2016年6月14日更新

【獣医師監修】犬の高窒素血症〜原因・症状と対策

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犬が高窒素血症を発症すると、脱水や貧血、不整脈など、様々な症状を発症します。また進行すると、命に危険が及ぶことがある為、注意が必要です。犬の高窒素血症は、腎臓の機能低下と大きなつながりがあります。日頃から、トイレのチェックを行い、健康診断をするなどして、予防していきましょう。

 

犬の高窒素血症の原因

高窒素血症は、本来血液がろ過されて尿として体外に排出される老廃物が、体の中に溜まってしまった際に起ります。この血液のろ過を担う器官が腎臓です。

犬の腎臓機能が低下することによって、タンパク質の代謝で発生した老廃物が血液中に溜まってしまうのです。

腎臓機能が低下

高窒素血症は、腎臓の機能低下と大きく関係しています。その為、原因として考えられるのは、まず腎臓の異常です。

急性腎不全、急性糸球体腎炎、老犬に多く見られる慢性の腎不全などによって、老廃物をろ過する腎臓の機能が低下してしまいます。

心不全などによって、血液が上手く腎臓まで押し出せず、血液中に老廃物が残ってしまった場合にも起こる可能性があります。その他、熱中症や中毒などが原因になることもあります。

その他様々な原因

せっかくろ過されて、尿として老廃物を出そうしても、尿路がつまっていると、結果として、老廃物が溜まってしまいます。尿路結石や腫瘍など、尿路異常によっても、高窒素血症は起こる可能性があるのです。

腎臓機能が弱まってきた場合だけでなく、なんらかの病気や疾患によって腎臓にまで影響が及んでしまった場合、排尿に問題が起きている場合など、原因には様々なことが考えられるのです。

犬の高窒素血症の症状

高窒素血症を発症していると、腎臓の機能も低下していることも多いため、様々な症状が現れます。水をたくさん飲んだり、尿が減るという症状が表れ、むくみが出てくることがあります。

一方で脱水や貧血が起こることもあり、犬の体調変化に注意が必要です。特に、飲む水と排泄に関しては注意してみるようにしましょう。

高窒素血症を発症すると体の中の毒素が溜まってしまいます。その為、食欲不振になったり、嘔吐や下痢が起こります。元気がなくなり、ぐったりしたり、遊びや運動することも嫌がるようになってしまいます。

命の危険につながる可能性

高窒素血症の状態が続くことで、尿毒症につながることもあります。口臭がきつくなり、口からアンモニア臭がするようになります。

また、不整脈、意識障害がおこり、命の危険にまでつながる重篤な症状を引き起こすのです。高窒素血症が進行してしまうと、体中に毒素が溜まってしまい、回復までも非常に難しい状態になってしまうのです。

 

犬の高窒素血症の対策

高窒素血症を発症した場合は、まずは、その原因を探ることになります。別の疾患が原因になっていることもあるため、高窒素血症の原因疾患や症状にあわせた薬の投与などが行われます。また、尿路に障害がある場合は、外科手術を行うケースもあります。

対症療法が中心

急性や慢性の腎不全など、腎臓機能が低下するなんらかの疾患をもっている場合は、その治療が優先されるようになります。

すでに、高窒素血症が進行してしまっている場合や尿毒症を引き起こしている場合は、緊急の対症療法が行われます。老廃物を排出できるように輸液を行ったり、貧血を回復させるために輸血を行います。

日常生活での注意

高窒素血症から回復しても、腎臓の機能が低下している場合は、食餌療法を行うことになります。普段から、トイレのチェックや、処方食に切り替えてバランスのよい食餌を与えるなど、日常からの注意が必要になります。また、定期的な健康診断や血液検査などを行い、犬の健康状態に注意するようにしましょう。

まとめ

犬の排泄の様子や、体の異変を感じた時は、早めに獣医師に相談しましょう。愛犬の高窒素血症に気づいた時には、すでに腎臓病やなんらかの疾患が進行している可能性もあります。また、そのまま進行してしまうと、愛犬の命を奪いかねません。

病気の早期発見と早期治療につなげる為にも、日頃から犬の健康管理をしっかり行うようにしましょう。

 
 

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