2016年6月29日更新

【獣医師監修】猫にとうもろこしは有害?無害?一体どっち?

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 

キャットフードの原材料表記を見てみると、”とうもろこし”と書いてあるフードが数多く見られます。しかし、猫に有害な食べ物として、とうもろこしがあがっているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。

キャットフードにも入っているのに、どうして食べてはいけないものとされているのか不思議ですよね。その謎を紐解いてみましょう。

 

猫にとうもろこしは有害なのか。

答えは△。

過剰に与えなければ、特に問題はありません。茹でてあり、味付けはしていないもので、数粒であれば問題ありません。何粒を越えると有害とされる域に達するのかは個体差がありますので、ハッキリしたことはいえませんが、ごく少量であればあるほど、安全と言えます。

過剰に与えすぎた場合、消化不良を起こし、便秘や下痢等の消化器症状が現れることがありますので注意しましょう。

何故過剰に摂取すると有害なのか。

猫は元々肉食の動物であり、植物である野菜等を消化するのが苦手な体の構造になっています。

とうもろこしは植物であり、ひとつひとつの細胞にセルロースを主成分とする細胞壁というものが存在します。猫はこのセルロースを分解し体の栄養にする能力がないため、とうもろこしなどの植物を消化吸収することが出来ません。

このことから、過剰にとうもろこしを与えると消化不良を起こし、下痢や便秘、嘔吐を引き起こす可能性があるといわれているのです。

 

キャットフードのとうもろこしは?

当然キャットフードのとうもろこしにもセルロースが含まれます。よくよく原材料表記を見てみると、とうもろこしのいくつかあとに、セルロース、と書いてあるキャットフードもあるのです。猫に負担をかける材料が入っているなんて!と驚かれるかもしれませんが、この場合のセルロースは栄養成分として添加されているわけではないのです。

先程もお話したように、セルロースは分解されるとグルコースと呼ばれる血糖値に関わる物質に変わるのですが、猫は分解できないためセルロースのまま栄養になれずに体内に残ります。セルロースは食物繊維であり、水を含むと量が増します。
キャットフードに入っている理由はこれなのです。

カサ増しをすることによって、便の排泄のリズムを良くし、腸内に長期間便が滞ることを阻止します。また、低カロリーのフードを作ることもできます。

とうもろこしに加えてセルロースも入っているキャットフードの多くは、体重管理用や、便秘改善用などです。適切な量を与えれば、健康に役立つ成分だということです。

適切な量を与えることが大切

とうもろこしやセルロース、他の植物が原材料表記に書かれていても、粗悪なキャットフードなのではと疑う必要はありません。

これらを除いたキャットフードを探そうとすると、かなりのメーカーや種類が除外されることになりますので、フードの購入がかなり困難になります。過剰に心配しなくても大丈夫です。動物病院で販売されているフードにもこれらが含まれているものもありますので、気になるようであれば獣医師や看護師に相談してみましょう。

また、とうもろこし自体を与えても問題はありませんが、ごく少量を与えるようにしましょう。
もちろん、味付けはしないでくださいね。

少しでも負担を減らすために

まれにとうもろこしが好きな猫がいますが、もしおやつや手作り食に混ぜて与えるのであれば、粒のままよりもすり潰したり、ペースト状にして与えるのが良いかもしれません。

粒のまま与えると、便に粒がそのまま混ざって出てくるなんてこともよくあることですから、少しでも猫のお腹の負担を少なくするために、一手間加えて食べさせてあげましょう。