2017年5月17日更新

ビーグルの病気〜獣医師が解説するビーグルのかかりやすい病気〜

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狩猟犬を祖先としながらも、愛想が良く社交的な性格で、人との交流も大好きなビーグル。日本でも海外でも安定した人気が続いています。ビーグルは小柄ながらも、がっしりと骨太で均整のとれた体つきをしています。ビーグルは椎間板ヘルニアを起こしやすいことがよく知られていますが、その他にも、ビーグルで気をつけておきたい病気がいくつかありますので紹介します。

 

ビーグルの脳の病気

真性てんかん(特発性てんかん)

脳に腫瘍や炎症などの異常がないにも関わらず、神経細胞で異常な電気信号が発生してしまうことによって、けいれん発作などを起こす病気です。脳の腫瘍や炎症などから起こるけいれん発作のこともあわせて、「てんかん」と呼びますが、ビーグルでは、脳に腫瘍や炎症の見られない「真性てんかん」もしくは「特発性てんかん」と呼ばれる病気が比較的多いことが知られています。真性てんかん(特発性てんかん)の発症の詳細なメカニズムはわかっていません。

真性てんかん(特発性てんかん)の症状は様々です。全身がけいれんし、意識を失い、失禁、よだれなどを起こす全身発作の場合や、顔面の一部分や四肢のみがけいれんする部分発作の場合があります。いずれも発作は一時的で、発作後は正常な状態に戻ります。

発作の頻度や重症度によって治療を決定します。投薬はせずに経過観察をしていく場合もあれば、複数の抗けいれん薬を組み合わせて発作を抑える場合もあります。真性てんかん(特発性てんかん)は完治が困難な病気で、生涯にわたってつきあっていかなくてはなりません。

ビーグルの目の病気

白内障

水晶体が白濁することで視力障害を起こす病気です。犬の白内障は加齢ともに発症しやすくなりますが、ビーグルでは若いうちから発症することがあり、遺伝の関与が疑われています。

ごく初期であれば、健康診断などで指摘されることがあるかもしれません。白内障が進行したビーグルでは、飼い主も水晶体の白濁を確認できるほか、視力障害によって散歩を嫌がったり、物にぶつかりやすくなったりします。

白内障の進行で視力が失われてしまった場合、視力を取り戻すための手術を検討できることがあります。白内障手術を実施している施設、手術の適応、術後の合併症やケアなどについて、かかりつけの獣医師とよく相談をしましょう。

緑内障

眼球内部の圧力(眼圧)が上昇することで視神経と網膜が障害されてしまい、視力障害を起こしてしまう病気です。

急性緑内障を発症したビーグルでは、視力障害が起こるほか、角膜が濁って見えたり、目が充血したりします。さらに、強い痛みがあり、目を閉じられなかったり、顔を触ろうとすると噛み付いたりすることもあります。治療せずに時間が経ってしまうと、慢性緑内障となります。慢性緑内障になると、ビーグルの眼球は大きく腫れて見えるようになります。

緑内障の治療としては、眼圧を低下させて視力を回復させるための点眼薬や内服薬を用いるほか、時には外科手術を行ないます。また、急性期には、速やかに眼圧を低下させるための注射薬を使うこともあります。状態が安定したら、内科治療を継続して正常な眼圧、視力を維持します。しかし、緑内障は再発を繰り返すことがよくあります。視力が回復できない場合には、痛みをとるための眼球摘出や義眼の挿入を選択することもあります。

 

ビーグルの脊髄の病気

椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間でクッションとして働いている椎間板物質が変性し、脊髄神経が走っている空間である脊柱管へと飛び出してしまう病気です。飛び出した椎間板物質による圧迫で、脊髄神経は障害を受けます。椎間板ヘルニアは背中のみでなく、首でも起こります。

椎間板ヘルニアを起こしたビーグルに見られる症状は、発症部位や重症度により異なります。軽症であれば、背中や首の痛みのみということもあります。一方で、麻痺により起立や歩行ができなくなるほか、排尿や排便のコントロールもできなくなるケースもあります。

椎間板ヘルニアを発症しても、軽症例では、運動制限を行い、安静にしておくことに加えて、頚部であればコルセットを着用するといった方法で症状が改善することもあります。しかし、再発を繰り返す場合や、安静やコルセットの着用のみでは改善しない場合は手術が必要です。また、麻痺が深刻な場合には、速やかな手術が勧められます。手術後はリハビリテーションを行ないます。しかし、状態によっては、手術やリハビリテーションを行なっても完全な回復が難しいこともあります。

ビーグルの皮膚の病気

アトピー性皮膚炎

ほこりやちりなどの、本来は毒性がないはずの環境中の物質に対してアレルギー反応を起こす体質を「アトピー体質」と呼び、それにより起こる皮膚炎がアトピー性皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎を起こしたビーグルでは、おなかや顔、手足、脇の下の皮膚に、かゆみ、脱毛が見られ、赤く腫れたようになります。皮膚炎が慢性化すると、黒っぽく色素沈着を起こします。また、外耳炎を起こしていることもよくあります。

アトピー性皮膚炎は完治が難しい病気です。内服薬とこまめなシャンプーで症状を抑えながら、生涯にわたってつきあっていかなくてはなりません。

ビーグルについて詳しく知りたい方はこちら
【ペットシッターが解説】ビーグルとの暮らしで注意すること

 
 

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