2016年3月9日更新

獣医師が教える!春特有の変化によって犬猫が感じるストレスとは?

寒い冬も終わりが近づいてきましたね。もうすぐ春がやってきます。春は新生活を楽しみにする気持ちの一方で、色々な環境の変化に対してストレスを感じる人もいると思います。私たち人間と一緒に暮らす愛犬や愛猫も、春には特有の気候の変化や環境の変化などが原因で、様々なストレスを感じることがあります。今回は春に気をつけたい、愛犬や愛猫が感じるストレスについて紹介します。

そもそも、ストレスとは

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「ストレス」とは、種々の外部からの刺激が負担となって心身に生じる機能の変化を指します。人間と同様に、犬や猫も様々な刺激を受けることで心や体に健康上の影響が出ることがあります。犬や猫にとってのストレスの原因には、生命の危険や、食料や生活の場を脅かされる危険などが多いとされています。中でも、ペットとして私たちと暮らす犬や猫のストレスの原因には、気温の変化や、生活環境の変化、他の動物や人間との関係性などが多く見られます。

犬や猫が受ける、春のストレスの原因

気温差

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冬から春に移り変わる時期は、日々の気温差や昼と夜の気温差が大きい時期です。この気温差が原因で春先に体調を崩しやすくなる人は多いでしょう。犬や猫も同様です。また、徐々に暖かくなっていく春は、まだ体が暑さに慣れていないため、少しの暑さでも犬や猫の体には大きな負担がかかります。

家族環境の変化

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春には、異動や進学などで家族環境が大きく変わる家庭もあるでしょう。特に犬の場合、それまでリーダーとして慕っていた家族のメンバーが突然いなくなることは、とても大きなストレスになります。残った家族のことを新たなリーダーとして認識できるように、普段から愛犬との信頼関係を確かなものとしておきましょう。

引っ越し

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春に引っ越しをする家庭もあるでしょう。まず、住まいが変わること自体が犬や猫にとってはストレスの原因になります。さらに、引っ越し当日には自宅に知らない人が出入りしたり、大きな家具を動かしたりします。そういった普段と異なる自宅の様子も、犬や猫のストレスの原因です。可能であれば、引っ越し当日は、愛犬や愛猫をペットホテルなどに預けておくようにするとよいでしょう。また、引っ越し中や引っ越し後、愛犬や愛猫が新しい住まいに慣れて落ち着くまでは、ケージなどの安心できる場所に入れてあげるようにしましょう。

季節性アレルギー

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春は花粉症の季節でもあります。犬や猫も、花粉に対してアレルギー反応を起こすことがあります。犬や猫の場合、皮膚炎を起こすケースが多く、皮膚の痒みや不快感がストレスの原因になります。人間と同じように生活環境の花粉症対策を行なった上で、必要があれば動物病院で薬を処方してもらってもよいでしょう。

発情期

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避妊をしていないメス犬は年に2回、春と秋に発情期を迎えることが一般的です。妊娠できる状態になっているメス犬にとっては、ストレスを感じやすい時期でもあります。一方、発情期を迎えたメス犬の近くにいるオス犬にとっても、交尾ができないことはストレスの原因となります。繁殖を望まないのであれば、あらかじめ避妊手術や去勢手術を受けておくこともひとつの選択肢です。

ストレスを受けた時、体内では何が起こっている?

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ストレスを受けると、犬や猫の体内では自己を守るために様々なホルモンが産生されます。「アドレナリン」や「コルチゾール」というホルモンの名前を聞いたことのある人も多いと思います。これらは、ストレスに反応して体内で分泌されるホルモンです。しかし、過度のストレスにさらされてしまうと、これらのホルモンが体にとって悪影響をもたらすことがあります。例えば、コルチゾールには、免疫系の働きを抑える作用もあるため、長期間ストレスにさらされてしまうと、免疫力の低下を起こしてしまいます。

ストレスを受けた時の行動の変化

犬や猫が強いストレスを感じたり、長期間ストレスにさらされたりした場合には、精神的な不調に伴う行動の変化が見られるようになります。

犬の場合

  • 無駄吠えする
  • くんくん鳴く
  • 同じ場所を舐め続ける
  • 同じ場所を行ったり来たりする
  • 自分の尻尾を追いかける
  • 自分の体を過剰に舐めたり噛んだりする
  • 攻撃性が増す
  • 室内を荒らす
  • 不適切な場所で排泄する

猫の場合

  • 自分の体を過剰に舐める
  • 尿スプレーをする
  • 肉球に多量に汗をかく
  • 体毛を逆立てる
  • 触られることを嫌う

それぞれ上記のような様子が見られることがあります。

ストレスを受けた時の体調の変化

強いストレスを受けた犬や猫には、精神的な不調による行動の変化だけでなく、体調にも変化が現れます。なんとなく元気がなくなる、食欲不振、食べものの嗜好が変化する、嘔吐や下痢をするといった症状のほか、広範囲に脱毛してしまうこともあります。

春のストレスのサインを早めに見つけてあげましょう

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春先は、犬や猫もストレスを感じやすい時期です。解決できるストレスの原因は解決してあげたうえで、愛犬の様子をよく観察するようにしてください。体調や行動の変化はストレスだけが原因とは限りません。実際には何かの病気が隠れていることもあります。愛犬や愛猫の様子がおかしい時には、安易にストレスが原因だと決めつけずに、一度動物病院を受診することをお勧めします。

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