2016年3月2日更新

ストレス?換毛期?病気?犬猫の抜け毛について獣医師が詳しく教えます!

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春に増える、犬や猫の抜け毛。犬種・猫種によっては、ごっそり大量の毛が抜けることもあり、家の中が毛だらけで毎日の掃除が本当に大変、という方もいるでしょう。春は換毛期といって、犬や猫の毛が生え変わる時期です。愛犬や愛猫が大量に脱毛していても、換毛期によるものならば心配はありません。一方、精神的な問題や、健康上の問題によっても毛が抜けます。こちらは、ストレスの原因を取り除いたり、適切な治療をしたりといった対策が必要です。そのため、愛犬や愛猫の抜け毛の原因を見極めることが大切なのです。

 

犬や猫の毛が抜けるのはどんなとき?

換毛期の抜け毛

換毛期の抜け毛は、犬では春と秋、猫では春にもっとも多く見られます。品種にもよりますが、特に冬毛から春毛に抜け替わる春先には、飼い主がびっくりするくらいごっそりと大量に抜けることもあります。通常、このときに犬や猫が皮膚をかゆがることはありません。換毛期は、日照時間や気温の変化が刺激となってはじまります。室内飼育をされている犬や猫では、エアコンや照明器具の使用で本来の季節的な刺激を受けづらくなっているために、体毛の生え変わりが年中起こっている状態になっていることもあります。

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犬種によっては換毛期がないこともあります。ヨークシャーテリアやプードル、マルチーズ、パピヨンといった犬種には換毛期がありません。これらの犬種で大量の抜け毛があった場合には、何らかの疾患や強いストレスの存在を疑いましょう。また、換毛期には、新しく生えてきた毛に置き換わるように、全身の毛が順に抜けていきます。そのため、全身の皮膚がむきだしになったり、部分的にぽっかりと脱毛したりすることはありません。そういった症状が見られる時には、換毛期であったとしても、他に脱毛の原因がないか調べる必要があります。

精神的な理由による脱毛

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精神的な理由で脱毛することもあります。これは、犬や猫が受けた精神的なストレスにより毛細血管が収縮し、血行障害を起こすことが原因です。ただ、愛犬や愛猫に脱毛が見られたときに、その原因が精神的な理由であると特定することは難しいものです。皮膚そのものにノミやダニといった外部寄生虫の感染を含めた疾患が見つからず、さらに脱毛を起こすような全身的な疾患も見られないときに、可能性のひとつとして精神的な理由による脱毛を考えます。生活環境や日常生活に変化がなかったかを見直してみて、ストレスの原因に心当たりがあれば解決するようにしましょう。

また、犬が同じ場所を舐め続けたり、引っ掻き続けたりすることで、その部分だけが脱毛したり、毛がすり切れたりしている時や、猫が過剰に毛繕いをしていて、特に下腹部や腰部に限局して脱毛している時にも、精神的な理由による脱毛を疑います。愛犬や愛猫に、ストレスによる行動の変化が見られないか、日々の様子をよく観察してみてください。

病気による脱毛

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犬や猫の脱毛が、何らかの病気の一つの症状である可能性もあります。特に皮膚疾患や内分泌疾患にかかった犬や猫では、脱毛が見られることが少なくありません。かゆみを伴い、毛の抜けた部分に炎症が見られたり、フケがたくさん出たりする場合には、皮膚疾患の可能性があります。一方で、内分泌疾患でホルモン分泌に異常をきたしている場合、かゆみはなく、左右対称に広範囲で脱毛します。いずれにしても適切な治療が必要ですので、早めに動物病院を受診しましょう。

脱毛に気がついた時にチェックするポイント

愛犬や愛猫が脱毛している時には、それが換毛期による脱毛であるのか、病気や精神的な問題による脱毛であるのかを見分けることが大切です。脱毛に気がついた時にチェックしておきたい点には次のようなものがあります。

皮膚の状態

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まず、換毛期による脱毛であれば、皮膚がむき出しになることはありません。ただ、皮膚が露出していなかったとしても、皮膚疾患が隠れていることがあります。脱毛の様子に関わらず皮膚の状態をよく観察しましょう。皮膚の状態を観察する時は、ノミやダニなどの感染はないか、皮膚が赤く腫れるなどの炎症を起こしていないか、フケやプツプツしたものができていないかを確認します。

毛の抜ける部位

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部分的に脱毛しているのか、全身で脱毛しているのかをよく観察してください。しきりに舐めていた部分だけが脱毛しているようなときには、精神的な理由があるかもしれません。

かゆみの有無

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脱毛に加えてかゆみが見られるようならば、皮膚疾患の可能性があります。

食欲の有無など、体調全般

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ホルモンバランスの異常や、精神的な理由で脱毛している場合には、食欲や飲水量に変化が見られることがあります。皮膚の様子だけでなく、全身の状態にも気をつけてみてください。

 

抜け毛が多い時のお手入れ

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抜け落ちる毛を減らし、もつれをなくして皮膚や被毛の清潔を保つためにも、こまめにブラッシンングやシャンプーをしましょう。これらは、皮膚に適度な刺激が与え、健康的な毛が生えるように促すことにもつながります。ただし、シャンプーの頻度には注意が必要です。特に獣医師による指示がない限りは、多くても月に3回程度にとどめておきましょう。

春先の脱毛。原因をしっかりと見極めて対策をしましょう。

春には、びっくりしてしまうほどの抜け毛のある犬や猫もいます。換毛期によるものであれば特に心配する必要はありませんが、中には体調不良や精神的な不調のサインであることもあります。特に、皮膚が見えるほどに脱毛する、かゆみがある、炎症やフケがあるといった場合には、早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。また、判断に迷ってしまうようなときも動物病院で相談をしてみてくださいね。