2016年3月12日更新

【獣医師監修】犬のクリプトスポリジウム症〜原因・症状と対策

クリプトスポリジウム症は、クリプトスポリジウム原虫という寄生虫が犬に感染することによって発症する病気ですが、人獣共通感染症である為、人にも感染します。

犬の場合は、症状自体が出にくいとされていますが、子犬や免疫力が低下した犬の場合は、ひどい下痢をする場合もあり、注意が必要です。犬の下痢が続く場合は、感染の疑いも含め、早めに獣医師に相談しましょう。

犬のクリプトスポリジウム症の原因

クリプトスポリジウム症は、その名のとおりクリプトスポリジウム原虫による寄生虫症です。クリプトスポリジウム原虫の未熟な状態であるスポロゾイトは、腸管で卵を形成します。その卵はそのまま腸管で成長するか、糞によって体の外へ出ます。この糞に含まれる卵が食べ物や水に混入し口に入ることによって、新たな動物に感染してしまうという流れをもっています。

クリプトスポリジウムは、犬や猫だけでなく、牛や馬から人間にも感染してしまいます。特に免疫力が低下している場合は、人間でも発症してしまい、過去には集団感染を引き起こしてしまった例もあります。クリプトスポリジウムは、糞便を通して感染するものですが、池、河川、井戸水などクリプトスポリジウムの卵に汚染されている危険な箇所は非常に多くあります。

公園で犬を自由に遊ばせていたところ、水たまりの水を勢いよく飲んでしまった、拾い食いをしていた、糞便を舐めたり触れたりした、こういった様々な場面にクリプトスポリジウムに経口感染してしまう危険性が隠れているのです。

犬のクリプトスポリジウム症の症状

クリプトスポリジウムの症状は一般に、健康な個体では軽度であまり目立たないとされていますが、子犬や免疫力が低下している犬の場合は注意が必要です。潜伏期間は3日から10日ほどで、激しい下痢を起こすようになります。

重篤な症状につながる場合

下痢や腹痛、吐き気をもよおすので、元気がなくなり食欲不振となってしまいます。また、感染によって、微熱が出る場合もあります。また、効果的なワクチン、有効な消毒法や治療法もない為、体力を消耗し、重篤な症状につながることもあるのです。

人間にも感染した場合

クリプトスポリジウムは、人間にも感染してしまいます。犬は肛門や自分の体をなめます。もちろん、外に散歩に行った際に、屋外の感染箇所を舐めてきているかもしれません。

思わぬところで感染が飼い主さんへも広がる可能性があるのです。人の場合も激しい下痢を起こし、免疫不全者の場合は特に注意が必要になります

犬のクリプトスポリジウム症の対策

クリプトスポリジウムに感染した場合は、基本的に対症療法を行うことになります。効果的な治療薬が無いことが現状なのです。脱水症状を緩和する為に輸液を行ったり、抗生剤の投与を行うようになります。その他、整腸剤などを投与し、胃腸の回復を待ちながら食事は与えるようにします。

感染が疑われる際の注意

感染した犬の便の扱いには十分に注意しましょう。感染が広がらないように、適切に処理することが大切になります。また、犬がいた場所や寝具などを熱湯消毒するようにしましょう。原因不明であっても、下痢が続くといった症状がある場合は、感染していることもありますので、まずは、早めに獣医師に相談し、これ以上の感染が広がらないようにしましょう。

日常生活での注意

クリプトスポリジウム症と診断されても、感染した場所がわからない、原因がわからないというケースが多いです。ドッグランやふれあい牧場など、また山や川のレジャー先など、思わぬところでクリプトスポリジウムに感染してしまうこともあります。拾い食いや川の水を飲んだりしないように、犬の行動には十分注意しましょう。

まとめ

犬がクリプトスポリジウムに感染した場合、子犬や免疫力が低下している犬の場合は、特に注意が必要になります。下痢が続くことによって、犬の体力もさらに消耗してしまい、重篤な症状につながることがあります。

まずは、感染しないように普段から犬の散歩の際などは、特に注意するようにしましょう。また、感染が疑われる場合は、早めに獣医師に相談することが大切です。

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