2016年6月2日更新

【獣医師監修】犬の耳腫瘍〜原因・症状と対策

犬の耳に起こる病気の一つに耳腫瘍と言われるものがあります。腫瘍と聞くと多くの人がガンを想像してしまいますが、耳腫瘍は必ずしも悪性のものと決まっているわけではありません。

犬の耳は腫瘍のようなしこりができやすい部位です。それでも愛犬の耳にしこりができていたらやはり不安で、気になってしまいますよね。今回はそんな犬に多い耳腫瘍について詳しく見ていきましょう。

犬の耳腫瘍の原因について

犬の耳腫瘍は耳のどこか一部が腫れたように膨れ上がり、皮膚の上からしこりのような固いイボができる病気です。この耳腫瘍は耳の外側だけでなく、耳の穴の中にもできることがあります

耳腫瘍ができる原因はまだ研究されている段階で未だ原因不明です。それでも、いくつか考えられている原因はあり、その原因を取り除いてあげることで発症の確率を下げることが出来ます。

皮膚の炎症によるもの

外耳道と言われる耳の穴の中で皮膚の慢性的な炎症が発生することが引き金となり、耳腫瘍が発生すると考えられています。

耳のケア不足によるもの

耳の中が常に汚れていることが引き金となり、耳内部に雑菌が発生し耳腫瘍につながると考えられています。

湿気によるもの

特に耳の垂れている犬種や、被毛の長い犬種では耳の中に湿気がたまりやすく、そのことが要因で雑菌が繁殖しやすいと考えられています。そういった犬種は耳腫瘍になりやすいと考えられています。

耳腫瘍の主な症状

耳の一部が腫れあがり、イボのようなものができる犬の耳腫瘍は、皮下組織に存在する汗を分泌する汗腺で発生する病気です。

汗腺の一種であるアポクリン腺は犬では耳やわき、肉球の間などに多く存在しています。このアポクリン腺に腫瘍ができてしまうことでさまざまな症状を引き起こすようになります。この腫瘍が良性のものか悪性のものかは検査しない限り分かるものではなく症状から判断できません。

特に高齢の犬で発生しやすい病気で、耳腫瘍と他の病気を併発してしまうこともあります。

初期の症状

耳腫瘍の初期の段階ではイボのようなものを目視で確認でき、指で触れると固いしこりを感じることができます。耳の中の汚れが増えるようになり、状態によっては腫瘍部に出血が見られることもあります。

重度の症状

腫瘍が大きくなってくると、周囲で炎症が起き、化膿してしまいます。愛犬がしきりに耳を気にするようになり、頭を振るといった行動や耳を触ろうと引っかいたりすることもあります。大きくなった腫瘍が耳の穴をふさいでしまうこともあり、においがきつくなってきます。外耳炎や中耳炎などの耳の病気を発症していることもあります。

耳腫瘍にかかってしまった時の対策

犬の耳腫瘍はその原因がはっきりとしないこともありなかなか防ぐことが難しい病気です。基本的には発生してしまった腫瘍に対して行う対症療法が主な治療法ですが、一度治してもまた再発してしまうこともよくあります。

良性の腫瘍の場合は特に治療などを行わずそのままにしていることもありますが、腫瘍の状態によっては良性でも治療を行うことがあります。

基礎疾患治療

耳腫瘍の大きさや悪性か良性かによっては様子見とし、併発している他の疾患の治療を優先的に行っていきます。また基礎疾患がない場合でも耳の汚れを取り除き、腫瘍を引き金にほかの耳の病気を併発しないための措置を行います。

外科的治療

耳腫瘍が悪性の場合は外科手術によって直接腫瘍を切除していきます。耳の手術は耳のどこに腫瘍があるかによってその手術方法が大きく変わってきます。

場所によっては大学病院などでしか手術ができないほど難しい技術を要求されるものもあります。良性の腫瘍の場合でも腫瘍が耳の穴をふさいでいる場合には外科手術を行い腫瘍を取り除きます。

まとめ

犬の耳腫瘍は犬では発生しやすい病気です。ただ発生する腫瘍のほとんどが良性のものと診断されることが多く、腫瘍ができてもそのままにしている飼い主が多いのも事実です。

しかし腫瘍を発見した際に素人が良性、悪性を見極めるのは不可能で、安易に放置しておくと取り返しのつかない事態になってしまうこともあります。愛犬の耳にしこりを見つけたときは必ず獣医師の診察を受け、適切に対応していけるようにしましょう。

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