2016年3月16日更新

【獣医師監修】犬の心室中隔欠損症〜原因・症状と対策

生まれつき心臓の壁の一部に穴が開いてしまっている病気を心室中隔欠損症といいます。心室中隔欠損症は犬の先天性の病気としては一番発症頻度が高く、さまざまな心臓の病気や肺の病気を招いてしまう原因にもなります。

生まれてきた愛犬が心室中隔欠損であった場合に困らないように、今回は心室中隔欠損症について詳しく見ていきましょう。

犬の心室中隔欠損症の原因とは?

犬の心室中隔欠損症は心室中隔と呼ばれる、心臓の右心室と左心室の間にある壁に穴が開いている状態のことで、心臓の奇形の一種です。

犬の心室中隔は普通、胎児期の頃、出生後間もないころであれば穴が開いている状態です。それが成長するにしたがって壁ができるようになり穴が閉じていくものですが、何らかの原因で壁が閉じないで成長してしまうと、さまざまな症状を引き起こしてしまいます。

穴が小さい場合や、他に心臓に病気を患っていない場合などではこの心室中隔欠損だけでは特に症状が出ないこともありますが、大きな穴が開いてしまっていると右心室から左心室へ流れるはずの血液が逆に左心室から右心室に流れ込むようになり肺に大きな負担がかかってしまいます。

この病気は特に柴犬やイングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、オールドイングリッシュシープドッグ、ドーベルマン、ボクサー、サモエド、ブルドッグ、バセットハウンド、秋田犬、ウェストハイランド・ホワイト・テリアなどに現れやすい病気です。

犬の心室中隔欠損症の症状について

心室中隔欠損症は生まれつき心臓の右心室と左心室の間にある壁に穴が開いている病気です。この穴が小さいと特に症状が出ることもなく過ごすことができますが、この穴が大きいとさまざまな症状が出るようになり、肺にまで負担をかけてしまうことがあります。

乾いた咳が主な症状で、飼い主が気付きにくいものです。

徐々に状態が悪化してくると、呼吸困難や運動を嫌がる、疲れやすいなどの症状が見られるようになり、肺水腫が見られることもあります。

心室中隔欠損症は生まれつきの病気のなかでは最も発生率が高いです。犬は胎児の頃や生まれて間もないころは、この心室中隔と言われる壁がなく成長とともに壁ができ穴がふさがっていきます。しかし生後6か月を超えてもこの壁に穴が開いたままだと心室中隔欠損と呼ばれる異常な状態であり、体の血流に影響が出ることによって発達障害などを引き起こしてしまいます。

犬の新中隔欠損症から愛犬を守るための対策

心室中隔欠損症は生まれつきの病気のため、予防できる病気ではありません。また穴が小さい場合では症状もほとんどなく、生活にも影響を及ぼさないためそのままにされることもあります。しかし、通常であれば開いていないはずの穴が開いているということは、何らかの症状が何かの拍子に現れる可能性は十分にあります。

特に気を付けたいのが、心臓に寄生して愛犬の命を奪ってしまうフィラリア症です。心室中隔欠損症を発症している犬がフィラリア症にかかると早い段階で重度の症状を示すようになります。必ず徹底したフィラリア予防をするように心がけましょう。

外科的治療法

外科手術を行うことで人工的に心室中隔に壁を作って治療を行っていきます。外科手術による治療法がもっとも有効的な治療法で、早期発見早期治療を行うことで寿命を全うすることも可能になります。

内科的治療法

薬物を使った治療法で心室中隔欠損の症状をやわらげ、病気の進行を遅らせます。内科的療法では完治させることは難しいですが、何らかの理由で手術ができない場合には内科的療法で延命措置を行うようになります。心不全のような重度の症状を引き起こしている場合には、血管拡張剤や強心薬、利尿薬などを使い症状を緩和させていきます。

まとめ

犬の心室中隔欠損症は生まれつきの病気で飼い主が防ぐことのできない病気です。しかし、どういった病気なのかを知っておくことによって早期発見、早期治療を行うことができ、愛犬を守ってあげることも可能です。

あまり症状が出にくく、知らず知らずに愛犬に負担をかけてしまうこともありますが、定期的に愛犬の健康診断を行うようにし、愛犬がどういう状態なのかを正しく知ることが何よりもまずは大切なことです。

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