2016年3月25日更新

【獣医師監修】猫の眼瞼外反症~原因・症状と対策

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猫の眼瞼外反症は、まぶたが外側にめくれてしまう病気です。下まぶたで起こることが多く、常にまぶたの裏の赤い結膜が露出することになるため、結膜炎や角膜炎、ドライアイなど、他の目の異常を引き起こしやすくなります。猫が目を気にするしぐさをしているときは、目の周囲を観察してみてください。まぶたの下側に赤い結膜が見えたら、眼瞼外反症を発症しているかもしれません。

猫の眼瞼外反症の原因、症状、対策について取り上げます。

 

原因

猫の眼瞼外反症の原因には先天性のものと後天性のものとがあります。先天性の原因は遺伝です。後天性の場合では、以下のような理由で眼瞼外反症が起こります。

  1. 目の周りの傷跡によるひきつれ
  2. 顔面神経の麻痺
  3. まぶたの弛緩

1番目は、瘢痕性眼瞼外反症といいます。目の周りに深いケガややけどを負うと、その傷が治るときに皮膚がひきつれを起こし、まぶたが外側に引っ張られた状態になります。

2番目の顔面神経の麻痺は、顔の筋肉を動かす神経が働かなくなり、まぶたの位置が保てなくなって外側にめくれてしまいます。顔面神経の麻痺は、中耳炎や内耳炎、脳の腫瘍などが原因で発生します。

3番目のまぶたの弛緩は、老化などによって目の周りを取り囲む筋肉が衰え、まぶたが外側にめくれた状態になります。

症状

猫が眼瞼外反症になると、まぶたが外側にめくれ、内側の赤い部分(結膜)が常に見えた状態になります。上下のまぶたのうち、下まぶたに起こりやすい病気です。

常に結膜が露出していることで結膜炎が起きやすい状態になります。また、目が乾燥してドライアイを発症しやすく、涙に保護されていないむき出しの角膜は、非常に傷つきやすくなります。角膜が傷ついて角膜炎を起こしたり、さらにその傷に細菌が感染して角膜潰瘍を起こしたりすることもあります。

猫の眼瞼外反症では結膜炎と角膜炎が非常に起きやすいので、それぞれの症状を見ていきましょう。

結膜炎の症状

  • かゆみや痛みのために目をこする
  • 目やにが出る
  • 結膜がむくんだ状態になる
  • 涙が出る、など

角膜炎の症状

  • かゆみや痛みのために目をこする
  • 目やにが出る
  • 涙が出る
  • 眩しそうに目をしょぼつかせる、など

結膜炎と角膜炎は共通の症状が多い病気です。目に痛みがあるのも共通で、どちらもその痛みによって涙の量が増え、場合によって涙が目からあふれてしまう流涙症を起こすことがあります。

このように、まぶたが外側にめくれることで、様々な目の病気が次から次へと引き起こされていきます。

 

対策

猫の眼瞼外反症は、まず結膜炎や角膜炎など他の目の症状が出ていたら、点眼剤で治療を行います。その後、余分なまぶたの皮膚を切除する外科手術を行います。軽度であれば点眼剤などで症状が治まることもありますが、これは一時的な改善に過ぎず、完治させるには手術は不可欠です。手術をせずにいると眼瞼外反症は再発し、そのたびに猫は結膜炎や角膜炎の症状に苦しめられることになります。

眼瞼外反症の予防法

猫の眼瞼外反症の原因となるケガややけど、病気を防ぐことが予防につながります。例えば瘢痕性眼瞼外反症の場合、やけどを防ぐために、火を使うコンロ周りには猫を近寄らせないようにしつける、外で他の猫とケンカして深い傷を負わないように、完全室内飼育にする、などです。

また、顔面神経の麻痺の原因となる中耳炎や内耳炎は、外耳炎の炎症が耳の奥に進行して起こることが多いので、外耳炎を予防するように努めましょう。外耳炎は細菌、真菌、寄生虫、感染症やアレルギー、異物などのほか、飼い主の誤った耳掃除が原因で起こることもあります。耳掃除で外耳道についた傷に細菌が感染し、繁殖して外耳炎を引き起こします。耳掃除は我流ではなく、獣医師の指導を受けて行うほうがいいでしょう。また、猫が異常に耳をかゆがっていたり、耳から嫌なにおいがしたりすれば外耳炎の疑いがありますので、早めに治療を行ってください。

最悪の場合、失明することも…

眼瞼外反症によって起こる角膜炎は、悪化すると角膜潰瘍だけでなく、角膜穿孔を起こすこともあります。角膜穿孔になると角膜に穴が開き、最悪の場合失明することもあります。

猫が前脚で目をこするなど、目を気にするしぐさをしている、最近やけに目やにが多い、涙が出ているといった異常が見られたら、なるべく早く動物病院で治療を行ってください。

 
 

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