2016年12月2日更新

【獣医師監修】猫のクッシング症候群〜原因・症状と対策

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猫のクッシング症候群とは副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる病気のことを指し、副腎皮質機能亢進症ともいいます。副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されている状態が長期化すると、グルコースが盛んに生成され、高血糖になる可能性が高まります。またインスリンによって脂肪の過剰な蓄積や糖尿病を引き起こすことも考えられます。クッシング症候群を猫が発症するケースは少ないと言われていますが、その可能性がないわけではないので注意しなければならない病気のひとつです。猫は高いところを好む動物なので、身軽に動けることが気持ちよく生活するための大事なポイントになります。それを損なわないよう、病気のリスクを取り除いてあげてください。猫のクッシング症候群の原因や症状、対策についてご紹介します。

 

猫のクッシング症候群の原因

猫のクッシング症候群の主な原因は以下の通りです。

  • 加齢
  • 腫瘍:副腎皮質刺激ホルモン依存性(脳腫瘍)・非依存性(副腎腫瘍)
  • 薬物:医原性

まずは加齢についてですが、クッシング症候群は加齢に伴って発症するリスクが高まると考えられています。老齢な猫を飼っている方は特に注意するようにしてください。次に腫瘍についてですが、副腎皮質ホルモンの分泌をコントロールしている脳の脳下垂体という部位に腫瘍ができていたり、副腎に腫瘍ができていることによってクッシング症候群を発症することがあると考えられています。腫瘍が悪性であるか良性であるかに関わらず、命に危険が及ぶ可能性があるので、心配な方は適切な検査を受けさせてあげてください。最後に薬物についてですが、グルココルチコイドなどのように副腎皮質ホルモンと同じようなはたらきのある薬物を継続的に投与していることによってクッシング症候群が引き起こされることがあると考えられています。

副腎皮質ホルモンとは

副腎皮質ホルモンは、腎臓の上部に位置する副腎と呼ばれる器官から分泌されるホルモンのことを指します。副腎皮質ホルモンの主な役割は炎症の制御やたんぱく質の異化、炭水化物の代謝、免疫反応などです。副腎皮質ホルモンは脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモンが作用して分泌されます。そのためクッシング症候群は脳腫瘍が原因で発症する可能性があると考えられます。

猫のクッシング症候群の症状

猫のクッシング症候群の主な症状は以下の通りです。

  • 多飲多尿
  • 多食
  • お腹の膨れ
  • 毛艶の悪化
  • 筋肉の萎縮
  • 脱毛
  • 皮膚が薄くなる

猫のクッシング症候群の症状は表立ってわかりやすい形で表れるものが少なく、行動や身体に表れている病気のサインのちょっとした変化を的確に察知しなければ発見することが難しいと言えます。そのため日頃から飼い猫の行動や身体について観察することを習慣化し、僅かな変化であっても感じ取れるようにすることが重要です。クッシング症候群の症状を察知してあげてください。また猫のクッシング症候群によって引き起こされる可能性の高い病気については以下の通りです。

  • 糖尿病
  • 甲状腺機能低下症

それらの病気の症状については以下でお伝えします。

糖尿病の症状について

糖尿病の主な症状は以下の通りです。

  • 多飲多尿
  • 多食
  • お腹の膨れ
  • 体重の減少

甲状腺機能低下症の症状について

甲状腺機能低下症の主な症状は以下の通りです。

  • 左右対称の脱毛
  • 全身のむくみ
  • 体温の低下
  • 心拍数の低下
  • 血圧の低下
  • 元気がなくなる
 

猫のクッシング症候群の対策

猫のクッシング症候群は予防することが難しいため、症状から異変を察知してあげることが大事になります。とはいえ深刻な症状が見られるということは稀で、ちょっとした変化からクッシング症候群の兆候を感じ取らなければならない可能性が高いと考えられます。またクッシング症候群は加齢と共に発症するリスクが高まると言われていますが、高齢になった猫に元気がなくなるということは当たり前であると思って放置してしまうこともあるでしょう。たとえ飼い猫が高齢であっても、ただ単純に加齢によって活動的でなくなっている(元気がなくなっている)とは限りません。病気の症状として表れている可能性が考えられるので、元気がないなどの症状が見られたときには軽く考えずに動物病院に連れて行ってあげてください。

猫のクッシング症候群の治療

猫のクッシング症候群の主な治療法はそれを引き起こしている原因によって異なります。腫瘍などが原因である場合はそれに対する治療を施します。脳腫瘍によってクッシング症候群を発症しているときは腫瘍の切除が困難なケースがあり、そのような場合は放射線治療や投薬治療を施すことになると考えられます。

まとめ

猫のクッシング症候群の原因や症状、対策についてご紹介しました。猫のクッシング症候群は加齢や腫瘍などが原因で発症することが多いと考えられています。クッシング症候群の症状は目に見えて明らかな状態で表れないことがあると言われているので、そのような場合であってもクッシング症候群の可能性を察知できるよう、日頃から飼い猫をしっかりと観察する習慣を身に着けておきましょう。飼い猫の健康を守るために、心配な症状が見られたときには早めに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。

 
 

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