2016年3月16日更新

意外と多い『春先の熱中症』について獣医師が解説!!

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寒かった冬も終わりが近づき、暖かい日が増えてきましたね。実は春先は、『熱中症』を起こしてしまう愛犬が増えてくる時期でもあります。熱中症は、暑い夏だけの問題ではないのです。今回は、意外と多い、春先の熱中症について解説します。

 

春に熱中症?

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寒い冬から暑い夏にかけて、少しずつ体は暑さに適応していこうとします。春先はまだ、暑さに対する体の準備ができていません。加えて、春は暑い夏と異なり、飼い主の熱中症対策への意識が薄くなりがちです。そのため、特に暑いと感じるような日でなくても、散歩や運動をしたあとに熱中症を起こしてしまった、ということが少なくないのです。また、愛犬の留守番にも注意が必要です。風通しが悪く直射日光の当たる室内は、春であっても気温が非常に高くなっていることがあります。室内でも熱中症には気をつけなくてはなりません。
Domestic dog standing in the car trunk
さらに、春の行楽シーズンには、愛犬とのドライブにも熱中症の危険があります。車内は閉鎖された小さなスペースであり、非常に高温となりやすいことが知られています。短時間でも車内で愛犬を待たせることはとても危険です。また、トランクルームはエアコンの利き方が異なる上に、ケージの中はエアコンによる温度調節が十分できていないこともあります。飼い主が車内で暑いと感じていなくても、ケージの中は高温になっていることもあるのです。

犬の熱中症

犬の体温調節の方法

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体温が高くなってきた時、犬は人のように全身で汗をかいて体温調節することはありません。犬は、舌を出してハアハアと呼吸する「パンティング」を行い、唾液を蒸発させることで体温を発散させます。また、冷たい床などに腹部をあてるなど、体を直接冷たいところに接することで体温を下げようとします。

犬は熱中症を起こしやすい

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犬のパンティングや、冷たいところに寝そべるなどの体温調節方法は、人間の発汗と比べて効率が悪いため、犬は人よりずっと熱中症にかかりやすい動物です。また、小型犬は、足が短く、胴体と地表の距離が短いため、アスファルトの照り返しの熱で体温が上昇しやすく、より熱中症を起こしやすい傾向があります。

熱中症を起こしやすい犬の特徴

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気道の狭いパグやブルドッグ、フレンチプルドッグは、熱中症を非常に起こしやすいことが知られています。また、ポメラニアンやゴールデンレトリバーなどのダブルコートの犬種も熱中症のリスクが非常に高いため注意が必要です。さらに、熱を放散しにくい肥満の犬、また、過去に熱中症を起こしたことのある犬も要注意です。

熱中症を起こした犬の症状

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熱中症を起こした犬は、口を大きくあけて舌をだらりと出しながら、苦しそうな呼吸をします。また、多くの場合、よだれが増えて口の周りが濡れ、よだれがしたたり落ちるほどになることもあります。さらに状態が進行すると、ぐったりしてきたり、時には失禁したりすることもあります。やがて、意識を失ったり、けいれんしたりといった神経症状が現れ始めます。熱中症を疑わせる状態になった時には、速やかな応急処置を行なった上で、早急に動物病院を受診してください。

犬が熱中症を起こしたときの応急処置

呼吸をしやすくして、体を冷やすこと、意識がはっきりしていれば飲水をさせることが基本です。愛犬がどんな状態であっても、熱中症が疑われる時には、まずは落ち着いて次のようなことをしてください。

  • 着ている服は脱がせる
  • 首輪や胴輪をはずして、呼吸しやすくする
  • 気温の高い場所や直射日光の当たる場所、風通しの悪い場所は避け、風通しの良い涼しい場所で安静にさせる

その上で、意識がしっかりしていて姿勢を維持できるような状態ならば、体温を下げるために次のようなことを行なってください。

  • 冷たい水を少しずつ飲ませる
  • 冷水を全身に浴びせる、流水に体をつける、水道水をかける
  • 涼しい場所で呼吸がおちつくまで安静にする

呼吸がおちつかなかったり、体温が下がらなかったりするようならば速やかに動物病院を受診してください。このとき、冷たいタオルか保冷剤を頚部や脇、腹部、太ももの内側などにあてて、搬送中も体温が上がらないようにしましょう。また、応急処置で状態が落ち着いたとしても、熱中症を起こした犬は時間がたってから状態が悪化することが少なくありません。必ず動物病院を受診するようにしてください。
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一方、愛犬の意識がもうろうとしていて、呼びかけに反応しない場合や、けいれん発作を起こしている場合、特に体温が41℃を超えているような時は非常に危険です。一刻を争う状態ですので、動物病院に連絡の上、体を氷嚢などで冷やしながら早急に受診してください。無理な飲水は危険です。意識がはっきりしていない時には絶対に飲水させないでください。

犬が熱中症を起こした時の注意点

応急処置により体温が下がって、愛犬の状態が回復したように見えても、愛犬の体内では熱による大きな変化が起こっていることがあります。そのため、しばらくたった後に状態が急変する可能性があります。熱中症は、慎重な経過観察が必要な病気です。愛犬が熱中症を起こした時には、軽症に見えたとしても必ず動物病院を受診してください。

 

愛犬の春の熱中症対策

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脱水は熱中症を起こしやすくします。春先であっても油断はできません。常に水を十分に飲ませるようにしてください。また、直射日光を避け、できるだけ風通しのよい空間で生活させましょう。散歩や外遊びは日陰のある場所で行い、十分に水分補給を行なってください。愛犬とドライブなどに行く時には、車内の温度管理に気をつけ、愛犬を車内に留守番させなくて済むような計画をたてましょう。こまめな休憩や飲水も大切です。

熱中症対策は春先であっても忘れずに

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熱中症は命に関わる病気です。「まだそれほど暑くないから」という油断はとても危険です。自宅でも、外出先でも、人よりも暑さに弱い愛犬の熱中症対策を忘れないようにしてくださいね。

 
 

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