなれないものであったり、あまり知られていない病気だったりします。そんなあまり知られていない病気の一つに代謝性アシドーシスという病気があります。アシドーシスは人間の病気としてもあまり知られていないものですが、病態によって呼吸性、代謝性、混合性の3つに分けられる病気です。今回はその中でも猫の様子を一変させてしまう代謝性アシドーシスについて詳しく見てみましょう。

猫の病気代謝性アシドーシスの原因

猫の代謝性アシドーシスは血液中の酸性度が高くなり過ぎた状態のことです。具体的にはpHa(水素イオン)が7.35以下でHCO3(重炭酸イオン)濃度が24mEq/l以下の場合を指します。体の中が酸性に傾く原因にはいくつかありますが、酸の過剰な生産や摂取量の増加、酸を排泄する能力の低下、消化管や腎臓からの重炭酸イオンの喪失などによって引き起こされてしまいます。

尿細管からの水素イオンの排泄低下

腎不全や肝硬変、低アルドステロン症などになってしまうことによって酸の排泄能力が低下してしまうことで水素イオンが体に蓄積してしまい体が酸性に傾いてしまいます。代謝異常によっても排泄機能が低下し、体が酸性に傾いてしまうことがあります。

水素イオンの産生増加

食べた脂質や糖質がうまく処理されず体内に酸が増加してしまうことや、水素イオンと重炭酸イオンのバランスが崩れてしまい重炭酸イオンが減ってしまうことで体が酸性になってしまいます。またショック状態が進行したときや糖尿病がきちんと管理されていない場合にも体は酸を過剰に産生してしまいます。

代謝性アシドーシスの症状とは?

代謝性アシドーシスは代謝機能が低下してしまうことによってさまざまな症状を引き起こす命にかかわる危険な状態です。代謝性アシドーシスになってしまうと吐き気や嘔吐、疲れなどが見てわかるようになります。運動を嫌がったり、食欲不振になったりし、進行するとぐったりとし寝て過ごす時間が増え意識もどんどん遠のいていきます。さらに進行すると1日の大半を寝て過ごし、少しの運動でも意識がなくなってしまうことがあります。最悪の場合になると血圧低下が著しくなり、昏睡状態に陥り、命の危険が非常に高くなります。

代謝性アシドーシスの場合多くの二酸化炭素を放出するようになります。体の中に二酸化炭素が増えてくると体内の二酸化炭素を排出しようと呼吸が早くなり、深くなっていきます。症状が軽い代謝性アシドーシスではまれに無症状のケースもありますが、猫が引き起こすアシドーシスでは吐き気や嘔吐、疲労感がどうしても出てきてしまいます。何らかの病気によって引き起こされることもあるので症状が隠れて見えにくいこともあります。

代謝性アシドーシスになってしまったら

代謝性アシドーシスの多くが何らかの疾患によって引き起こされていることが考えられます。基本的には患っている別の疾患治療を優先して行うようになります。

代謝性アシドーシスの症状が進行している場合、点滴を行って一時的な回復を行うことがあります。代謝能力の低下によってアシドーシスが発生している以上、代謝機能の回復が何よりもの治療になり最も優先される方法です。血糖値を正常にするためにインスリンを使用したり輸血をしたりすることもあり、併用して食事療法も行っていきます。それぞれの原因に合わせて異なった治療が行われるので、大きな病院などで検査を受け、迅速に対応していくことが大事になります。

まとめ

代謝性アシドーシスは発見するのも難しければ治療するのも難しい病気です。症状に気づき、代謝性アシドーシスだとわかってもその原因を突き止めるために他の疾患を探す検査をいくつも行うこともあります。なかなか具体的な治療法もなく、対症療法で病状の進行を抑えることくらいしかできない病気ですが、愛猫が少しでも苦しまないように愛猫にとって無理のない生活を遅らせてあげることが何よりも大事です。少しでも愛猫に異変を感じたら獣医師に相談し、病気の早期治療早期発見ができるよう努めましょう。

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