2016年12月1日更新

【獣医師監修】猫の腸重積〜原因・症状と対策

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編集部

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猫の病気で多いのがお腹に関するもので、デリケートな猫ではちょっとしたことでご飯を食べなくなったり、排便を嫌がったりしてしまうこともあります。数多くあるお腹の病気の一つに腸重積と言われる病気がありますが、愛猫がどんなにSOSを発していても飼い主が気付いてあげなければ愛猫が救われることはありません。今回はそんなSOSを見逃さないためにも腸重積について詳しく見ていきましょう。

 

猫の腸重積の原因とは?

腸重積は腸管の一部が内側にめくれ折り重なるように内部に入り込んでしまった病気のことで、わかりやすく言うと2本のホースを重なるようにつなげているような状態のことです。腸重積は腸管内であればどこの部位でも起こることがあり、発症すると腸の通り道が狭くなり、腸管内を正常にものが通過しなくなりさまざまな症状が引き起こされるようになります。腸重積を招く原因には以下のようなものがあります。

重度の下痢が要因

大腸炎などによって引き起こされる重度の下痢が原因で腸のぜん動運動が低下することが腸重積を引き起こします。

寄生虫が要因

腸が寄生虫に感染することによって下痢が引き起こされ、腸重積を引き起こします。

腫瘍が要因

腸管内部にできた腫瘍が要因となって腸のぜん動運動に異常をきたしたり、下痢を引き起こしてしまったりするため腸重積になることがあります。

誤飲が要因

綿棒や玉ねぎ、チョコレートなどの異物を飲み込んでしまうことが原因で腸のぜん動運動が低下したり、下痢を引き起こしてしまったりし腸重積になることがあります。

その他

過去に行った手術などが原因で、腸内のぜん動運動に変化が起こることで腸重積を発症することがあります。

腸重積の症状について

腸が折り返してしまうことで起こる腸重積は愛猫を死に至らすこともある危険な病気です。腸重積は腸が折り重なることで腸管内が狭くなり、腸管内を内容物が正常に通過できなくなって蓄積していってしまいます。その結果、腸が完全にふさがってしまい腸閉塞を招いてしまうこともあり、放っておくと組織が壊死を起こし、命にまで危険を及ぼすようになります。

初期の症状

お腹を触れることを嫌がるようになり、しゃがみ込むようなお腹を圧迫する姿勢をとらなくなります。この段階ではほとんどの飼い主が症状に気づくことがありません。

中期の症状

症状が進行すると、嘔吐を繰り返すようになり、食欲低下や脱水症状も見られるようになります。腸がふさがり始めているので便秘にもなります。こういった症状は他の病気でもよく見られる症状で飼い主によってはあまり気にしないこともあり、危険です。

重度の症状

さらに症状が進行すると、腸が完全にふさがり腸閉塞を引き起こします。腸内にガスがたまり、お腹が腫れあがり、非常に激しい痛みが伴います。重度の腸閉塞が起こっている場合、ショック症状を起こし死に至ることもあります。

 

愛猫を腸重積から守るには

腸重積はどの段階で病気を発見できたかによって大きく予後が変わってくる病気です。ほかの疾患などが原因で腸重積を引き起こしている場合には腸重積の症状の進行具合によって疾患の治療をいつ行うのかを決めていきます。腸重積の症状が軽い場合では優先してあるいは、並行して腸重積の治療が行われますが、症状が重い場合では腸重積を先に治療していきます。

腸重積の治療は猫が脱水症状にならないように輸液を行いながら進められます。症状が軽い場合、腸の状態に異常がない場合では腸管をもとに戻す整復が行われます。整復はバリウムや空気などを肛門から注入して圧を加えることで、腸重積をもとに戻していく方法です。猫が生後間もない場合や高齢で腸が弱い場合には整復は行えません。症状が重い場合や腸重積を起こしている部分が壊死を起こしている場合、生後間もない場合、高齢などの場合には外科手術を行い治療していきます。外科手術では腸重積を起こしている部分を直接もとに戻していきます。壊死している部分がある場合はその部分を切除します。

まとめ

腸重積はなかなか飼い主が気付きにくい病気で、放っておくことによって急速に悪化してしまう病気でもあります。重度の症状が見られる場合には緊急手術を必要としていることもあり、至急医師に見せることが愛猫を守ってあげられる唯一の方法です。愛猫を危険にさらさないためにも腸重積の原因を取り除き、また腸重積の症状をよく把握し、どんな小さなSOSも見逃さないようにすることが重要です。

 
 

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